【2024年最新】医療広告ガイドラインに抵触しないWebサイト制作

ホームページ制作

最終更新日:2024/04/17

公開日:2021/11/17

お持ちの歯科医院・クリニックのホームページ・SNSは、医療広告ガイドラインに対応できていますか?
2018年に医療広告ガイドラインが改正されてから、「歯科医院・クリニックに、厚労省から違反していると指摘があった」など、SNS等で話題にあがることが見られるようになりました。

本記事では、『歯科医院・クリニックに特化したWeb制作会社』である弊社だからこそできる、医療広告ガイドラインに適したWebサイト制作のポイントをご紹介します。
ぜひ、歯科医院・クリニックのホームページ適正運用にお役立てください。

〜はじめに〜

本記事では、ガイドラインの表現を分かりやすく言い換えている箇所があります。
2024年3月に改定された情報をもとにしておりますが、必ず厚生労働省のホームページもご確認ください。

参考:医療法における病院等の広告規制について|厚生労働省

医療広告ガイドラインの更新情報

2024年3月に改定されたポイントについては、下記の記事にまとめてあります。

2024年3月 医療広告ガイドラインの変更点まとめ
令和6年3月22日付け 医療広告ガイドラインの変更点 今回の改正では、医療広告ガイドラインの第5条2項にあたる「広告可能事項の限定解除の具体的な要件」に改正がありました。 追記された内容 また、医薬品医療機器

医療広告ガイドラインとは

医療は、
①生命や身体に関わるサービスのため、間違った治療を受けた場合の被害が大きい
②専門性が高く患者様はその治療内容について判断が難しい
という観点から、患者様を不当に誘引するような広告を禁止しています。

医療広告ガイドラインの趣旨は、医薬品や医療機器の広告を通じて、正確で適切な情報を提供し、医療品質や患者の安全性を保障することです。
つまり、広告が健康被害を招く可能性のある虚偽の情報や誇大な表現を含まないようにし、医療用途として適切かつ正確な情報を提供することを求めています。

そして、2018年の医療広告ガイドライン改正により、下記のとおりとなりました。

  • 規制対象に、ホームページなどのウェブサイトが追加
  • 一部に広告禁止の限定解除要件が認められ、幅広い広告が可能

最新の医療広告ガイドラインについて(令和5年3月に改定)

2024年3月に医療広告ガイドラインが改定。
これまでのガイドラインに対して、主に下記の2点について変更がありました。

  • 限定解除の要件の追加
  • 事例解説書の更新

それぞれ解説します。

限定解除の要件の追加

広告可能な事項の限定解除の要件として、下記の4つに加え「医薬品副作用被害救済制度等*1の救済の対象にはならないことの明示」が追加されました。

  • 未承認医薬品等であること
  • 入手経路等
  • 国内の承認医薬品等の有無
  • 諸外国における安全性等に係る情報

「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針等の一部改正について」(厚生労働省HP)

事例解説書の更新

医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第4版)が更新されました。主に、下記の3点について更新されています。

  • 医薬品(未承認医薬品含む)に関する限定解除
  • SNSにおける広告事例
  • 動画における広告事例

具体的に更新・追加された項目を下記にまとめています。詳しくは、該当ページをご確認ください。

広告が禁止される事例 – 誇大広告
  • 提供する医療の内容等について誤認させる広告(誇大広告) ➡ 事例解説書 P16
  • 処方箋医薬品等を必ず受け取れると期待させる広告 ➡ 事例解説書 P17
広告が禁止される事例 – ビフォーアフター
限定解除要件の記載が不適切な事例 – 自由診療に関する限定解除要件について
  • 未承認医薬品等を用いた自由診療における限定解除 ➡ 事例解説書 P43
  • 医薬品等を承認された効能・効果と異なる目的で用いた自由診療における限定解除 ➡ 事例解説書 P44
  • 医薬品等を承認された効能・効果と異なる目的で用いた自由診療における限定解除 ➡ 事例解説書 P45
SNSにおける広告事例
動画における広告事例

*1 医薬品は正しく使っていても、副作用を防げない場合があります。
医薬品(薬局等で購入したものも含む)を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度が、「医薬品副作用被害救済制度」です。
医薬品副作用被害救済制度の概要|独立行政法人医薬品医療機器総合機構

ホームページが医療広告ガイドラインの規制対象になった経緯

以前の医療広告ガイドラインの規制対象は、折り込み広告、 TVCM、看板などでした。以下の理由から、2018年の医療広告ガイドライン改正で、ホームページを含む医療機関のウェブサイト等が医療広告ガイドラインの規制対象に追加されています。

  • ホームページを運用している歯科医院・クリニックが増えている
  • 美容医療に関して「広告内容と実際の費用や治療内容が違う」との相談が増加している

医療広告ガイドラインの規制対象に追加されたのは「医療機関のウェブサイト等」です。
この「ウェブサイト等」には、ホームページだけでなく、医院名アカウントのInstagramやFacebookなどのSNSも含まれます。個人名のSNSアカウントも、投稿内容次第では医療広告と判断される場合もあるようです。

このように、「ホームページ」だけでなく「SNS」も、医療広告ガイドラインの対応が必須です。

その他の規制対象になる媒体

規制対象になる媒体は下記の通り*2です。

  • チラシ、パンフレットその他これらに類似する物によるもの(ダイレクトメールファクシミリ等によるものを含む。)
  • ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオンサイン、アドバルーンその他これらに類似する物によるもの
  • 新聞紙、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備による放送を含む。)、映写又は電光によるもの
  • 情報処理の用に供する機器によるもの(Eメール、インターネット上の広告等)
  • 不特定多数の者への説明会、相談会、キャッチセールス等において使用するスライド、ビデオ又は口頭で行われる演述によるもの

*2 広告の規制対象となる媒体の具体例

違反(抵触)したときの罰則は?

これは、先生方が最も気になられていることの1つではないでしょうか?

ご安心ください!
もし違反が指摘された場合も、明確な期間は示されていませんが指摘後すぐに修正すれば罰則はありません。

しかし、修正せずに放置しておくと罰則規定があります。
医療広告ガイドライン違反を指摘された際は、保健所の指示に従って速やかに修正しましょう。

違反(抵触)時の罰則

虚偽広告(法第6条の5第1項違反)を行った者が中止若しくは内容の是正の行政指導に応じない場合、 同条第2項による中止命令若しくは是正命令に従わず、違反広告が是正されない場合の罰則は、「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」です。

法第6条の8第1項による報告命令に対して、報告を怠り、若しくは虚偽の報告をした場合、同項による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、20万円以下の罰金が適用されます。

病院又は診療所の開設の許可の取り消し、又は開設者に対し、期間を定めて、その閉鎖を命ずるといった行政処分を受ける可能性もあります。

行政指導に従わず、中止命令・是正命令・刑事告発された場合には、原則として事例が公表されます。患者や住民等に対して当該違反広告に対する注意喚起を行うことが目的です。

どのように違反が発覚するか?

医療機関におけるホームページのうそや大げさな表記が発覚するケースとしては、以下の2つが挙げられます。

  • 医療機関ネットパトロールによる監視
  • 第三者からの通報

厚生労働省の委託事業である、医療等に係るウェブサイトの監視体制強化事業「医療機関ネットパトロール」が監視しています。

また、第三者が不適切な表示や表現を見つけた場合、ネットパトロールのサイトへ通報することができるため、そこから発覚することもあります。

広告が可能な内容と注意点

広告可能な情報の具体的な内容*3は以下の通りです。

広告可能な具体的な内容
  • 医師又は歯科医師である旨、病院又は診療所に従事する薬剤師、看護師その他の医療従事者に関する氏名等(海外において医師又は歯科医師である旨は広告不可)
  • 医療法施行令で定められた診療科名
  • 厚生労働大臣の許可を得た診療科名
  • 病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに管理者の氏名
  • 診療日若しくは診療時間又は予約による診療の実施の有無
  • 法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院若しくは診療所又は医師若しくは歯科医師である旨
  • 医師少数区域経験認定医師である旨
  • 地域医療連携推進法人の参加病院である旨
  • 病院又は診療所の構造設備・人員配置に関する事項
  • 診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の氏名、年齢、性別、役職及び略歴、ガイドラインが定める専門性に関する認定を受けた旨
  • 病院又は診療所の管理又は運営に関する事項
  • 紹介可能な他の医療機関や保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者の名称とその間における施設、設備又は共同で利用する設備又は医療機器等の他の医療機関や介護保険サービス
  • 事業者等との連携に関する事項
  • 医療に関する情報提供に関して、その内容、提供方法又は実績
  • 病院又は診療所において提供される厚生労働大臣が定めた検査、手術その他の治療の方法
  • 厚生労働大臣が定める医療の提供の結果に関する事項

また、法第6条の5第3項第1号から第 14 号に掲げられた事項に準じるものとして、厚生労働大臣が広告告示第4条各号で定めたものを広告可能です。

開業前の注意点

開業前の注意点として考慮すべき点は、広告やホームページへの掲載において「院長」、「当院」という言葉を使用できないことです。また、病院やクリニック名にも「(仮称)」や、開業日には「(予定)」を付け加えることが求められています。理由は、まだ存在していない病院、クリニックであるためです。

また、病院、クリニック名に関しては、細かいルールが定められています。たとえば、「循環器内科」という表記は認められても「循環器科」という表記は認められていません。広告やホームページ上に掲載する前に、保健所に確認を取ることをおすすめします。

*3 広告可能な事項の具体的な内容

広告の禁止事項と不適切な事例とポイント

医療広告ガイドラインによると、広告禁止事項として以下が紹介されています。

  • 治療内容・期間の虚偽
  • データの根拠を明確にしない調査結果
  • 最上級の比較
  • 他の医療機関との比較
  • 科学的根拠が乏しい情報による誘導
  • データの内訳が示されていない手術件数
  • 体験談(口コミサイトからの転載)
  • 体験談(医療機関のスタッフによる記載)
  • 体験談(体験談の編集)
  • ビフォーアフター写真
  • 治療の方法
  • 医療従事者の専門性資格
  • 費用を強調した広告
  • 医薬品の販売名(医薬品医療機器等)

上記に加え、下記についても厳に慎むべきものである、との記載があります。

  • 品位を損ねる内容の広告
  • 医療に関する広告としてふさわしくないもの

したがって、これら以外の内容の広告が可能で、ホームページにも掲載できます。ただし、法または広告告示で広告可能な事項として定められていない、都道府県が独自に報告を求める事項については、広告できません。

禁止事項について詳しくみていきましょう。

治療内容・期間の虚偽

医療広告ガイドラインでは、医学上あり得ない内容の表現は虚偽広告として取り扱うこととされています。たとえば、「どんな難しい手術でも成功させます」といったニュアンスの表現は虚偽広告です。理由は、絶対に安全な手術等は医学上あり得ないことだからです。

また、治療後の定期的な処置等が必要であるにも関わらず、「すべての治療が短期間で終了する」などの表現は虚偽広告として取り扱われるとされています。たとえば、「即日インプラント治療、1日ですべての治療が終了」などといった表現の広告は禁止されています。理由は、実態とは異なるからです。

不適切な事例
  • 「どんな難しい手術でも成功」などの医学上あり得ない内容の広告表現
  • 「即日インプラント治療、1日ですべての治療が終了」などの実態と異なる広告表現

データの根拠を明確にしない調査結果

医療広告ガイドラインでは、調査結果などを引用した記載による広告は、データの根拠を明確にするよう求められています。具体的な調査方法などを明確にせず、データの結果と考えられるもののみの記載による広告は、虚偽広告として取り扱うとされています。たとえば、「多くの皆様にご満足いただいております」、または「医療脱毛患者様満足度99%」などといった記載は、データの根拠を明確にしておらず、患者様の満足度のみを示しているだけです。

また、データの根拠を明確にしない治療の効果も虚偽広告として取り扱われます。たとえば、「治療を受けた患者様のほぼ全員が効果を実感しておられます」といった記載は、治療の効果についてのデータ結果と考えられるもののみを示しています。さらに「成功率97.5%」といった表記も、データの結果のみの記載による広告で、データの根拠を明確にしていません。

患者満足度調査の扱いに関して、医療広告ガイドラインは次のように説明しています。

患者満足度調査を実施している旨、当該調査の結果を提供している旨又は当該調査の結果の入手方法等については広告可能であるが、当該調査の結果そのものについては、広告が認められないことに留意すること

不適切な事例
  • 「医療脱毛患者様満足度99%」というデータの根拠を明確にしていない結果のみの記載
  • 「成功率97.5%」というデータの根拠を明確にしていない結果のみの記載

最上級の比較

医療広告ガイドラインでは、最上級の表現その他優秀性について著しく誤認を与える表現は、客観的な事実であったとしても、禁止される表現に該当します。

たとえば、施設の規模に関しての「当グループは全国に展開し、最高の医療を広く国民に提供しています」といった記載です。この記載は、「最高」といった最上級の表現を用いて誤った理解を与える記載として扱われます。また、人員配置に関しての記載で「当院(当クリニック)は県内一の医師数を誇ります」といったものも「県内一」という表現が優秀性について誤った理解を与えるものとして禁止されています。医療内容などの比較に関しては、「当院(当クリニック)は、美容外科手術において日本一の実績を誇ります」という表現も禁止です。「日本一」という表現は、客観的な事実であったとしても、禁止される表現に該当します。

不適切な事例
  • 「最高の医療を提供しています」など最上級の広告表現
  • 「美容外科手術において日本一の実績」など優秀性に誤認を与える広告表現

他の医療機関との比較

医療広告ガイドラインでは、特定または不特定の他の医療機関と自らを比較の対象とし、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容などについて、自らの病院やクリニックなどが他の医療機関よりも優良であることを示す記載は医療広告としては認められない、とされています。

たとえば、特定の医療機関と比較した表現には「〇〇医院様や〇〇クリニック様よりも低価格での受診が可能です。」という表現があります。この表現は、特定の他の医療機関と比較して自らの病院またはクリニックが優れているという表現です。

特定の医療機関と比較した表現について、医療広告ガイドラインの抜粋は以下の通りです。

最上級を意味する表現その他優秀性について著しく誤認を与える表現を除き、必ずしも客観的な事実の記載を妨げるものではないが、求められれば内容に係る裏付けとなる合理的な根拠を示し、客観的に実証できる必要がある。調査結果等の引用による広告については、出典、調査の実施主体、調査の範囲、実施時期等を併記する必要がある。

不適切な事例
  • 「〇〇クリニック様よりも低価格」など他の医療機関と比較する広告表現

科学的根拠が乏しい情報による誘導

医療広告ガイドラインでは、科学的根拠が乏しい情報を用いて医療機関への受診や手術へ誘導する表現も禁止されています。たとえば、「がんを発症させないために、睡眠療法を利用したストレスの原因の明確化と軽減が必要です」という表現です。このような表現は、がんの症状に関するリスクを強調することにより、医療機関への受診を誘導しています。

また、科学的根拠が乏しい情報であるにも関わらず、特定の手術や処置などの有効性を強調し、手術や処置などへの実施に誘導している表現も禁止です。たとえば、「〇〇治療は免疫機能や細胞を活性化させ、〇〇の効果が期待でき、おすすめです」という記載です。この表現は、科学的根拠が乏しい情報であるにも関わらず、特定の治療法に誘導しています。医療広告ガイドラインでは、このような表現による記載は、誇大広告として扱われるため注意が必要です。

不適切な事例
  • 科学的根拠が乏しい情報を用いて医療機関への受診や手術へ誘導する表現
  • 科学的根拠が乏しい情報にも関わらず、特定の手術などの有効性を強調し、手術などへの実施に誘導する表現

データの内訳が示されていない手術件数

医療広告ガイドラインでは、手術件数を広告する際に注意が必要です。手術件数を表記する場合、当該手術件数に係る期間を併記する必要があります。なお、長期間の件数で、現在提供されている医療の内容について誤った理解を与えてしまう可能性のあるものは、誇大広告として扱われる可能性があるため注意が必要です。たとえば、「当院(当クリニック)では、〇〇手術と〇〇手術の実績は、のべ1,500件を超えています」といった表現があります。このような表現は、治療実績におけるトータル件数のみが記載されているため、不十分です。1,500件という手術件数に加えて、その手術に係る期間を併記する必要があります。

また、当該手術に係る期間が併記されていても、次のような表現は誇大広告として扱われる可能性があります。「対象期間:1985年〜2023年、〇〇手術:1,500件」という表現です。この表現の場合、手術件数とともに当該手術に係る期間も表示されていますが、長期間の場合、医療内容について誤った理解を与えてしまうおそれがあります。このような場合は、1年ごとに集計した件数を記載するなどの対応が必要です。

不適切な事例
  • 期間が併記されていない「〇〇手術の実績、1,500件以上」という広告表現
  • 期間が併記されていても、データの内訳が明示されていない手術件数

体験談(口コミサイトからの転載)

医療広告ガイドラインでは、治療などの内容または効果に関して、患者様自身の体験や家族などからの主観的な体験談の掲載は禁止されています。特に、医療機関にとって有利性を与える感想などを選んで掲載し強調することは、誇大広告、虚偽広告として扱われる可能性があるため注意が必要です。

たとえば、「〇〇クリニック、全国の歯科クリニックの口コミを掲載しております」といった口コミサイトからの転載は禁止です。また、「(元サイト:クチコミ.com)先日〇〇手術を行いましたが、術後の痛み、腫れはなく、素晴らしいです。」という内容の表現による広告は、口コミサイトより、治療内容または効果に関する体験談に相当する口コミを転載しています。口コミサイトによる転載は、主観的な体験談のため禁止です。また、医療機関にとって有利な口コミを抜粋してホームページに掲載している場合も誇大広告に該当します。

不適切な事例
  • 患者さんやそのご家族などの主観的な体験談の掲載
  • 口コミサイトからの体験談の転載

体験談(医療機関のスタッフによる記載)

医療広告ガイドラインでは、治療や治療の内容などに関して、患者自身の体験談やその家族からの伝聞に基づく主観的な体験談の広告は禁止されています。理由は、そうした体験談は、個々の患者の状態などにより感想が異なり得るものであり、誤認を与えるおそれがあるためです。このことは患者様だけでなく、医療機関のスタッフが記載した体験談であっても規制の対象となります。

たとえば、医療機関のスタッフ自らの体験談の広告の例として次の表現があります。「当院の院長である〇〇も実際に体験!脂肪吸引手術をすることにしました。手術自体は半日で終わり、当日中に帰宅することができました。下腹部の脂肪がなくなり、家族も褒めてくれて大満足です。」この表現は、医療機関のスタッフが自ら治療を体験し記載した体験談です。また、禁止されている表現に関して、次の表現があります。「当院でおすすめしている脂肪吸引手術について、先日体験された患者様もご満足されています。『こんなに理想の体型になれるとは思っていなかった。この〇〇病院で手術をしてよかった。』と、おっしゃり、大満足で帰宅されました。」という表現です。この表現は、医療機関のスタッフが患者様の体験内容を代わりに記載しています。患者様が記載した体験談と同様に禁止されています。

不適切な事例
  • 医療機関のスタッフによる治療の体験談の掲載
  • 医療機関のスタッフによる患者さんの体験談の代理掲載

体験談(体験談の編集)

医療機関の検索が可能なウェブサイトに掲載された体験談については、医療機関からの影響を受けずに、患者様やその家族が行う推薦に留まる限り、医療広告に該当することはありません。しかし、医療機関からの依頼によって、当該ウェブサイトの運営者が、体験談の内容を改編したり、否定的な体験談を削除したり、または肯定的な体験談を優先的に上部に表示するなどの編集を行うことは禁止されています。ただし、体験談が名誉毀損などの不法行為に当たる場合、医療機関による削除などの依頼は医療法違反には当たりません。

不適切な事例
  • 医療機関からの依頼による、体験談の改編・削除などの編集

ビフォーアフター写真

医療広告ガイドラインでは、患者様に誤った理解を与えるおそれがある写真など(ビフォーアフター写真)は禁止されています。ビフォーアフター写真の掲載は、写真について必要な情報が十分に掲載されていない場合、広告することは禁止です。理由は、治療などの内容または効果について、患者様などに誤った理解を与えてしまうおそれがあるためです。

たとえば、ビフォーアフター写真が掲載され、「〇〇治療により、〇〇の効果あり。治療費は1,500,000円から」と記載されています。このような広告は、治療内容、費用などに関する情報が不十分であり、期間、回数、リスク・副作用などの情報が記載されていません。治療前と治療後のビフォーアフター写真においては、通常必要とされる治療内容、費用などに関する情報を掲載する必要があります。また、治療の主なリスク・副作用などの情報も必要です。必要な情報が付されていない広告は、虚偽広告とみなされてしまう可能性があります。

虚偽広告に該当する可能性について、医療広告ガイドラインの抜粋は以下の通りです。

加工・修正した術前術後の写真等の掲載」の取扱いとして、あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した術前術後の写真等については、虚偽広告として取り扱うべきであること、とされている。

不適切な事例
  • 必要な情報が足りていない状態での、治療前後のビフォーアフター写真の掲載

治療の方法

医療広告ガイドラインでは、治療の方法に関しての広告にも注意が必要です。医薬品医療機器等法で承認された医薬品や医療機器を、承認されている範囲で使用した自由診療についての広告が禁止されています。理由は、治療に公的医療保険が適用されない、または標準的な費用を記載していないためです。

たとえば、「〇〇治療 〇〇の症状に合わせて、各部位に注射します。標準的な費用:各部位20,000円」という広告には、公的医療保険が適用されないとの情報が記載されていません。また、「〇〇治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。費用は施術箇所により異なります。」といった広告には、自由診療のため公的医療保険が適用されないという情報の記載があっても、治療に必要な標準的な費用の記載がありません。

不適切な事例
  • 公的医療保険が適用されない旨と標準的な費用の記載がない自由診療

医療従事者の専門性資格

広告できない医療従事者の専門性資格についても注意が必要です。厚生労働大臣が届出を受理した専門性資格については広告が可能です。しかし、団体名および団体が認定する専門性の資格名が(〇〇学会認定〇〇専門医)と記載されていなければ広告できません。

たとえば、病院またはクリニックの院長先生を紹介する広告の場合、「〇〇学会認定 専門医」とのみ記載された広告では情報が不十分です。医療広告ガイドラインでは、「〇〇専門医」とまで記載する必要があります。また、事例によっては、「口腔外科専門医、歯周病専門医、歯科麻酔専門医」などの表記があっても、「〇〇学会認定」という団体名が記載されていないケースもあります。そのような広告は掲載することが不可能です。

不適切な事例
  • 資格名や団体名の記載がない専門性資格の表現

費用を強調した広告

医療広告は、患者様が広告内容を適切に理解し、治療などの選択に役立てられるよう、客観的で正確な情報の提供に努めなければなりません。医療機関や医療の内容について品位を損ねる、あるいはそのあそれがある広告は禁止されています。

たとえば、費用を強調した内容の広告があります。「期間限定キャンペーン!脱毛治療:通常価格20,000円/1か月→割引価格15,000円。そのほかの治療でも割引をしております。」という表現の広告です。この広告は、費用を前面に押し出した記載をしています。
また、広告の表現の中には、会員特典として費用の割引を強調した広告があります。たとえば、「当院専用アプリからのご予約でさらにお安くなります!」、「アプリから会員登録をして、各種治療30%OFF割引券をGet!」などの広告は、会員特典として費用の割引を強調して、患者様を不当に誘引する表現です。

不適切な事例
  • キャンペーンや割引などで費用を強調した広告表現
  • 会員特典などで費用の割引を強調した広告表現

医薬品の販売名(医薬品医療機器等)

医療広告ガイドラインでは、医薬品の販売名(医薬品医療機器等)についても述べられています。医薬品関係者以外の一般人を対象とする広告は行わないとされていることに関係し、医薬品または医療機器の販売名については、広告できません。たとえば、処方薬の記載に関して「〇〇医薬品(作成者注:医薬品の販売名)金額7,500円」という広告です。この広告には、医薬品の販売名が記載されています。しかし、医薬品または医療機器については、一般的名称など特定されない記載をすることにより、広告が可能です。

不適切な事例
  • 一般人を対象とした医薬品又は医療機器の販売名の記載

ここで紹介した事例は、2023年2月に厚生労働省から公開された「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第2版)」をもとにしております。ここで紹介した以外の事例も多く記載されています。
お持ちのホームページが該当していないかも含め、確認にご活用ください。

出典:医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第2版)|厚生労働省

禁止事項でも記載が可能になる「限定解除」とは

限定解除とは

限定解除とは、一定の要件を満たすことで、本来禁止されている表現をホームページに掲載できるように規制を解除することです。
医療広告ガイドラインにおいては、患者が自ら求めて入手する情報について情報提供が適切に行われる必要があるという考え方により、要件を満たしている場合に限り、広告可能事項の限定を解除し、他の事項を広告できるとしています。

限定解除の具体的な要件

広告禁止とご紹介した項目の中にも、一定の条件を満たせば広告可能になります。

その一定の条件とは、クリニックのホームページに以下の内容を掲載していることです。

  • 掲載内容に関するお問い合わせ先
  • 自由診療の治療内容・費用などに関する事項
  • 自由診療の治療に関する主なリスク・副作用などに関する事項

これらを掲載していれば、限定解除要件を満たしていると判断され、広告可能な項目が増えます。

限定解除の要件を満たすことで広告可能になる情報

歯科において、限定解除要件を満たすと広告可能になる主な項目がこちらです。

  • ホワイトニング・矯正歯科・インプラント等の自費治療
  • 「審美治療」という表現
  • ビフォーアフター(治療前後)の写真
  • 研修、セミナー等の受講歴
  • 学会の指導医、専門医、認定医等(会員は不可)
  • 学会、歯科医師会の役員等

この他にも広告可能になる項目は多数あります。
限定解除要件を満たすと、広告の幅が広がりますね!

ですから、『ホームページもSNSも規制されて何にも書けない!』などということはありません。
必要な項目を正しく掲載して、ホームページ・SNSを歯科医院やクリニックのPRに存分に活用ください。

業種別!具体的な違反例と改善例

医療広告ガイドライン違反となる例と改善例を、業種別にご紹介します。

歯科医院(歯医者)の場合

【事例1】
ホワイトニングのビフォーアフター画像のみの掲載。
【違反理由】
術前・術後を比較した写真のみの掲載は、治療などの内容や効果について患者さん等を誤認させるおそれがあるため。
【改善例】
限定解除対象のため、通常必要な治療の内容、費用(総額/税込)、治療にかかる主なリスクや副作用について明記すれば掲載可能。

【事例2】
「歯ブラシのプレゼント実施中!」
【違反理由】
プレゼントで患者様を不当に誘引しており、医院の品位を損ねるため。
【改善例】
掲載を取り下げ。プレゼントは、原則広告として掲載できません。

整形外科の場合

【事例1】
「〇〇病院 人工関節センター」
【違反理由】
あたかも、その地域で中核を担う医療機関であると誤認させる恐れがあるため、「誇大広告」にあたります。
【改善例】
医療機関名と「センター」表記を並べて書くのは控えましょう。ただ、病院内で〇〇センターと掲示したり呼称する分には問題ありません。

【事例2】
「当院の施術で骨粗鬆症は必ず改善します」
【違反理由】
事実と異なるということで、虚偽広告にあたります。
【改善例】
「必ず」や「絶対」「100%」などの表現には、特に気をつけるようにしましょう。

眼科の場合

【事例1】
「私は、〇〇クリニックで視力が1.0まで回復しました!」などの口コミ
【違反理由】
患者自身の口コミを、医療機関への誘引を目的として紹介することは禁止されています。
【改善例】
口コミをホームページに掲載するのは控えましょう。

【事例2】
「Jリーガーの〇〇選手にレーシック手術を受けていただきました!」
【違反理由】
芸能人やスポーツ選手などの著名人との関係性を強調することは、比較優良広告にあたってしまいます。
【改善例】
ホームページだけでなく、医院のブログやSNSなどでも、著名人との関係性を宣伝するのは控えましょう。

内科の場合

【事例1】
「患者様に最適な治療をご提案いたします。」
【違反理由】
「最適」「最良」など最上級の表現は比較優良広告となるため。
【改善例】
「患者様に適切な治療をご提案いたします。」など

【事例2】
「当院は県内一の医師数です。」
【違反理由】
他の医療機関と比べ自院が優れているという比較優良広告にあたるため。
【改善例】
掲載を取り下げ。「日本一」、「No.1」、「最高」等、最上級の表現やその他優秀性につ
いて著しく誤認を与える表現は、客観的な事実であったとしても禁止事項に該当。

医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書について

令和3年7月26日に厚生労働省から「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書」が公開されました。
お持ちのホームページが該当していないか、確認にご活用ください。

なお、令和5年2月1日に改訂されました。最新版は下記をご覧ください。

出典:医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第2版)|厚生労働省ホームページ

違反を見つけた場合の対処法

医療広告ガイドラインに準じておらず違反広告の疑いがあるとみなされた場合、評価委員会から医療機関に対して通知があります。万が一通知を受け取った場合、適切に修正し対応すれば問題ありません。

厚生労働省は、医療機関のWebサイトの監視体制強化事業として「医療機関ネットパトロール」を委託事業として推進しています。一般からの情報提供も受け付けており、医療広告ガイドラインに違反しているとの疑いがある広告も取り仕切っています。

もし評価委員会からの通知を受け取り、医療機関が必要な修正や対応を行わなかった場合、評価委員会から自治体へ報告が行われます。そして、中止命令、是正命令に医療機関が従わない場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金といった行政処分が取られる可能性があるため注意が必要です。

違反(抵触)していないかの確認方法

広告可否は、医院・クリニックが所在する地域管轄の保健所で確認できます。広告に書いた内容がガイドラインに抵触しているかどうかを自分でも判断したい場合には、下記の厚生労働省のホームページで解説されている内容を確認してください。

参考:医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)|厚生労働省

全国の保健所一覧

前項でご紹介した医療広告ガイドラインの中にも記載されていますが、前各項で示したものの他に、各都道府県別に定められた事項もあります。

広告の情報に問題ないかどうか不安な場合は、医院・クリニックが所在する地域管轄の保健所に直接確認するのが確実です。指示に従って内容を調整する必要があるため注意してください。

参考:全国_各都道府県/市区町村の保健所一覧|保健所管轄区域案内|厚生労働省

〜まとめ〜 医療広告ガイドラインを守った上でPRしましょう!

医療広告ガイドラインに違反しているかどうかについては判断が難しい部分もあり、保健所に確認しても明確な回答をもらえない場合もあるのが現状です。弊社としましても、引き続き情報収集に努めています。

ただ、現在ネットパトロールが展開されているのも事実です。
判断が難しいものは、指摘が入ったタイミングで速やかに修正すれば問題ありませんが、明らかにガイドライン違反の内容は、今すぐ修正されることをオススメします!

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そして、ホームページに関するお困りごとがございましたら、ぜひ弊社のサービスをご利用ください!

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医療広告ガイドラインに関するよくあるQ&A

医療広告ガイドラインに関するよくあるQ&Aを、各内容に分けてご紹介します。

広告の対象範囲に関するよくあるQ&A

Q1-1:医療機関の広告をする際、新聞や雑誌の記事を引用することは、可能でしょうか。
A1-1:当該記事等の引用部分に記載された内容が、医療法および医療広告ガイドラインを遵守した内容であれば、医療機関の広告に新聞や雑誌の記事等を引用または記載することは可能です。

Q1-2:医療機関の広告をする際に、新聞や雑誌の記事の引用として、たとえば、雑誌に掲載されていた「日本が誇る50病院の一覧」を、そのまま他の医療機関名も含めて掲載することは可能でしょうか。
A1-2:医療機関の広告に新聞や雑誌の記事等を引用または掲載した場合、当該記事等の引用部分の記述は、医療法および医療広告ガイドラインの適用を受けます。なお、例示の雑誌に掲載されていた「日本が誇る50病院の一覧」等については、他の医療機関名も含めてそのまま掲載したとしても、雑誌社等が評価した結果は、掲載されていない医療機関よりも優れた旨を示す比較優良広告となることから、原則、広告できません。

Q1-3:キャッチコピーや院長等のあいさつ文は、広告可能でしょうか。
A-3:医療法や医療広告ガイドラインで認められた広告可能事項(「開院〇周年」等)や、通常医療に関する内容とは考えられないあいさつ文(「はじめまして」等)を使用したキャッチコピー等については、広告可能です。

Q1-4:新聞や雑誌の「記事」は、通常は、患者の受診等を誘引する意図(誘引性)がないため、広告に該当しないとされていますが、広告に該当する「記事風広告」とは、どのようなものでしょうか。
A1-4:新聞や雑誌等に掲載された治療法等に関する記事であっても、医療機関が広告料等の費用を負担する等の便宜を図って記事の掲載を依頼し、患者等を誘引するような場合は、誘引性が認められ、いわゆる「記事風広告」として広告に該当します。

Q1-5:雑誌の同一紙面上の掲載物のうち、上段が治療法等に関する記事で、下段が当該治療等を実施している医療機関の広告の場合、上段と下段は異なる掲載物であるとして、上段の記事は広告に該当しないのでしょうか。
A1-5:上段・下段に分離されているとの構成上の理由により、上段の記事が広告に該当しないとは判断できません。たとえば、当該医療機関が費用を分担する等の便宜を図って上段の記事の掲載を依頼することにより患者等を誘引するような場合は、上段の記事についても誘引性が認められ、いわゆる「記事風広告」として広告に該当します。

禁止される広告等に関するよくあるQ&A

Q2-1:インターネット上のバナー広告の取り扱いは、法改正にともなって変わったのでしょうか。
A2-1:バナー広告に医療機関の名称が記載されているなど特定性がある場合は、広告に該当するため、医療法および医療広告ガイドラインで認められた広告可能事項に限って、広告可能です。なお、従前はバナー広告にリンクした医療機関のウェブサイトはバナー広告と一体的に取り扱うこととされていましたが、改正医療法施行後はバナー広告にリンクした医療機関のウェブサイトであっても、リンク先の医療機関のウェブサイトは患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトのため、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合、広告可能事項の限定を解除可能です。

Q2-2:広告のチラシ等に印刷されているQRコードを読み込むことで表示されるウェブサイト等は、広告規制の対象でしょうか。
A2-2:QRコードを読み込むことで表示されるウェブサイト等は、インターネット上のウェブサイト等と同様に取り扱い、広告規制の対象です。ただし、当該医療機関等の情報を得ようとの目的を有する者が、当該QRコードを読み込ませることで閲覧するものであり、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合、広告可能事項の限定を解除可能です。

Q2-3:複数の医療機関を検索し、医療機関の情報を提供する機能を備えたようなスマートフォンのアプリケーションから得られる情報は、広告規制の対象でしょうか。
A2-3:患者等が自らダウンロードする特定の医療機関のアプリケーションであれば、医療機関のウェブサイトと同じく、広告規制の対象です。ただし、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトと同様の取り扱いになるため、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能です。

Q2-4:広告規制対象であるウェブサイトについて、特定の人のみが閲覧可能な場合は、広告規制の対象外でしょうか。
A2-4:当該医療機関に係る情報取得を希望した者のみ閲覧可能な状態(一般人は閲覧不可)であっても、広告規制の対象です。ただし、患者等が自ら求めて入手する情報を表示する媒体のため、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合、広告可能事項の限定を解除可能です。

Q2-5:患者の希望により配布するメールマガジンやパンフレットは、広告規制の対象でしょうか。
A2-5:患者の希望であってもメールマガジンやパンフレットは広告として取り扱われるため、広告規制の対象です。ただし、患者等が自ら求めて入手する情報を表示する媒体のため、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合、広告可能事項の限定を解除可能です。

広告可能な事項、限定解除に関するよくあるQ&A

Q3-1:2008年4月からの制度改正により、新しく広告することが認められなくなった診療科名(たとえば胃腸科、こう門科など)について、制度改正前(2008年3月31日以前)から紙面や看板上に診療科名を広告していましたが、内容はそのままに広告掲載の契約を単に更新しようと考えています。この場合、新たに更新契約を締結することになりますが、引き続き広告可能でしょうか。
A3-1:2008年3月31日以前から内容を変更することなく、「更新のみを目的として契約」を行う場合は、広告変更には該当しないため、引き続き広告できます。しかし、2008年4月1日以後に新しい診療科名に変えるために、紙面、看板だけでなく、診療科名変更の届出も行った場合は、従前の診療科名を引き続き広告することはできず、新しい診療科名を広告することになります。

Q3-2:広告可能な診療科名として「耳鼻いんこう科」が認められていますが、「耳鼻咽喉科」と漢字での表記は可能でしょうか。
A3-2:可能です。

Q3-3:麻酔科医が頻繁に入れ替わるような病院においては、麻酔科医の氏名を記載しなくても麻酔科を診療科名として広告可能でしょうか。
A3-3:麻酔科を診療科名として広告するときには、許可を受けた医師の氏名を併せて広告しなければなりません。

Q3-4:診療科名として「総合診療科」は、広告可能でしょうか。
A3-4:「総合診療科」については、広告可能な診療科名でないことから、広告できません。ただし、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイト等、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合、広告可能事項の限定を解除可能です。

Q3-5:医師等の専門性に関する資格名は、広告可能でしょうか。
A3-5:「広告可能な医師等の専門性に関する資格名等について」(2013年5月31日付けの医政総発0531第1号医政局総務課長通知)において広告が可能となっている資格名等について広告可能です。なお、広告に当たっては、「医師〇〇〇〇(××学会認定××認定医)のように、認定団体の名称を資格名とともに示す必要があります。また、専門性の資格については、各関係学術団体により認定されるため、たとえば、「厚生労働省認定〇〇専門医」との表記は誤解を与えるものとして誇大広告に該当するため、広告できません。ただし、認定医や指導医などについて、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどについては、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合、広告可能事項の限定を解除可能です。なお、研修を受けた旨や専門性に関する医療広告の取り扱いについては、今後、検討予定です。

相談・指導等に関するよくあるQ&A

Q4-1:改正医療法により、医療機関のウェブサイトも広告規制の対象となりましたが、医療広告違反を見つけた場合や医療広告に関する疑問がある場合、どこに相談すれば良いのでしょうか。
A4-1:各医療機関を所管する地方自治体や保健所にご相談ください。問い合わせ窓口一覧を厚生労働省ホームページに掲載しているため、参考にしてください。また、ネットパトロールに通報していただくことも可能です。

Q4-2:医療機関の検索が可能なサイトやポータルサイトが医療広告規制に違反している場合、医療機関の検索が可能なサイトやポータルサイトの運営会社等にも、是正が命じられたり、罰則等が科されたりすることがあるのでしょうか。
A4-2:医療広告規制は、何人にも適用されるため、サイト運営会社や広告を作成した広告代理店等にも、是正が命じられたり、罰則が科されたりすることもあります。なお、CMやポスター等を掲出する企業についても、医療法の趣旨や目的を理解し、ご対応いただくことが適切であると考えられます。

その他のQ&A

Q5-1:あん摩業、マッサージ業、はり業や柔道整復業またはそれらの施術所の広告も医療法の対象でしょうか。
A5-1:医療法の対象ではありません。「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」または「柔道整復師法」の関係法令および関連通達が適用されます。なお、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師および柔道整復師等の広告規制のあり方については、別途検討中です。

Q5-2:医療機関の名称に関して、広告が認められていない診療科目を名称に用いることは可能でしょうか。
A5-2:医療機関の名称も広告として扱われるため、広告が認められていない診療科目を用いることはできません。

Q5-3:医療機関の名称に関して、「糖尿病」や「高血圧」等の特定の疾病や症状の名称を使用することは可能でしょうか。
A5-3:具体的には以下の整理です。

(1)名称として使用可能な範囲
治療方法、特定の疾病や症状の名称、診療対象者など法令および医療広告ガイドライン等により広告可のとされたものについては、医療機関の名称としても使用可能です。
(使用可能な例)
ペインクリニック、糖尿病クリニック、高血圧クリニック、腎透析クリニック、女性クリニック

(2)名称として使用が認められないもの
法令および医療広告ガイドライン等において広告が禁止されているものについては、医療機関の名称に使用できません。

具体例
  • 虚偽にわたるもの
  • 他の医療機関と比較して優良であることを示すもの
  • 事実を不当に誇張して表現していたり、人を誤認させたりするもの 等
認められない例
  • 不老不死病院
  • ナンバーワンホスピタル
  • 無痛治療病院

Q5-4:医療機関の名称に関して、2008年4月1日以降広告することが認められなくなった診療科名を医療機関名に含む場合、当該医療機関名も変更しなくてはならないのでしょうか。
A5-4:2008年4月1日以降広告することが認められなくなった診療科名を医療機関名に含む場合でも、当該医療機関名を変更する必要はありません。ただし、新たに開業する場合や、既存の医療機関であっても名称を変更する場合は、広告可能となった診療科名を医療機関名に含めることはできません。

Q5-5:医療機関の名称に併せて、「〇×医院、糖尿病クリニック」、「〇×病院、〇〇センター」は、広告可能でしょうか。
A5-5:病院や診療所の名称については、正式な名称のみを広告可能であり、「〇×医院、糖尿病クリニック」、「〇×病院、〇〇センター」のように医療機関の正式名称に併せて広告することはできません。ただし、法令の規制または国の定める事業を実施する病院または診療所であるものとして、救急救命センター、休日夜間急患センター、総合周産期母子医療センター等、一定の医療を担う医療機関である場合または当該医療機関が当該診療について、地域における中核的な機能、役割を担っていると都道府県等が認める場合に限り、「〇×病院 〇〇センター」と広告可能です。

出典:医療広告ガイドラインに関するQ&A|厚生労働省

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S・OGAWA

執筆者

S・OGAWA

株式会社ITreat

Webディレクター/リーダー

大手求人情報誌のデザイナー、インハウスのWebデザイナーを数年経験。Webディレクターに転身後、Web事業を展開している上場企業を経て、2019年に株式会社ITreat入社。現在は病院・クリニック・リハビリ施設サイトのディレクションを担当。社内外のSEO対策にも従事。

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