医療系サイトのSEO対策と上位表示の事例紹介!「YMYL」とは?
最終更新日:2024/11/19
公開日:2022/02/17
病院やクリニックなどの医療系サイトにとって、Googleなどの検索結果で上位表示できることで得られるメリットはたくさんあります。
昨今、美容医療業界を中心とした自費に力を入れる業界において、SEOでの競争は加熱する一方です。
医療系サイトのSEO対策では、一般的なホームページと違い、「YML」「E-A-T」といった概念に関する知識が必要になります。
この記事では、医療系サイトにおけるSEO対策のポイント、上位表示させるために欠かせない「YMYL」「E-A-T」の基礎知識、「YMYL」を意識したSEO対策やポイントについて解説。どうすれば検索結果で上位表示できるのかを紹介していきます。
医療系サイトのSEO対策はなぜ難しいのか?
医療系サイトのSEO対策が、他のジャンルより難しい理由は、以下の2点が挙げられます。
- 最新の医療広告ガイドラインを理解しておく必要がある
- 医療に関するコンテンツは、「情報の信憑性」という面で、Googleから厳しくチェックされる
2018年の医療広告ガイドライン改正により、医療系サイトは医療広告ガイドラインの規制対象に追加されました。医療広告ガイドラインに違反すると、「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」「20万円以下の罰金」といった罰則を受ける恐れがあるため、医療広告ガイドラインに則った情報を掲載する必要があります。
医療広告ガイドラインについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
さらに、医療系サイトは、他のジャンルのサイトと比べて、Googleからの評価が厳しくなっています。なぜなら、医療に関するコンテンツは、健康や命にかかわる内容が多く、間違った情報が拡散されれば、より多くの命にかかわる恐れがあるからです。
過去にDeNAが運営していた、医療のキュレーションサイト「Welq」というサイトでは、医療に関する情報の整理を目的としているのにも関わらず、不正確な情報の記事を多数掲載しており、2016年12月に社会問題に発展しました。結果として、現在では閉鎖されています。
さらに2017年12月のGoogleアップデートでは、医療に関するコンテンツにおいて、信頼性が重視・評価されるようになりました。信頼できるコンテンツとして評価されるのは、情報を提供しているのが、医療従事者や医療機関等の場合です。
読者にとって、ネット上のコンテンツが信用できるものなのかは、簡単には判断できません。コンテンツが検索上位に表示されていれば、信用できる情報だと思う方がほとんどです。検索上位のコンテンツに間違った情報が多く掲載されてしまえば、検索エンジンを提供するGoogleとしても、利益を損なうことにもつながります。
そのため、Googleは本当に信頼できるコンテンツを評価し、検索上位に表示する仕組みを取っています。つまり、医療に関するサイト・コンテンツのSEO対策を行うためには、通常のSEO対策に加え信頼性の高さを重要視する必要があるということです。
医療系サイトで上位表示させるために欠かせない基礎知識
医療系サイトを含む特定のジャンルのサイトを上位表示させるためには、Googleが信頼性だけでなく、専門性・権威性を重視していることを理解する必要があります。
特定のジャンルとは、お金や生活に関わるキーワード、いわゆる「YMYL」です。詳しくは後述しますが、医療に関するサイトやコンテンツも「YMYL」に含まれるため、SEO対策の難易度は高くなります。
さらに、医療に関するコンテンツは、検索結果で上位表示するために、専門性・権威性・信頼性が求められます。この3つは、Googleが検索品質評価ガイドラインの中で重視している要素です。一般的に、専門性・権威性・信頼性を総称して「E-A-T」と呼ばれています。
では、「YMYL」及び「E-A-T」について詳しく解説します。
「YMYL」とは?
「YMYL」とは、「Your Money Your Life」の頭文字をとった言葉です。ユーザーのお金や生命(健康・生活)に重大な影響を与えるトピックを指していて、Googleの品質評価ガイドラインで定義された項目です。
例えば、パン屋さんのお店の位置やパンの値段が間違っていたとしても、読者にそれほど重大な影響は与えません。少しばかり腹を立てるだけです。
しかし、特殊な病気を患っているユーザーがその症状や対処法について調べていたとします。そこで検索して表示された情報が間違っている場合、重大な影響を与える可能性があります。本来はすぐに病院へ行くべきなのに、誤った情報を鵜呑みにして放置すれば、取り返しのつかないことになるかもしれません。
上記のような点から、Googleはお金や生活に関わるキーワード、いわゆる「YMYL」においては、他のジャンルのキーワードより、安易に検索上位表示しないようにしています。つまり、一般的なジャンルのキーワードよりSEO対策が難しいということです。
YMYLの対象ジャンル
Googleの品質評価ガイドラインにおける、YMYLの対象ジャンルは以下の通りです。
- ニュース・時事問題(News and current events)
- 公共サービス・法律など(Civics, government, and law)
- 金融(Finance)
- ショッピング(Shopping)
- 健康・安全(Health and safety)
- 人のグループ(Groups of people)
- その他(Other)
▼出典:General Guidelines(「2.3 Your Money or Your Life (YMYL) Pages」より)
https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf
YMYLに関するGoogleのアップデート
Googleは、定期的にコアアルゴリズムのアップデートを実施し、2019年以降は、年に2〜3回のペースです。「健康アップデート」と呼ばれるYMYLが関わるアップデートは、2017年12月に実施されています。
Googleは、「検索品質評価ガイドライン」に従って、サイト・コンテンツの順位を決めています。2017年12月のアップデートでは、YMYLを評価基準に追加しました。このアップデートにより、医療・健康に関連する検索結果の約60%に影響を与えたようです。
「E-A-T」とは?
「E-A-T」とは、Googleの検索品質評価ガイドラインにおける、ページ品質評価の最重要項目です。
下記の3つの項目の頭文字を取って、「E-A-T」と呼ばれています。
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
「E-A-T」は、医療系サイトだけでなく、すべてのジャンルのSEO対策で重視されています。医療系サイトのSEO対策において「E-A-T」が特に重視されているのは、医療に関するコンテンツがYMYLに該当するからです。
他のジャンルにおいては、「E-A-T」が不十分であっても上位表示できる可能性がありますが、医療に関するコンテンツのSEO対策では、「E-A-T」を重視していなければ上位表示は難しいです。
コンテンツの質と作成者情報
「E-A-T」を意識した医療系サイトのSEO対策では、コンテンツの質と作成者情報が重視されます。
コンテンツの質を向上させることでExpertise(専門性)を。医療系サイトに作成者情報を盛り込むことで、Authoritativeness(権威性)とTrustworthiness(信頼性)の向上につなげます。
Expertise(専門性)
サイトにおける専門性とは、特定のジャンルについての専門性があることです。
病気に関する症状や対処法などのコンテンツが豊富であれば、医療に関する専門性が高いと評価されます。他のサイトより情報量が多ければ、より専門性が高いサイトと評価され、上位表示されやすくなります。
一方、記事の情報量が少ない場合や記事数が少ない場合には、専門性が低いと判断され、上位表示が難しくなります。医療に関する記事が豊富なサイトに、「パンの作り方」という記事を書いても、専門性が低いため上位表示されないでしょう。
専門性を高めることは、上位表示を狙ううえで重要な要素です。
Authoritativeness(権威性)
サイトにおける権威性とは、サイト管理者やコンテンツの発信者が優れていると認められているか、その情報の発信者に権威があるかどうかが指標です。
サッカーに関する記事であれば、医師よりも現役のプロサッカー選手が記事を書いた方が権威性が高いように、医療に関するコンテンツであれば、医師が書いた方が権威性が高いと評価されます。
その記事を誰が書いたのか。コンテンツの内容に関する資格・実績・肩書きなどが、権威性を高める要素になります。
Trustworthiness(信頼性)
サイトにおける信頼性とは、コンテンツの内容が信頼できるものであるかです。
記事の中でデータや数値が掲載されている場合、それが正しいものなのかを確認するのは難しいです。数値の一部が間違っていたとしても、気付くことはないでしょう。
特定の病気の治療法について解説した記事の場合、治療法に関する論文を確認できれば、読者は信頼できる情報なのかを確認することが可能です。情報を裏付ける外部サイトのリンクがあれば、信頼性を高めることができます。
知っておくべき!! 医療系サイトにおける4つのSEO対策ポイント
「YMYL」と「E-A-T」を踏まえ、医療系サイトにおけるSEO対策で重要なポイントは、以下の4点です。
- 誰による情報なのかを明示する
- 誰が運営しているサイトなのかを明示する
- 問い合わせを設置する
- 正確な情報を掲載する
上記のポイントは、他のジャンルのサイトより、医療系サイトのSEO対策で重視されています。忘れずに対策しておきましょう。
誰による情報なのかを明示
医療系サイトのSEO対策では、誰による情報なのかを明示することが重要です。
ネット記事では、サイトの管理者情報はあっても、記事を誰が書いたのかまでは分からないことがあります。誰が書いたのかが分からなければ、読者は本当に信頼できる情報なのかを判断することが難しいです。そして、Googleも同様に判断します。
記事を書いたのが専門家であることが分かれば、記事の信頼性が高まります。つまり、「E-A-T」のTrustworthiness(信頼性)が高くなり、上位表示されやすくなるということです。
記事を書いた人の、氏名・経歴・職業・所有資格・実績などを明示しておきましょう。
誰が運営しているサイトなのかを明示
誰が運営しているサイトなのかを明示することも、医療系サイトのSEO対策で重要です。
医療に関するコンテンツの発信しているのが病院やクリニックであれば、読者も安心して記事から情報を得られます。一方、どこの誰なのか分からない人や、医療に関する専門知識がない人が、医療に関するコンテンツを発信している場合、信用できないと思う読者も多いでしょう。
医療系サイトでは、誰が運営しているサイトなのかを明示することが重要です。病院名や専門分野などの運営者情報を、できるだけ詳しく掲載し、信頼できるサイトであることをアピールしましょう。
問い合わせの設置
医療系サイトでは、専門的な情報を扱うことが多いです。記事に書かれた内容を読んで、質問したいと考える読者もいるでしょう。問い合わせを設置することで、読者の利便性を高めます。
また、記事の内容に間違いがあったり、情報の更新が間に合っていない場合にも、問い合わせは役に立ちます。第三者からの指摘で、間違いに気付くこともあります。問い合わせを設置し、情報の正確性・鮮度を保つようにしましょう。
正しい情報なのか確認
医療系サイトでは、正確な情報を掲載することが重要です。
間違った情報を掲載している記事があれば、その記事だけでなく、他の記事も信用できないと思われるでしょう。サイトの管理者が病院であれば、サイトだけでなく、病院の運営にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
医師が患者と話をする場合と同様に、医療系サイトの記事においても、正しい情報を伝えることが重要です。会話する場合と異なり、ネット記事は多くの人が目にします。たったひとつのミスであっても、与える影響は大きなものになります。
医療系サイトに記事を掲載する際には、書いた内容に間違いがないか、正しい情報になっているかを、しっかり確認しましょう。また、医療技術が進歩し、記事の情報に変更があった場合には、最新情報に更新することも必要です。
株式会社ITreatによる医療系サイトのSEO対策
株式会社ITreatでは、病院・クリニックを中心とした医療系のホームページ制作を行っており、医療現場に強い成果報酬型のSEO対策(検索エンジン最適化)を行っております。
上位表示されたキーワードの事例紹介
参考に、弊社のお客様で実際に上位に表示された事例をご紹介します。
以下は、某クリニック様のホームページをリニューアル。リニューアル後、メインワードとしてターゲティングしていたキーワード(キーワードA)の順位推移です。
リニューアル直後から順位が上がり始め、半年以内に上位表示。現在は継続して1位を獲得できています。
次は、某クリニック様の別のキーワードの上昇例です。
こちらも、リニューアル直後から順位が上昇。一時期定まらない時期がありましたが、コンテンツの見直しなどを実施。2021年以降、安定して順位が上がり始め、現在は継続して1位を獲得できています。
医療広告ガイドラインを遵守
株式会社ITreatは、医療機関を専門とするスタッフがホームページの制作を担当しております。医療広告ガイドラインへの対応はもちろん、業界独特の専門用語にも通じており、先生の得意とされている診療科に応じたご提案が可能です。
お持ちのホームページが医療広告ガイドラインに対応できているか、無料診断も行っています。以下のような悩みや不安をお抱えの先生は、お気軽にご相談ください。
- ガイドラインに対応できているか不安!
- 自分で確認するのが面倒!
- 今の制作会社は医療に詳しくないので心配!
Googleに評価されるコンテンツのご提案
病院・クリニックがアピールしたい診療科や、来てほしい患者さんに合わせてキーワードを調査。それをどのようにホームページに落とし込めばGoogleの評価につながるのか、集患・増患につながるコンテンツやサイトの構成をご提案します。
まとめ
病院やクリニックなどの医療系サイトは競合が多いため、せっかくホームページを持っていても、見てもらえなければ集客(集患・増患)にはつながりません。集患・増患を最大化するためには、積極的にホームページのSEO対策に着手することが大切です。
ただし、SEO対策には専門的な知識に加えて、継続して取り組む必要があり、それが医療系サイトの場合、さらにハードルが高くなります。そのため、「自身で実行するのは不安」と感じる先生方やスタッフの方もいるかもしれません。そのような際は、専門家を頼ってみてはいかがでしょうか。
これから開業される先生や、まだホームページをお持ちでない先生には、集患・増患のお悩みを解決するための、メディカル・ホームページ・パッケージがオススメです!
多くの先生方からのご相談をお待ちしています!
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執筆者
株式会社ITreat
Webディレクター/リーダー
大手求人情報誌のデザイナー、インハウスのWebデザイナーを数年経験。Webディレクターに転身後、Web事業を展開している上場企業を経て、2019年に株式会社ITreat入社。現在は病院・クリニック・リハビリ施設サイトのディレクションを担当。社内外のSEO対策にも従事。
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