【介護・福祉業界向け】人材獲得方法を徹底解説 - 採用難を解決

採用/求人/キャリアアップ

最終更新日:2024/04/26

公開日:2023/04/10

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介護・福祉業界においての経営問題の一つに人手不足があります。老健、特養、デイサービスなどの事業所の方は、新規採用の難しさを感じておられることでしょう。

この記事では、なかなか思うように進まない採用活動において、介護・福祉職の人材を集める効果的な方法をご紹介します。業界の現状を踏まえ、優秀な人材を獲得するコツや活用できる助成金制度まで詳しく解説するため、介護・福祉施設の経営者や採用担当者は、ぜひ参考にしてください。

介護・福祉業界における採用活動の現状

▲これまでの20年間の対象者、利用者の増加|厚生労働省

今後、介護・福祉業界の重要性はさらに増していく傾向にあります。たとえば、厚生労働省の資料によると、20年前に介護保険が創設されてから65歳以上の被保険者の数は、年々増加傾向にあります。そのうち、介護サービスを利用している人の数は、20年前と比べると3.3倍も増加しているようです。

要介護認定者数に関しても、介護保険が創設されてから20年間で約3倍と増加していることがわかります。今後、認知症にかかる高齢者の数も増加すると予想されます。

出典:介護分野をめぐる状況について|厚生労働省

介護業界における2025年問題

2025年以降、人口数の大きい団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるため、医療や介護のニーズがさらに高まると考えられます。

厚生労働省の調査によると、2025年の介護人材の需要見込み253万人に対して、介護人材の供給見込みは215.2万人です。現状の推測では、約40万人近くの差があることがわかります。この介護人材の需要と供給のバランスが取れていない状態を「2025年問題」といいます。

介護・福祉施設で勤務する職員の数は、介護保険が創設された20年前から増加していても、需要にその増加が追いついていない現状です。

出典:2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について|報道発表資料|厚生労働省

介護サービスにおけるニーズの増加

団塊世代が後期高齢者となる2025年以降、介護サービスにおけるニーズはさらに増加するといえるでしょう。

後期高齢者の人口数は増加していく一方で、生産年齢人口数は減少していくことが予想されます。限られた人口の中で、介護施設で働く人材の採用が必要です。外国人の人材採用も検討する必要があります。

介護業界の求職動向

介護・福祉業界において、人手不足は深刻な問題です。では、介護業界の求職動向はどうなっているのでしょうか。

介護業界における求人有効倍率や、今後の見通しを見てみましょう。

介護分野の求人有効倍率

介護分野の求人有効倍率は、求人数が求職数を上回る状況です。直近の2022年1月の有効求人倍率は、3.68倍と最高水準を記録しています。

他の職種の求人有効倍率と比べても、介護分野の求人有効倍率は2倍以上の開きがあります。介護分野での人材採用においては、他の職種との競合がさらに激化していくことが予想されるでしょう。失業率は、2010年以降一貫して下降傾向にあります。

出典:一般職業紹介状況(令和4年11月分)について|厚生労働省

都道府県別:介護分野の求人有効倍率

都道府県別に介護分野の求人有効倍率を見ると、全体平均の1.22倍を上回り、全国的に労働力不足であることが分かります。

厚生労働省の調査によると、東京都や愛知県の求人有効倍率が5倍を上回っており、人材不足が明らかです。

出典:福祉・介護人材確保対策について|厚生労働省

労働人口の今後の見通し

厚生労働省の調査によると、日本の人口は近年減少局面を迎えています。2065年には、日本の総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は38%台の水準になると予想されています。

2065年時点での15歳〜64歳までの生産年齢人口の割合は51.4%と過去最低の数字となり、人手不足が一層進んだ状況になります。今後、介護サービスにおけるニーズの増加と生産年齢人口の減少が理由で、介護人材の需要と供給のバランスは、より一層重要な問題となることでしょう。

デイサービスのような介護施設の経営者や採用担当者は、介護業界の求職動向をよく理解した上で、さまざまな採用方法を駆使して採用活動を行っていくことが求められています。

出典:人材開発政策の現状と課題、今後の見通しについて|厚生労働省

介護施設が人材不足に陥っている原因

介護施設が人材不足に陥っている原因は何でしょうか。原因はいくつか考えられますが、今回は特に以下の3つの点を見てみましょう。

  • 採用自体が困難である
  • 離職率の高さ
  • ネガティブなイメージ

採用が困難

介護・福祉業界が人材不足に陥っている原因の一つに「採用が困難」なことがあります。多くの介護施設や事業所が、介護人材の採用が困難だと感じている理由はいくつかあるようです。
たとえば、他業界における企業と比べて労働条件が良くない、同業他社との人材採用競争が激しいことが挙げられます。これらの理由から、自施設に人材が集まりにくいことが現状です。

離職率の高さ

「離職率の高さ」も、介護・福祉業界が人材不足に陥っている原因の一つです。他の業界と比べても、介護・福祉業界の離職率は高く、特に訪問介護員の離職率が高いのが現状です。
離職の原因に、職員同士のコミュニケーション不足があります。介護施設は多忙なため、職員同士じっくり話す時間を取ることは困難です。しかし、コミュニケーションが不足すると人間関係に問題が生じ、離職につながるかもしれません。
また他の原因に、職場環境のミスマッチも挙げられます。企業または施設の理念や方針に合わないと感じ、離職するケースも少なくありません。企業や施設に入社する前に、求職者との見方や考え方がマッチしているかを、人事は見極める必要があります。

ネガティブなイメージ

一般的に介護・福祉業界のイメージは、体力的や精神的にきびしい、給料が安いなどの「ネガティブなイメージ」があります。このような事実に対する認知度が低いことも、介護・福祉業界が人手不足に陥っている理由の一つです。
たとえば、介護技術の進化により、介護施設で働く職員は腰などを傷めず、身体負荷をかけずに仕事を行なえるように改善が進んでいます。事実に対する認知度が低い現状に対して国や自治体は、介護現場の働き方改革の推進やネガティブなイメージを解消しようと取り組んでいます。同時に、各事業所においても各スタッフの意識改革により、介護・福祉業界のネガティブなイメージを払拭することが重要です。

求職者(介護士・介護福祉士)が働く際に重視する点

介護施設が介護士や介護福祉士などの求職者を採用するためには、いくつかのポイントがあります。求職者が働く際に重視するポイントを理解することは重要です。

有資格者などの経験者と無資格者などの未経験者の働く際に重視する点を見てみましょう。また、施設のアピールポイントについてもご紹介します。

有資格・経験者

現在また今後においても、介護士や介護福祉士などの有資格者や経験者を正社員として採用することは非常に困難な状況です。有資格者や経験者の採用に成功するための秘訣は、採用活動におけるアピールです。介護施設への求職者が抱いている不満や必要を分析し、その不満や必要に対して、環境ややりがい、キャリアアップやスキルアップの機会を提供することが重要です。これらの情報を、求職者が入手しやすい方法で提供する必要があります。

具体的な採用方法は、公式ホームページ、ブログ、SNSなどがありますが、同時に介護スタッフの口コミも重要です。介護スタッフが「スタッフへの研修がしっかりしている」、「スタッフの意見や悩みに向き合ってくれる」などの自社介護施設のポジティブなコメントを周囲に伝えることで、有資格者や経験者の人材採用に成功する確率は高まります。現在、自社の介護施設で勤務している職員・スタッフへの環境改善を行うことで、ポジティブなコメントを生み出すことが可能になり、効果的な口コミへとつながります。

無資格・未経験者

有資格者や経験者の人材確保が困難である場合、無資格・未経験者を採用し教育する方法もあります。無資格者や未経験者を教育し即戦力にするまではコストがかかりますが、国による「キャリアアップ助成金」や「キャリア形成促進助成金」などの助成金制度を活用しましょう。助成金制度を活用し、無資格・未経験者の戦力化を促進できます。活用できる助成金については詳しく後述します。

また求職者の介護業界に抱く不安を解消することも重要です。無資格・未経験者の中には、自分が介護業界で本当にやっていけるかどうか不安に思う方もいます。そのような不安を解消するための施策が重要です。たとえば、事前に説明会やセミナーを実施し求職者の抱く不安を解消したり、介護技術の体験セミナーを開催し自分が働いているイメージを持ってもらったりできます。また、無資格・未経験者がスキルアップできるように、施設に育成プログラムにより資格取得ができる環境を用意できれば、求職者の不安を払拭できるでしょう。

施設のアピールポイント

求職者が求めていることを把握することも重要です。求職者は賃金などの水準が見合っているから、福利厚生が充実しているからと応募する人は多くいます。しかし、求職者が求めていることは、それだけではありません。たとえば、やりがいや施設・事業所の魅力、職場での雰囲気などは重要なポイントです。重要なことは、求職者の求めている情報を把握し、そのような情報を効果的な採用方法でアピールすることです。

有資格・経験者と無資格・未経験者とでは、アピールするべきポイントも異なります。無資格・未経験者は、おもに勤務の不安を解消することを目的に情報を掲載することが効果的です。有資格・経験者に対しては、介護技術の質の高さや職場環境などの情報をアピールすることが人材獲得につながります。

介護福祉施設における優秀な人材を獲得するコツ

介護福祉施設における優秀な人材を獲得するコツには何があるのでしょうか。

優秀な人材を獲得するためのコツを理解するために、以下の3つのポイントを明確にしましょう。

  • 介護職員が離職する原因
  • 介護職員が働く職場に求めていること
  • 介護職員が抱えている悩みや不安

介護職員が離職する原因

介護職員が離職する原因はさまざまです。
たとえば、女性の介護職員が離職する原因には、結婚、妊娠、出産、育児のためなどがあります。また、職場での人間関係に問題があって離職する場合や、キャリアアップやスキルアップのための環境の欠如が原因で離職する場合もあります。
男性の介護職員が離職する原因は、給料アップやキャリアアップにつながる職場環境の欠如により、将来への見込みが立たないと判断し退職に至ります。また、年収が少ないことや、他の職種や職場を見つけたことも理由に挙げられます。

介護業界の有効求人倍率は他業界の有効求人倍率よりも高いため、気軽に他の職種に転職を検討できることも離職の原因の一つとして考えられます。多くのコストをかけて介護職員を採用しても、すぐに離職されてしまうと、事業所にとっても多大な負担になります。介護職員が離職する原因を把握し対策を取っていくことで、優秀な人材の獲得につながるでしょう。

介護職員が働く職場に求めていること

多くの場合、介護職員は職場に「やりがい」を求めていることが多いです。たとえば、多くの介護職員が介護職を選んだ理由は、「利用者の援助・支援や生活改善につながるから」や、「専門性が発揮できるから」、「福祉に貢献できるから」などがあります。また、「通勤に便利だから」、「労働日や労働時間が自分の希望と合っているから」といった物理的な理由もあります。

しかし、介護職員が離職する原因として取り上げられたように、給料アップやキャリアアップなどの職場環境が整えられていないと離職につながります。キャリアに応じた役割を与えたり、評価制度を導入し年収アップを図るなど、介護職員のやる気を上げる工夫が必要でしょう。

介護職員が抱えている悩みや不安

介護職員が抱えている悩みや不安を理解することも、優秀な人材を確保するためのコツです。介護職員が日々抱えている悩みや不安はさまざまです。たとえば、仕事の割には給料が安い、体力的や精神的にきつい、有給休暇を取りにくいなどの労働条件に関しての悩みや不安を多くの介護職員が抱いています。

また、職場での人間関係の悩みや不安を抱えている職員も多いでしょう。自分と合わない同僚や上司がいることや、同僚との仕事上の意思疎通がうまくいかない、新規スタッフの指導の難しさなどが挙げられます。

介護職員は、利用者やその家族の悩みや不安も抱えています。利用者に対して適切なケアを行えているだろうか、利用者やその家族の希望が一致しない、介護事故で利用者に怪我を負わせてしまうのではないか、利用者やその家族が必要なサポートやケアを理解してくれないなどさまざまです。

事業所が実施している取り組みと、介護職員が求めていることに差が生じている場合があります。職場での介護職員に向けてアンケートを取ったり、良いコミュニケーションを取っていくことで、介護職員の満足度が高まり離職防止につながります。

介護福祉施設における採用活動の成功・人材定着のためのポイント

介護福祉施設における採用活動の成功や、人材定着のためのいくつかのポイントをご紹介します。

以下の3つのポイントに注目してみましょう。

  • 面接
  • 選定
  • 入職後

面接

求職者が無資格・未経験者の場合、介護に対するイメージができていないため、不安を抱えているケースが多いです。面接時に、自社が求める人物像、企業の理念、職場の雰囲気、介護業務の流れなどを伝えることにより、求職者の不安を軽減できます。また、求職者の疑問や不安をヒアリングしてあげることも重要です。スキルアップやキャリアアップのための研修やフォロー体制が充実していることを面接時に伝えるなら、求職者のやる気や安心感につながります。

求職者が有資格・経験者の場合、競合が多くなるため、待遇や条件面などが他社の施設や事業所と比較されやすいでしょう。面接時に、求職者の介護に対する見方や前職の退職理由などをヒアリングすることも重要です。また、当事業所や施設の強みをアピールし、自分が事業所や施設で働いているイメージができるよう助けることも重要です。

選定

採用活動において、成功・人材定着のためのポイントは、納得のいく人材の「選定」が重要です。人事が効果的な選定を行うには、採用基準を明確にする必要があります。面接ごとに採用の判断基準にばらつきが出ないようにしましょう。

採用担当者の目線は常に同じであることが重要です。効果的な人材の選定のために、評価項目リストなどを準備しておくことは、よい選定を行ううえで欠かせません。また、人材の選定はできるだけ早く行いましょう。選定のために時間をかけすぎると、求職者のやる気や気持ちが変わってしまう恐れがあります。求職者が複数の面接を受けている場合、他企業に採用を決められてしまうケースもあるでしょう。

入職後

優秀な人材を獲得しても早くに離職されてしまうと、採用活動に成功したとは言えません。早期離職を防ぐため、求職者の入職後、上司や従業員同士の円滑なコミュニケーションを促進していきましょう。特に入職者が無資格・未経験者の場合、業務や人間関係で何か問題や困っていることはないかなどのヒアリングが重要です。

職場内での円滑なコミュニケーションを促進していく具体的な方法は、従業員や上司との定期的なミーティングや意見交換会、チームケアなどがあります。新入職者が、安心して気軽に相談できるような職場環境が大切です。

介護福祉施設における一般的な採用方法

一般の人材採用と同じように、介護福祉施設においてもさまざまな採用方法があります。

一般的に利用されている8つの採用方法をご紹介します。

  • 人材紹介サービス
  • 人材派遣サービス
  • 求人検索エンジン
  • リファラル採用
  • ハローワーク
  • 自社の公式ホームページ・採用サイト
  • 外国人雇用

人材紹介サービス

「人材紹介サービス」は、いまや介護施設における一般的な採用方法の一つになりました。人材紹介サービスの特徴は、面接自体までは費用がかからないという点です。人材紹介サービスは、成功報酬型であるため、入職するまでは報酬を支払う必要はありません。

また、人材紹介サービスは、即戦力の採用が可能です。人材紹介会社に登録されている人材の中から、施設や事業所に合った人材を紹介してもらえるため、即戦力として採用できます。また、人材会社が有している多くの人材データベースから、施設や事業所の求めている人材を紹介してもらえるため、採用工数をかけずに採用活動を行えることも特徴です。

しかし、高額な紹介手数料がかかることがデメリットです。一般的には、入職する人材の想定年収の25〜30%を一括で支払う必要があるため、常勤の介護スタッフを1名雇用すると、90〜120万円程度の手数料がかかります。早期で離職するリスクもあるため、紹介会社経由で応募した職員は、採否を慎重に見極める必要があるといえます。

人材派遣サービス

介護福祉施設における採用方法の一つに「人材派遣サービス」もあります。人材派遣サービスを利用する利点は、人員の調整がしやすいことです。施設や事業所のスタッフに欠員が出た場合、自社が必要とする人材を必要な人数と必要な期間だけ活用できます。

また、人材派遣会社を通して求職する求職者も増えています。より自社の望む人材を獲得するために、人材派遣サービスを利用することも一つの選択でしょう。

求人検索エンジン

「求人検索エンジン」を利用した採用方法もあります。求人検索エンジンとは、求人サイトや採用サイトなどの、求人情報に特化した検索エンジンのことです。

求人検索エンジンを利用した採用方法の特徴は、低コストで採用活動を行える点です。無料で求人情報を掲載できるサービスもあります。いくつかある中の求人検索エンジンの中から、自社に合った求人検索エンジンを利用しましょう。

リファラル採用

「リファラル」とは「紹介」という意味で、自社で勤務しているスタッフから求職者を紹介してもらう採用方法を「リファラル採用」と言います。

リファラル採用の特徴は、縁故採用であることです。自社のスタッフが知人の求職者に対して、職場の雰囲気や施設や事業所の強みを伝えアプローチすることが可能です。求職者は施設や事業所で自分が働いている姿をイメージしやすいため、入社後のミスマッチを最小限に抑え、離職率の低下にもつながります。

ハローワーク

「ハローワーク」からの採用も、介護福祉施設における一般的な採用方法です。ハローワークの特徴は、インターネットサービスなどの閲覧件数が日本最多であることです。ハローワークは、公的な機関として求人側、求職側の双方に安心感を与えます。また、人材紹介や雇用保険、助成金の適用などの法人向けサービスも行っています。

自社の公式ホームページ・採用サイト

他にも「自社の公式ホームページ・採用サイト」を利用した採用方法もあります。インターネットの普及にともない、求職情報をインターネットから探している求職者が多く存在します。求人サイトなどから、さらに情報を求め公式ホームページや採用サイトを見にくる求職者も多いです。これらの現状を踏まえ、自社の公式ホームページや採用サイトを開設し運営することは効果的な採用方法です。

公式ホームページ・採用サイトの特徴は、求人サイトへの掲載と比べると運営コストを低く抑えられます。自社の公式ホームページや採用サイトがあれば、必要な学歴、年収などの給与・待遇面について詳しく情報を提供し、求職者が求めている情報を掲載することが可能です。

外国人雇用

介護福祉業界において人手不足は重大な問題となっていますが、この問題を解決する一つの方法は、「外国人雇用」です。外国人労働者が介護福祉施設で働く資格を得られれば、介護職における需要と供給の差を埋められます。

しかし、外国人労働者は効果的な採用方法となり得ますが、施設や事業者側にも外国人労働者が定着しやすい環境を整えることが必要です。日本固有の文化や制度については丁寧に説明しましょう。

介護福祉施設の採用活動に活用したい助成金制度

介護福祉施設の採用活動に活用したい助成金制度を4つご紹介します。2023年1月時点での情報ですので、最新の情報は各自治体、団体等のWebサイトを必ずご確認ください。

  • 中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
  • 中途採用等支援助成金(UIJターンコース)
  • 地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
  • トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)

中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)は、雇用管理制度を整備し、中途採用の拡大を行う施設や事業者に対して支給される助成金制度です。

助成金の申請条件は、以下の3つの点のいずれかを満たしている必要があります。

  • 中途採用率の拡大
  • 45歳以上の人員の初採用
  • 情報公表と中途採用者の拡大

出典:中途採用等支援助成金ガイドブック-中途採用拡大コース-|厚生労働省

中途採用等支援助成金(UIJターンコース)

中途採用等支援助成金(UIJターンコース)は、対象となる労働者1人以上を採用した事業主が対象となる助成金制度です。

地方において東京圏からの移住者を採用した場合に、経費の一部が助成されます。

出典:中途採用等支援助成金(UIJターンコース)|厚生労働省

地域雇⽤開発助成⾦(地域雇用開発コース)

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)は、施設や事業所の設置や創業を行う際、その地域に在住する求職者を採用した場合に支給される助成金制度です。

助成金額は、50万円〜800万円となっています。

助成金の申請条件は、以下の通りです。

同意雇用開発促進地域・過疎等雇用改善地域または特定有人国境離島地域内の事業所における施設・設備の設置・整備および、地域に居住する求職者等の採用に関する計画書を労働局長に提出すること
事業の用に供する施設や設備を計画期間内に設置・整備すること
計画日から完了日までの間(最長18か月間)であること
助成対象となる設置・整備費用1点あたり20万円以上で、合計額が300万円以上であること
地域に居住する求職者等を計画期間内に常時雇用する雇用保険一般被保険者としてハローワーク等の紹介により3人(創業の場合は2人)以上採用すること
事業所における労働者(雇用保険一般被保険者)数の増加
設置・設備事業所において完了日における雇用保険一般被保険者数が、計画日の前日における数に比べ3人以上増加していること

トライアル雇⽤助成⾦(一般トライアルコース)

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、経験・技能・知識などから安定的な雇用を得ることが難しいとされる、いくつかの条件に該当する人を採用した場合に支給される助成金制度です。

トライアル雇用助成金の申請に必要な条件は、以下の通りです。

過去2年以内に2回以上離職や転職を行っている人
離職期間が1年を超えている人
妊娠出産育児などが理由で安定した職業についていない期間が1年を超えている人
ニートやフリーターなどで55歳未満の人

優秀な人材の「内定承諾を増やすコツ」

優秀な人材の採用は、介護施設や事業所の経営に大きな影響を及ぼします。他の業界と比べ、介護・福祉業界は、採用の難しい業界です。経験豊富な優秀な人材は、競争率も激しいでしょう。

優秀な人材の「内定承諾を増やすコツ」を、3つご紹介します。ぜひ参考にしてください。

  • 公式ホームページと採用サイトの充実
  • クチコミの活用
  • 内定連絡のスピード感

公式ホームページと採用サイトの充実

「公式ホームページと採用サイトの充実」は、優秀な人材の内定承諾を増やすコツです。求職者は、インターネットを利用して求職情報を探します。その際、公式ホームページや自社の採用サイトに掲載されている情報が古かったり、求人者向けの情報が少なかったりすると、求職者は応募をためらうかもしれません。

求職者は、自社の公式ホームページや自社採用サイトを閲覧して他社と比較をし、選考を受ける優先順位を決める場合もあることでしょう。求職者目線での公式ホームページや採用サイトを制作することをお勧めします。社内で制作が難しい場合は、介護福祉業界に強い専門業者へ依頼することも可能です。

クチコミの活用

優秀な人材を獲得するためのコツの一つに「クチコミ」があります。クチコミを活用することで効果的に内定承諾を増やせますが、良くない評判が書かれる可能性もあるため注意が必要です。良くない評判を知った求職者は、応募を辞退することもあるでしょう。そのような事態を防ぐため、自社の施設や事業所についてどのようなことが掲載されているかを確認することは重要です。

内定連絡のスピード感

優秀な人材との面接が実現したなら、内定連絡は可能な限りスピーディーに行いましょう。可能であれば、内定連絡は面接を行った当日または翌営業日にできるだけ早く行うべきです。

電話で内定連絡を行う場合には、期待や思いを伝えるとともに、求職者の不安を解消できる情報を伝えましょう。たとえば、小さなお子さんがいらっしゃるお母さんの場合には、子供の参観日や運動会などのイベントに有給を使って参加できることなどです。

まとめ

この記事では、介護・福祉業界において活用できる、優秀な人材を集める効果的な方法をご紹介してきました。業界の現状を踏まえ、優秀な人材を獲得するコツや活用できる助成金制度も、詳しく解説しました。

介護・福祉業界の経営問題の一つに「人手不足」があります。介護人材が集まらない理由には、介護業界の印象の悪さや、事業所と求職者の入職イメージのミスマッチなどが挙げられます。
このような事態に対処する効果的な方法は、自社の公式ホームページや採用サイトを利用した採用方法です。多くの求職者や潜在層は、インターネットを利用して求職情報を入手しています。自社の公式ホームページや採用サイトを上手に活用していくことは、今後の介護・福祉業界での採用活動において欠かせません。

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執筆者

D・MIZUNAGA

株式会社ITreat

執行役員・Webディレクター

大手人材系企業で医療業界のキャリアコンサルタントとして勤務したのち、ITベンチャーへ転身。現在は株式会社ITreatの執行役員として、主に病院やクリニックのWebサイト制作、採用課題の解決、SEOコンサルティングを行う。キャッチコピーは「関わるすべての方とのWin-Winを作る」。

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