リハビリテーション関連施設で採用を成功させるポイントを徹底解説

採用/求人/キャリアアップ

最終更新日:2024/04/26

公開日:2023/03/09

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デイサービスや介護老人保健施設などのリハビリ関連の施設において、採用は大きな経営課題の一つです。どうすれば失敗せずに採用できるでしょうか。特にリハビリ施設を運営するのに必要不可欠な理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などは国家資格であることから、戦略的な採用活動を行っていく必要があります。

この記事では、業界の現状を踏まえつつ、採用に成功するためのポイントや採用手法について徹底解説していきます。施設で活躍できる人材を効率的に獲得したいと考えている経営者、施設長、採用担当者はぜひ参考にしてください。

リハビリ関連施設における採用活動の現状

公益社団法人日本理学療法士協会によると、平成23年から令和4年までに20万人以上の理学療法士が誕生しています。過去20年間で年間合格者が10倍にまでなり、これまでの累計合格者は20万人を超えました。

今後も、理学療法士の数は増加していくことでしょう。単純計算をすると、10年後には30万人の理学療法士が存在することになります。さらに、理学療法士の養成校が増え続けている現状を考えると、理学療法士は安定的に供給され続けることが予想されます。

有資格者は増加していますが、リハビリテーション施設の採用活動が課題となっている理由の一つに、需要の問題があります。公益社団法人日本理学療法士協会に所属する理学療法士の就業先は半数以上が病院です。医療機関以外に勤務する理学療法士は少数派です。少子高齢化に伴い理学療法士の需要は高まっているものの、ほとんどの資格保持者が病院で勤務するため、施設では人手不足になっているのが現状です。

出典:統計情報|協会の取り組み|公益社団法人 日本理学療法士協会

リハビリテーション施設における一般的な採用方法

リハビリ関連の施設において「採用」は、非常に重要な課題の一つです。そのため、採用に関する会社やサービスが乱立している状況です。ここでは、一般的な採用方法を7つに大別してご紹介します。

  • ハローワーク
  • 人材紹介サービス
  • 人材派遣サービス
  • 求人検索エンジン
  • リファラル採用
  • 自社の公式ホームページ・採用サイト

ハローワーク

人材が必要になった際に真っ先に行うべきは「ハローワーク」への求人掲載です。ハローワークは、厚生労働省が運営する職業紹介を行う機関です。求職者側はもちろん、採用する企業や法人側も無料で利用できることから、もっとも一般的な採用手法であると言えます。

ハローワークの特徴は、インターネットサービス等の閲覧件数が国内最大規模ということです。より多くの求職者に、自社の採用活動における情報を提供することが可能です。また、ハローワークでは、以下の法人向けのサービスを提供しています。

  • 人材紹介
  • 雇用保険の適用
  • 助成金・給付金の支給
  • 雇用管理サービス
  • その他のサービス(地域の労働市場・労働条件の実態を把握するための情報提供など)

ハローワークで職探しを行う際、求職者は相談員から自分のキャリアや希望にあった仕事を紹介されます。相談員は、現在ハローワークに登録されている求人から選んで求職者に提示することがほとんどであるため、ハローワークに募集を出していないのは機会損失になってしまうことが多いのです。

人材紹介サービス

人材紹介サービス」は、。人材紹介サービスとは、企業がほしい人材の条件と、求職者自身のキャリアやスキル・希望の就業条件を鑑みた上で、企業側に人材を紹介するサービスです。

人材紹介サービスを利用するにあたって、初期費用がかからないことが挙げられます。人材紹介サービスは成功報酬型であるため、理学療法士などの採用者が実際に入職するまでは報酬を支払う必要はありません。つまり、人材紹介経由で何人面接しようと、採用するまでは0円なのです。これは人材紹介会社を利用するメリットといえます。

リハビリスタッフを紹介してくれる代表的な人材紹介会社

  • PTOTSTワーカー
  • マイナビコメディカル
  • PTOT人材バンク
  • レバウェルリハビリ

人材紹介のデメリットは、その手数料の高さにあります。サービスによって幅はありますが、その人材の想定年収の20〜30%の紹介手数料を支払う必要があります。
例えば、年収が400万円の作業療法士を一人、人材紹介会社経由で採用するとなると、手数料が25%のサービスを利用した場合、400万円✕25%=100万円の紹介手数料が発生します。
また、せっかく100万級の手数料を支払ったにも関わらず早期で離職に至った場合に、紹介手数料が全額返金されない場合が多いことにも気をつけたいところです。

人材派遣サービス

採用方法の一つに「人材派遣サービス」があります。人材派遣サービスとは、人材派遣会社に登録している理学療法士などのスタッフを、人材を必要としているデイサービスなどのリハビリテーション施設に派遣するサービスのことです。

人材派遣サービスの特徴は、人員調整をしやすいということです。正社員が退職または産休などで欠員した場合、必要な能力を持った理学療法士を、必要な人数と必要な期間だけ採用できるメリットがあります。スポットで利用するには非常に良いサービスだと言えます。

人材派遣サービスのデメリットは、大きく2点あります。一つは、自社に所属する職員ではないことから、施設独自の理念やルールを知らない状態で勤務することです。とくにPTやOTは利用者と直接関わる職種であるため、サービスの質に大きく影響します。また責任感が欠如しているスタッフが多い傾向にあります。また、直接雇用するよりも高い時給を支払う必要があることもデメリットです。これは当然派遣会社に支払うマージン率が高く設定されているためです。

求人検索エンジン

リハビリテーション施設においての一般的な採用方法の一つに「求人検索エンジン」を利用することも挙げられます。求人検索エンジンとは、リハビリテーション施設の求人サイトや採用サイトなどの、求人情報に特化した検索エンジンのことです。

求人検索エンジンを利用した採用方法の特徴は、低コストで採用活動を行える点です。無料で求人情報を掲載できるサービスもあります。いくつか求人検索エンジンが存在するため、自社に合った求人検索エンジンを選択しましょう。

リハビリテーション施設におすすめの求人検索エンジン

リファラル採用

リファラル採用」も効果的な採用方法の一つです。「リファラル」とは、「推薦」や「紹介」という意味があります。リファラル採用は、自社の経営するリハビリテーション施設で勤務しているスタッフから、理学療法士などの人材を紹介してもらう方法のことです。

リファラル採用の特徴は、すでに勤務しているスタッフが知人に施設の雰囲気や魅力を伝えられるところです。求職者は、自分がリハビリテーション施設で働いているイメージを持ちやすく、離職率が低いというメリットがあります。

この手法は、上記のような多くのメリットがあることから、紹介元となる職員には、お礼としてボーナスを支払う制度を設けている施設も多いです。
なかには10万円、20万円といった金額を設定しているケースもあります。一見高額に見えますが、人材紹介や人材派遣サービスに支払う金額の大きさを考えると、結果としてかなり安上がりに採用できる手法になります。

自社の公式ホームページ・採用サイト

他にも「自社の公式ホームページ・採用サイト」を利用する方法があります。現在、インターネットを利用して求職情報を探している求職者が多く存在します。この現状を踏まえ、各リハビリテーション施設は自社のコーポレートサイトとは別に、採用サイトを開設し運営することが重要です。

採用サイトの特徴は、人材サービスの利用比べると運営コストを低く抑えられる可能性があるという点です。「求人票の内容を自由に変更できる」、「求職者とのやり取りを自社ペースで行える」などのメリットがあります。また、応募に必要な条件や給与・待遇面といった情報は応募者にとって必ず気になる情報です。自社の採用サイトがあれば、必要な学歴、給与形態、先輩のインタビュー、独自の福利厚生制度などについて詳しく情報を提供し、求職者が求めている情報を掲載することが可能です。

リハビリ関連施設において適した採用方法を選ぶポイント

リハビリテーション施設における一般的な採用方法を見てきましたが、自社に適した採用方法を選ぶポイントをご紹介します。

以下の3つのポイントを見てみましょう。

  • 採用コストや割ける人材
  • 採用までにかかる時間
  • 求める人材

採用活動にかかるコストや、そのために割ける人材に注目することは重要なポイントです。採用コストを抑えるために、無料で掲載できる求人検索エンジンや無料求人サイト、自社で運用する公式ホームページや採用サイトを利用しましょう。
しかし、採用コストを抑える分、求人票の作成や求職者への応対、面接などの日程調整やサイト運営などの人手が必要になります。採用サイト制作に特化した制作会社にサイト運営や更新のアドバイスなどを受けるなら、業務負荷が削減できるでしょう。

すぐにでも人材を確保したい場合、人材紹介サービスの利用をおすすめします。人材紹介サービスであれば、コストはかかりますが、迅速に人材確保ができ、ある程度の応募数が見込めるため、高い確率で人材の確保が可能となります。特に急いでいないや恒常的に募集を行っているような場合には、求人検索エンジンや採用サイトを開設しましょう。自社の求める人材への情報をホームページやサイトに掲載し、アピールすることが可能です。

経験、スキル、年代など「どのような人材を採用したいか」に着目し、施策を決定するのも良い方法です。
多くの人材が登録しているような人材紹介会社であれば、ほしい人物像を伝えることで、その条件に近い人材を紹介してくれるでしょう。また自社採用サイトは施設や職種に興味のある、経験者や資格保有者からの応募が期待できるため効果的です。どのような方に応募してほしいかを明確に記載している採用サイトも多く見かけます。
まずは、自施設に必要な人材について考え、採用に関係するメンバーでそれを共有しておくことが重要なのです。

リハビリ施設において優秀な人材を獲得するコツ

施設において優秀な人材を獲得することはますます難しくなっています。自社の求める、経験豊富な求職者の競争率は高いのが現状です。

リハビリテーション施設において優秀な人材を獲得するコツには何があるのでしょうか。いくつかあるコツの中から、以下のポイントに絞ってご紹介します。

  • ミスマッチを防ぐ
  • 人材を定着させるための工夫
  • 競合他社との差別化
  • 採用サイトを充実させる
  • クチコミを活用する
  • 面接結果は可能な限り早く連絡する

慢性的な人手不足を理由に、求職者を即採用しているデイサービスなどのリハビリテーション施設も少なくないでしょう。しかし即採用し一時的に人材の必要は満たされても、中長期で見た場合に離職率が高くなるというリスクがあります。せっかく時間とコストをかけて採用したにも関わらず、離職されてしまうと経営負担につながります。
離職率が高くなる原因の一つに、求職者がイメージしていた職場での業務と実際の業務とがミスマッチしていることがあります。細かな業務イメージの共有や採用者とのコミュニケーションを図るなどして、ミスマッチを減らす努力が重要です。採用活動の際に、リハビリテーション施設の見学を含めることも効果的です。

人材を定着させるための工夫も重要です。人材定着を促す工夫の一つに、人材育成への投資があります。獲得した人材を育成していくために、業務上のやり取りを指導していく教育係を設けたり、職場での人間関係の問題などを相談できるメンターのような存在を作ることも重要でしょう。
資格の取得費用を負担するなどの工夫も効果的です。自社外での資格獲得のための研修を活用することで、リハビリテーション施設のレベルアップ・サービス向上にもつながります。

介護・福祉業界において優秀な人材を獲得するには、競合他社との差別化が重要です。他のリハビリテーション施設にはない自社の強みや特徴を求職者にアピールしていきましょう。たとえば、ITツールの導入などによる職場環境の業務効率化や、柔軟な働き方や資格取得などの人材育成プランがあれば、それを伝えることが重要です。リハビリテーション施設を各種特化型にすることも競合他社との差別化につながります。たとえば、リハビリテーション施設を認知症特化型や入浴特化型、リハビリ特化型などにすることで差別化を図ることが可能です。自社の強みや特徴をアピールすれば、求職者は業務内容や施設の理念などを理解したうえで応募してくれるでしょう。

採用サイトを充実させることも、優秀な人材獲得につながります。求職者は、気になるリハビリテーション施設の公式ホームページや採用サイトを詳しく調べることが一般的です。自社の採用サイトが求職者の目線で制作されているかを確認しましょう。求職者の目線で採用サイトが制作されていないと、求職者は施設で実際に自分が働いているイメージができず、応募に繋がりません。求職者の求める情報が掲載されている採用サイトを制作しましょう。

求職者のほとんどは、インターネットでデイサービスなどのリハビリテーション施設のクチコミを確認します。施設の良くないクチコミが目に入ってしまうと、求職者は面接を辞退するかもしれません。そのような事態を防ぐために、自社施設にどのようなクチコミが投稿されているかを把握していることは重要です。サービスによって掲載されているクチコミに対して返答できるコメント機能が備わっているものがあります。この機能を活用し、丁寧な対応や姿勢を見せることで、求職者の不安や疑問を払拭する必要があります。良い評判は求職者の興味を引くため、上手にクチコミを活用し優秀な人材を確保していきましょう。

求職者との面接を終えたら、面接結果を可能な限り早く連絡することも、優秀な人材を確保するためのコツです。面接した人材が優秀だった場合、その当日に電話で内定の連絡をすることが効果的です。内定通知を行う際、相手に対する自社の思いや期待度を伝えることで、応募者のやる気や志望度はさらに高くなり、内定辞退を防ぐことにつながります。優秀な人材を確保するには、人材を見極めることと同時に、応募者に自社の「魅力づけ」を行うことが重要です。

リハビリテーション施設における採用活動の注意点

リハビリテーション施設における採用活動は、介護・福祉業界において必須です。すぐに優秀な人材を確保したいと思い、人材紹介サービスを利用するデイサービスなどのリハビリテーション施設も少なくありません。人材紹介サービスを利用する場合、自社が求めている経験のある有資格者を採用できますが注意点もあります。

人材紹介の手数料が経営負担

令和元年12月に厚生労働省職業安定局が実施した「医療・介護分野における職業紹介事業に関するアンケート調査」によると、医療分野での人材紹介に係る手数料が高額であることが明らかになりました。人材紹介に係る手数料が高額であることは、リハビリテーション施設などの医療施設において経営上の負担となります。

「経営上負担となっており、手数料等は、高いと考える」と回答した事業所は、69.2%となっており、全体の7割を占めています。同調査によると、職業紹介についての採用1件あたりの手数料は、リハビリ専門職で86.2万円と高額です。人材紹介サービスが手数料を儲けるために採用直後に離職を促したり、お祝い金等の金銭を支給し過度に求職者を勧誘したりする行為などが問題視され、職業安定法が改正された経緯があります。

また同調査は、人材紹介サービスを経由して採用されたリハビリ専門職のうちの1割、つまり全体の13.1%は、採用後の6か月以内に離職しているという結果を報告しています。高額な手数料を支払ってもすぐに離職されてしまうなら、リハビリテーション施設にとってはさらに大きな経営上の負担です。国は、求職者が早期離職をすることがないよう対策を取っていますが、いまだに改善には至っていません。厚生労働省は、制度周知の啓発を行っていくとしています。

出典:医療・介護分野における職業紹介事業に関するアンケート調査|厚生労働省

リハビリテーション施設の採用方法としておすすめの公式サイトと採用サイト

リハビリテーション施設の効果的な採用方法にはいくつかありますが、その中でおすすめする採用方法は「公式サイト」と「採用サイト」です。

自社の公式サイトや採用サイトは、一般的な企業サイトであるコーポレートサイトとは異なり、一般ユーザーや求職者に向けてメッセージや情報をダイレクトに発信するために作られたサイトです。求職者にとって、賃金や雇用形態などの情報は重要です。自社の公式サイトや採用サイトがあれば、月給、年収、学歴などの、求職者が求めている情報を伝えられるだけでなく、自社オリジナルのデザインで自由に内容を掲載できます。自由度の高いオリジナルな採用サイトは、競合他社との差別化につながるため効果的です。

求人広告の掲載費を支払う必要がないことや、いつでも情報の更新が可能であるというメリットもあります。公式サイトや採用サイトの制作に関しては、専門のホームページ制作会社に依頼することをおすすめします。専門の制作会社であれば、介護・福祉・医療に特化した専門のスタッフが自社に合った内容でサイトを制作することが可能です。施設の強みや特徴などの魅力を存分に伝えることができるでしょう。

まとめ

この記事では、介護・福祉業界の現状を踏まえつつ、成功するためのポイントや採用方法について徹底解説してきました。

少子高齢化社会の日本において、今後もデイサービスなどのリハビリテーション施設での理学療法士の需要は増加していくことでしょう。需要が増加している一方で、リハビリテーション施設などへの供給が追いついておらず、人手不足が大きな課題となっています。そのような状況下で、優秀な人材を確保するためには、効果的な採用方法を用いた採用活動が必須です。自社の採用活動で費やせるコストと人材を考慮した上で、自社に合った採用方法を導入していきましょう。

優秀な人材の採用において効果的な採用方法に、自社オリジナルの公式サイトまたは採用サイトがあります。株式会社ITreat(アイトリート)では、医療業界に特化したプロのスタッフが公式ホームページ、採用サイトの制作を行っています。
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D・MIZUNAGA

株式会社ITreat

執行役員・Webディレクター

大手人材系企業で医療業界のキャリアコンサルタントとして勤務したのち、ITベンチャーへ転身。現在は株式会社ITreatの執行役員として、主に病院やクリニックのWebサイト制作、採用課題の解決、SEOコンサルティングを行う。キャッチコピーは「関わるすべての方とのWin-Winを作る」。

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