歯科専門医の資格まとめ - キャリアアップを目指す歯科医師必見!

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最終更新日:2024/04/26

公開日:2023/09/25

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医師と同様に歯科医師も専門特化が進み「歯科専門医」の資格名称を掲げる歯科医師の方が増えています。患者さんにアピールできるため集客(集患・増患)や転職にも効果的です。

この記事では、各団体が認定・発行している18の歯科専門医についてまとめています。キャリアアップ・スキルアップを考えている歯科医師の方、正しく患者さんにアピールすることで集客(集患・増患)効果を考慮している歯科医師の方は、ぜひ参考にしてください。

歯科医師の専門医、認定医、指導医とは?

歯科医師の専門医、認定医、指導医とは、歯科系学会が個別のルールに基づいて、学会の会員に対して認定して付与しているものです。

一般的には、下記の資格名を使用しています。

登録歯科医

「登録歯科医」とは、学会に登録している歯科医師です。各学会にて、年に数回、学術大会や講演会を開催します。認定制度のない歯科学会に登録している歯科医師は、すべて登録医です。

認定歯科医

「認定歯科医」とは、高度な専門的な知識、技術、臨床経験などを持ち各学会から認定された歯科医師です。多くの学会では、認定医についての条件を定めています。一般的には、学術大会や講演会への出席、治療の経験年数や治療の実績などです。学会に登録している歯科医師は、さまざまな条件をクリアすることで認定医と認められます。

専門歯科医

「専門歯科医」とは、認定歯科医よりもさらに高度な専門的知識、技術、臨床経験などを持ち各学会から認定された歯科医師です。厚生労働省が広告可能として認めた5つの専門医資格がありますが、各学会が認定する専門医資格もいくつか存在します。認定歯科医師よりもさらに厳しい資格審査をクリアすることで専門歯科医として認定されます。

指導歯科医

「指導歯科医」とは、さらに高度な専門的知識、技術、臨床経験などを持った、認定医や専門歯科医を指導する立場にいる歯科医師のことです。一般的には、指導歯科医は、専門歯科医であることが求められています。指導歯科医として認定されるには、試験への合格のほか、長期にわたる学会の登録歴、診療経験の豊富さが必要です。

専門歯科医の広告条件

専門歯科医の広告条件は、医療広告ガイドラインで制限されています。しかし、広告規制の緩和により、専門歯科医が「客観的で検証可能な事項」と認められる場合には、歯科医師が専門歯科医である旨を広告できるようになりました。

「広告告示により定められている広告可能な事項」は、以下の通りです。

  • 当該病院又は診療所において診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の氏名、年齢、性別、役職及び略歴
  • 医療従事者の範囲について
  • 当該病院又は診療所において診療に従事する医療従事者の氏名、年齢、性別
  • 当該病院又は診療所において診療に従事する医療従事者の役職
  • 当該病院又は診療所において診療に従事する医療従事者の略歴
  • 医療従事者の専門性に関する認定を受けた旨
  • 医師、歯科医師の専門性資格
  • 薬剤師、看護師その他の医療従事者(医師、歯科医師を除く)の専門性資格
  • 薬剤師、看護師その他の医療従事者(医師、歯科医師を除く)の専門性資格を認定する団体の基準
【2024年最新】医療広告ガイドラインに抵触しないWebサイト制作
〜はじめに〜 本記事では、ガイドラインの表現を分かりやすく言い換えている箇所があります。 2024年3月に改定された情報をもとにしておりますが、必ず厚生労働省のホームページもご確認ください。 参考:医療法にお

広告が可能な歯科医師の専門医資格

平成14年4月1日より、医療機関の広告規制が緩和されました。広告規制の緩和に伴い、医師または歯科医師の専門性に関して告示で定められた基準を満たすならば、厚生労働大臣に届出がなされた団体の認定する資格名を広告することが可能となりました。

また平成19年4月1日より、薬剤師、看護師その他の専門性も厚生労働大臣に届出がなされている団体の認定する資格名も広告が可能です。ただし、告示で定められた基準を満たしている必要があります。

現在、以下の団体が認定する資格名の広告が可能です。

  • 医師:資格名の数56(団体の数58)
  • 歯科医師:資格名の数5(団体の数5)
  • 薬剤師:資格名の数1(団体の数1)
  • 看護師:資格名の数27(団体の数1)

(合計:資格名の数89(団体の数65))

ここでは、厚生労働大臣に届出がなされた上記歯科医師の資格5つについてご紹介します。

なお、医療広告ガイドラインにより、ここで紹介する5つの専門医資格以外も、電話番号やEメールアドレスなどの問い合わせ先を明示することで広告可能となります。5つ以外の専門医資格については後述します。

公益社団法人 日本口腔外科学会 口腔外科専門医

「公益社団法人 日本口腔外科学会 口腔外科専門医」とは、公益社団法人日本口腔外科学会で取得可能な資格です。口腔外科分野での専門的な知識や技術、経験を持つ歯科医師の認定を目的としています。認定歯科医、専門歯科医、指導歯科医の3つの分野での取得が可能です。

公益社団法人 日本口腔外科学会 口腔外科専門医の概要

資格取得の条件 認定歯科医のための資格取得条件は、以下の通りです。

  • 日本国の歯科医師または医師免許証を有していること
  • 歯科医師または医師免許登録後、3年以上継続して日本口腔外科学会会員であること
  • 歯科医師または医師免許登録後、日本口腔外科学会の定める研修カリキュラムに従い、研修施設または准研修施設において、通算3年以上の研修を行っている(初期臨床研修の期間を含める)
  • 規定の研修実績および診療実績を有すること
申請書類 認定歯科医のための資格取得に必要な申請書類は、以下の通りです。

  • 「口腔外科認定医」認定申請書
  • 履歴書
  • 歯科医師または医師免許証(コピー)
  • 歯科医師または医師の初期臨床研修修了証(コピー)
  • 研修証明書および在籍(職)証明書
  • 学会2年間継続会員証明書
  • 研修実績報告書
  • 診療実績一覧表および担当症例報告書
  • 「禁煙推進宣言」に対する同意書
認定方法 認定歯科医の認定方法は、以下の通りです。

  • 書類審査
  • 筆記試験(専門歯科医の場合、口頭試問や実技試験も課される)
スケジュール 認定申請のためのスケジュールは、以下の通りです。

  • 申請期間:8月
  • 書類審査および判定:11月ごろ
  • 筆記試験:1月ごろ
  • 最終判定:3月ごろ
ステップアップの手段 認定歯科医がステップアップしていくための手段は、以下の通りです。

  • 進学または医局
  • 転職

口腔外科の分野では、手術症例を経験することがステップアップには重要です。大学病院には一般的な歯科医院よりも多くの症例が集まるため、博士課程への進学や医局に所属することで多くの経験ができます。また、外科処置の症例を多く経験することが可能な歯科医院への転職もステップアップのための手段です。転職をする場合は、院長が専門歯科医や指導歯科医の資格を持っているか、施設内に手術室があるか確認しましょう。転職先が日本口腔外科学会の認定施設や准施設かなどを確認することも重要です。

活躍の場 認定歯科医の活躍の場は、以下の通りです。

  • 大学病院や総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)

大学病院や総合病院は、最先端の治療や設備で自分を生かせる活躍の場かもしれません。また「口腔外科専門医」の名前を掲げ、外科専門として開業することも可能です。認定歯科医や専門歯科医の認定があれば、所属歯科医院からの評判も上がり、非常勤医として複数の歯科医院を掛け持ちすることも可能です。

認定機関 公益社団法人 日本口腔外科学会
URL http://www.jsoms.or.jp/

特定非営利活動法人 日本歯周病学会 歯周病専門医

「特定非営利活動法人 日本歯周病学会 歯周病専門医」とは、特定非営利活動法人 日本歯周病学会で取得できる資格です。歯周病の分野での専門的な知識や技術、経験を有する歯科医師を生み出すことを目的としています。取得できる資格の分野は、認定歯科医、専門歯科医、指導歯科医の3つです。

特定非営利活動法人 日本歯周病学会 の概要

資格取得の条件 認定歯科医の資格取得に必要な条件は、以下の通りです。

  • 3年以上継続して学会の正会員であること
  • 学会の認めた研修施設に通算3年以上所属し、歯周病学に関する研修と臨床経験を有すること
  • 学会学術大会における認定歯科医・専門歯科医講演を2回以上受講していること
  • 学会が行う倫理に関する講演を1回以上受講していること
申請書類 申請書類は、以下の通りです。

  • 認定医認定申請書
  • 日本歯周病学会認定医資格審査表
  • 履歴書
  • 日本歯周病学会会員証明書
  • 歯科医師免許証(A4版コピー)
  • 認定歯科医・専門歯科医教育講演参加証(コピーA4版1枚にまとめる)
  • 倫理に関する講演参加証またはe-learningの受講証明(コピー)
  • 研修証明書
  • 指導歯科医の推薦書、ただし主任指導歯科医を置く施設では主任指導歯科医の推薦書
  • 指導歯科医の検印を受けた症例報告書
  • 認定歯科医認定申請料領収書(振込控えのコピー)
認定方法 資格の認定方法は、以下の通りです。

  • 筆記試験
スケジュール 資格取得のためのスケジュールは、以下の通りです。

  • 申請期間:6月ごろ
  • 書類審査:7月ごろ
  • 筆記試験(学術学会前日):9月ごろ
ステップアップの手段 ステップアップのための手段は、以下の2つがあります。

  • 進学もしくは医局
  • 転職

歯周病の専門歯科医になるには、重症の症例を扱う必要があり経験が重要です。そのため、博士課程への進学や医局員になることが求められます。日本歯周病学会が認定する施設へ転職し、歯周病の症例を多く経験するならステップアップできるでしょう。

活躍の場 資格を取得した後、認定歯科医または専門歯科医が活躍できる場は多くあります。以下の通りです。

  • 大学病院・総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)

歯周病の専門的な知識や技術を取得した認定歯科医や専門歯科医は、設備の整った大学病院や総合病院で活躍できます。今後、虫歯よりも歯周病のニーズが高まることが予想されるなかで、歯周病の専門歯科医の開業医として活躍できます。歯周病を専門にした歯科医院で、常勤または非常勤にて勤務することも可能です。

認定機関 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
URL https://www.perio.jp/

一般社団法人 日本歯科麻酔学会 歯科麻酔専門医

「一般社団法人 日本歯科麻酔学会 歯科麻酔専門医」とは、一般社団法人日本歯科麻酔学会で取得できる資格です。認定歯科医、専門歯科医、指導歯科医の3つの分野があります。

一般社団法人 日本歯科麻酔学会 歯科麻酔専門医の概要

資格取得の条件 認定歯科医の取得には、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 日本国歯科医師または医師の免許証を取得していること
  • 学会が認める研修カリキュラムに従い、2年以上にわたり歯科麻酔の研修をすること
  • 歯科麻酔学指導施設の所属長である歯科麻酔指導歯科医が認定医の申請を認めたもの
  • 申請時点で継続して2年以上学会の会員であること
  • 歯科麻酔に関連する学術論文を日本歯科麻酔学会雑誌もしくはAnesthesia Progressに発表すること
申請書類 申請書類は、以下の通りです。

  • 認定申請書
  • 履歴書
  • 研修証明書
  • 歯科麻酔認定医申請許可書
  • 認定医研修カリキュラム履修項目
  • 緊急蘇生講習会受講修了証(コピー)
  • 症例数一覧表
  • 歯科麻酔に関する業績目録(論文用)
  • 歯科医師または医師免許証(コピー)
認定方法 認定方法は、以下の2つです。

  • 筆記試験
  • 口頭試問
スケジュール 認定歯科医の申請スケジュールは、以下の通りです。

  • 申請期間:6月
  • 書類審査:7月ごろ
  • 認定試験:8月ごろ
ステップアップの手段 歯科麻酔認定歯科医のステップアップのための手段は、以下の通りです。

  • 進学もしくは医局
  • 転職

歯科麻酔の分野では、一般の総合病院などの麻酔科で働く場合、認定歯科医の取得が必要になります。したがって総合病院で働く場合、大学病院などで症例経験を積み資格取得することが必要です。大学病院へは、博士課程への進学、もしくは医局員になることで入局できます。認定医などの資格更新を目指すならば、日本歯科麻酔学会の認定施設または准施設に転職しましょう。

活躍の場 歯科麻酔の認定歯科医が活躍できる場は以下の通りです。

  • 大学病院・総合病院
  • 勤務医(常勤・非常勤)

多くの手術症例がある大学病院や総合病院で、歯科麻酔医は活躍できます。また常勤・非常勤として専門歯科医院で勤務することも活躍の場となるでしょう。

認定機関 一般社団法人 日本歯科麻酔学会
URL http://kokuhoken.net/jdsa/

公益社団法人 日本小児歯科学会 小児歯科専門医

「公益社団法人 日本小児歯科学会 小児歯科専門医」とは、公益社団法人日本小児歯科学会で取得可能な認定資格です。認定歯科医、専門歯科医、指導歯科医の3つの分野があります。小児歯科の分野での専門的な知識や技術の認定が目的です。

公益社団法人 日本小児歯科学会 小児歯科専門医の概要

資格取得の条件 認定歯科医の取得に必要な条件は、以下の通りです。

  • 日本国歯科医師の免許を有すること
  • 指定された研修施設で定められた卒後研修カリキュラムに従い、2年以上の小児歯科に関する研修を受けるとともに、通算5年以上の小児歯科臨床経験を有すること、およびこれと同等以上の経歴を有するとみなされること
  • 認定申請時において、5年以上引き続いて学会会員であること
  • 小児歯科学に関連する研究報告を学会で発表すること
  • 小児歯科学に関連する研究報告を学会が認める学術雑誌に発表すること
申請書類 資格の取得に必要な書類は、以下の通りです。

  • 認定申請料1万円の払込みの受領書(コピー)
  • 認定申請書
  • 履歴書
  • 研修証明書
  • 業績目録
  • 小児歯科専従歴証明書(該当者のみ)
  • 小児歯科学研修に関するレポート(2,000字程度)
  • 歯科医師免許証(コピー)
認定方法 認定歯科医の資格取得のための認定方法は、以下の通りです。
面接試験(受験者による2年間以上の口腔管理を行った2症例の症例提示も含む)
スケジュール 認定歯科医の資格取得のための申請スケジュールは、年に2回認定の申請受付日および審査実施期間を告示する規定になっています。ホームページの更新を常に確認することをお勧めします。
ステップアップの手段 認定歯科医からのステップアップの手段は、以下の事柄が挙げられます。

  • 進学もしくは医局
  • 転職

小児歯科学の分野においても、認定歯科医の資格を取得するには最低でも2年間は大学の医局に在籍する必要があります。このため、大学院への進学や医局員になることがステップアップの始まりです。歯科医院のみでの在籍で認定歯科医の資格を取得することはできないため注意しましょう。転職もステップアップする一つの手段です。転職先が日本小児歯科学会の認定施設であるか、事前に確認しましょう。

活躍の場 活躍の場は、大きく分けて3つの分野があります。

  • 大学病院または総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)

小児歯科の分野は、発育成長や行動心理学などの側面があり、医科分野との連携が重要になる場合があります。そのため、大学病院や総合病院では、チーム医療の一員として活躍する場があるでしょう。また、歯科医院の広告として「小児歯科専門医」と名乗れるため、個人開業医としても活躍可能です。常勤や非常勤の勤務医としても活躍できるでしょう。

認定機関 公益社団法人 日本小児歯科学会
URL https://www.jspd.or.jp/

特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 歯科放射線専門医

「特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 歯科放射線専門医」とは、特定非営利活動法人日本歯科放射線学会で取得できる認定資格です。準認定歯科医、認定歯科医、専門歯科医、指導歯科医の4つの分野があります。歯科放射線の分野での専門的な知識や技術を促進する目的で制定されました。

特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 歯科放射線専門医の概要

資格取得の条件 認定歯科医の資格取得のための必要な条件は、以下の通りです。

  • 日本国の歯科医師の免許証を有し、良識のある人格を有すること
  • 学会の正会員として2年以上継続していること
  • 学会の認定する研修機関で、常勤または非常勤歯科医として2年以上研修を受けた者、もしくは学会の認定する準認定歯科医の資格を有し、同資格を1回以上更新した者

学会の認定する研修機関で常勤または非常勤歯科医として2年以上研修を受けた者は、次の診療実績、研修実績、研究実績が必要。

  • 歯科放射線に関連する学術発表を筆頭演者として行うこと、あるいは学術論文を筆頭著者として1編以上発表すること。
  • 画像診断業務に従事し、読影報告書50例以上を作成し、そのうち、20例以上は筆頭報告者として報告書を作成すること。
  • 2号に示した読影報告書には、造影・CT・超音波・MRI・RIなどを含むこと。
  • 放射線の物理的性質、人体への影響、安全取り扱いと管理技術、および関連する法令などの研修を含むこと。

学会の認定する準認定歯科医の資格を有し、同資格を1回以上更新した者は、以上の4つの診療実績、研修実績、研究実績は必要としないが、認定歯科医試験においては筆記試験に加えて実地試験を行う。

申請書類 歯科放射線の分野の認定歯科医の資格取得申請のために必要な書類は、以下の通りです。

  • 認定申請書
  • 履歴書
  • 歯科医師免許(コピー)
  • 研修証明書
  • 認定医研修カリキュラム履修項目
  • 歯科放射線に関する業績目録
  • 上記の業績を証明できる資料
  • 診療実績を証明できる資料
認定方法 資格の認定方法は、以下の通りです。

  • 筆記試験
  • 実地試験(準認定歯科医の場合)
スケジュール 資格取得のための申請スケジュールは、以下の通りです。

  • 応募締切:3月
  • 認定医試験受験資格審査:4月
  • 資格判定の結果を通知:4月上旬
  • 認定歯科医認定試験:4月下旬
ステップアップの手段 ステップアップの手段は、以下の通りです。

  • 進学もしくは医局
  • 転職

歯科放射線の分野では、基本的に読影の業務を経験することが重要になります。そのことから、大学病院の博士課程への進学を行い、放射線化などの専門部署で経験を積むことが必要です。転職にてステップアップを考えるならば、読影業務を多く経験できる歯科医院や病院に限定されます。転職先が日本歯科放射線学会の認定施設、準施設かどうかも確認しましょう。

活躍の場 認定歯科医の活躍する場は、以下の通りです。

  • 大学病院または総合病院

CTやMRIでの放射線検査が業務となるため、大学病院や総合病院など設備の整った場、多くの手術症例がある施設が活躍の場となります。

認定機関 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
URL https://www.jsomfr.org/

その他、歯科医師の専門医資格を認定している団体

歯科医師の専門医資格を認定している団体は他にもあります。近年、就職または転職時において認定歯科医の資格の有無を問われる場合があります。専門医の資格を取得し、キャリアアップにつなげていきましょう。

さらに、いくつかの歯科医師の専門医資格を認定している団体をご紹介します。

特定非営利活動法人 日本歯科保存学会

「特定非営利活動法人 日本歯科保存学会」とは、大切な歯を維持し、保存し機能させていくことを目的に設立された学会です。歯を抜くことなく、いつまでも自分の歯で噛めるような治療を行い、研究教育を目的とした3つの専門分野、「保存修復学」、「歯内療法学」、「歯周病学」に関わる人々の集まりです。

資格名 歯科保存治療専門医
資格取得の条件 資格取得の条件は、以下の通りです。

  • 正会員の入会金1,000円を入会時に納入する
  • 会費を納入する(正会員のうち、歯科医師、医師、歯学研究者の会費は年額9,000円とし、歯科医師、医師、歯学研究者以外の職種の会員は年額5,000円とする)

独自の試験により、本学会が認定する「歯科保存治療専門医」に一定の条件を満たすことで受験が可能です。詳しくは、ホームページをご覧ください。

活躍の場 歯科保存治療専門医の活躍の場は、以下の通りです。

  • 大学病院または総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL http://www.hozon.or.jp/about/

公益社団法人 日本補綴歯科学会

「公益社団法人 日本補綴歯科学会」とは、補綴による治療に使う新しい材料や治療技術を開発、研究する目的で活動しています。口腔内の機能の回復と見た目の自然観を回復することで健康が維持され、国民の健康長寿にさらに貢献することが可能です。

資格名
資格取得の条件 資格取得の条件は、以下の通りです。

  • 日本国歯科医師免許を有していること
  • 5年以上継続して学会の会員であること
  • 認定研修機関で5年以上の診療および研究に従事していること
  • 多肢選択式筆記試験に合格していること
  • 認定研修内容の完備(70単位以上取得)
活躍の場 歯科補綴の分野での認定歯科医が活躍する場は、以下の通りです。

  • 大学病院または総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL https://www.hotetsu.com/

一般社団法人 日本障害者歯科学会

「一般社団法人 日本障害者歯科学会」とは、障害者歯科学に関連する研究、教育および診療についての会員の能力向上を目的として設立された学会です。障害者の口腔の健康を維持し、国民の健康に寄与することが目的です。

資格名 障害者歯科専門医
資格取得の条件 障害者歯科専門医の資格のために必要な条件は、以下の通りです。

  • 日本の歯科医師免許を有すること
  • 認定医の申請時において当学会会員であり、かつ申請時点で通算3年以上の学会会員歴を有すること
  • 本学会認定医指導医のもとで、本学会認定医臨床経験施設において、本学会の定めた障害者歯科の臨床経験を修了すること
  • 申請時よりさかのぼって3年以内に本学会学術大会に出席した経験を有すること
  • 本学会の定める実習を含む救急蘇生講習会を受講した経験を有すること
  • 日本障害者歯科学会学術大会での発表または日本障害者歯科学会雑誌への論文掲載の経験を有すること
  • 学会の定める倫理研修会を受講すること
  • 認定医申請料を添えて規定の申請書類を認定委員会に提出すること
活躍の場 障害者歯科認定医が活躍する場は、以下の通りです。

  • 大学病院または総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL http://www.kokuhoken.or.jp/jsdh-hp/html/index.html

一般社団法人 日本老年歯科医学会

「一般社団法人 日本老年歯科医学会」とは、高齢者の保健、介護、医療の進歩または発展をはかり、日本国民の健康長寿に寄与する目的で設立された学会です。認定歯科医、専門歯科医、指導歯科医の3つの分野に分かれて資格を認定しています。

資格名 老年歯科認定医
資格取得の条件 資格認定に必要な条件は、以下の通りです。

  • 日本国歯科医師の免許を有すること
  • 認定医申請時において継続して3年以上本学会正会員であること
  • 研修機関において指導医のもとで3年以上高齢者に必要とされる歯科医療に従事すること、もしくは認定医申請時において本学会正会員歴が継続して5年以上あること
  • 本学会学術大会へ1回以上参加していること
  • 本学会学術大会時の指定研修を3回以上受講していること
活躍の場 認定医の活躍の場は、以下の通りです。

  • 大学病院または総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL https://www.gerodontology.jp/

公益社団法人 日本口腔インプラント学会

「公益社団法人 日本口腔インプラント学会」とは、口腔インプラント学の向上を推進することを目的に設立された学会です。歯科医療界へ安全性の高いインプラント治療技術を導入することで、日本国民の口腔内の健康を促進します。専門歯科医、指導歯科医の認定資格を発行しています。

資格名 口腔インプラント専門医、口腔インプラント指導医
資格取得の条件 専門医の資格取得の条件は、以下の通りです。

  • 公益社団法人 日本口腔インプラント学会の専門医制度規程に定める事項に従うこと
  • 症例数が20症例以上あり、全て上部構造装着から3年以上経過していること(ケースプレゼンテーション症例を含んでもよい)
  • 資格申請時に本学会の会員歴および指定研修施設所属歴が2年以上あること、さらに研修施設の開催する認定研修を修了していることが必要
活躍の場 専門医の活躍の場は、以下の通りです。

  • 大学病院および総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL https://www.shika-implant.org/index.html

一般社団法人 日本顎関節学会

「一般社団法人 日本顎関節学会」とは、さまざまな顎関節疾患についての研究、教育、また診療に関しての専門的な知識と技術の向上を目的として設立された学会です。認定医資格、専門医資格、指導医資格を認定して発行しています。

資格名 認定医、専門医、指導医
資格取得の条件 資格取得のための申請に必要な条件は、ホームページの会員専用ページをご覧ください。
活躍の場 専門歯科医が活躍する場は、以下の通りです。

  • 大学病院および総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL http://kokuhoken.net/jstmj/

特定非営利活動法人 日本臨床口腔病理学会

「特定非営利活動法人 日本臨床口腔病理学会」とは、口腔病理についての学術研究および教育研究活動、臨床活動を行い、日本国民の医療福祉に寄与することを目的に設立された学会です。

資格名 口腔病理専門医
資格取得の条件 口腔病理専門医の資格取得に必要な条件は、公式ホームページをご覧ください。
活躍の場
URL http://www.jsop.or.jp/

一般社団法人 日本歯内療法学会

「一般社団法人 日本歯内療法学会」とは、歯内療法の基礎と臨床を研究し、正しい歯内療法を実践することを目的に設立された学会です。専門医資格、指導医資格を認定し発行しています。

資格名 歯内療法専門医、歯内療法指導医
資格取得の条件 専門医の資格取得に必要な条件は、以下の通りです。

  • 本学会に正会員として5年以上在籍していること
  • 指定された研修の証明、5例の症例報告ならびに2名の専門医または指導医の推薦状を有していること
  • 認定研修施設に常勤として勤務した会員は5年以上、それ以外の会員は7年間の本学会認定臨床研修の履行
活躍の場 専門医の活躍の場は、以下の通りです。

  • 大学病院および総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL https://jea-endo.or.jp/

一般社団法人 日本有病者歯科医療学会

「一般社団法人 日本有病者歯科医療学会」とは、開業歯科医院で対応し得る医学的知識の向上または臨床に直結した全身管理を普及させることを目的に設立された学会です。認定歯科医、専門歯科医、指導歯科医の3つの分野での資格の認定および発行を行っています。

資格名 日本有病者歯科医療認定医・専門医・指導医
資格取得の条件 認定医の資格を取得するためには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 日本国歯科医師の免許を有すること
  • 認定医申請時において、継続して3年以上学会正会員であること
  • 第4章第8条に規定する有病者に必要とされる歯科医療にかかわる研修内容を満たすこと
活躍の場 認定医が活躍する場は、以下の通りです。

  • 大学病院および総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL http://jjmcp.jp/

日本歯科東洋医学会

「日本歯科東洋医学会」とは、世界保健機構(WHO)が加盟国に対して鍼灸療法を現代医療の一環として積極的に取り上げるようにとの勧告を出したことをきっかけに設立された学会です。認定歯科医、専門歯科医の認定と発行を行っています。

資格名 日本歯科東洋医学会認定医・専門医
資格取得の条件 認定医の資格取得のために必要な条件は、以下の通りです。

  • 日本国歯科医師免許を有していること
  • 日本歯科東洋医学会の会員であること
  • 認定研修の必要基準を満たしていること
  • 以上の各号と同等以上の経歴があると認められること、認定委員会の議を経て学会で承認されること
活躍の場 日本歯科東洋医学認定医が活躍できる場は、以下の通りです。

  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL https://jdtoyo.net/

公益社団法人 日本顎顔面インプラント学会

「公益社団法人 日本顎顔面インプラント学会」とは、日本国民にとって安全な、また国民中心のインプラント治療に関する専門的な知識と技術を促進していくことを目的に設立された学会です。専門医、指導医の資格を認定し発行しています。

資格名 専門医・指導医
資格取得の条件 専門医の資格取得に必要な条件は、以下の通りです。

  • 日本国の歯科医師、医師免許を有して、良識ある人格を有すること
  • 5年以上継続して本学会正会員であること
  • 歯科医師または医師の臨床研修修了登録証取得後、本学会の定める研修カリキュラムに従い、研修施設または准研修施設において、通算5年以上、インプラントに関する診療に従事していること
  • 別に定める研修実績、診療実績および論文実績を有すること
活躍の場 認定医が活躍する場は、以下の通りです。

  • 大学病院および総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL http://www.jamfi.net/index.html

一般社団法人 日本口腔腫瘍学会

「一般社団法人 日本口腔腫瘍学会」とは、口腔領域に発生する腫瘍の診断と治療および予防について研究し、医療の進歩と国民の保健福祉の増進に寄与することを目的に設立された学会です。専門医、指導医の資格の認定および発行を行っています。

資格名 口腔がん専門医
資格取得の条件 口腔がん専門医の資格取得に必要な条件は、以下の通りです。

  • 日本国の歯科医師免許または医師免許を有すること
  • 日本口腔外科学会認定口腔外科専門医であること
  • 指定研修施設において、所定の研修カリキュラムに従い、専門医制度施行細則に定める期間以上の研修を行っていること
  • 日本がん治療認定医機構が定めるがん治療認定医(歯科口腔外科)またはがん治療認定医であること
  • 口腔外科専門医取得後3年以上、口腔顎顔面領域の外科の臨床経験があること
  • 申請時において、引き続き3年以上本学会会員であること
  • 専門医制度施行細則に定める業績を有すること
活躍の場 口腔がん専門医が活躍する場は、以下の通りです。

  • 大学病院および総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL https://jsoo.org/

一般社団法人 日本口腔顔面痛学会

「一般社団法人 日本口腔顔面痛学会」とは、口腔顔面痛に関する臨床医学と基礎研究の発展のために組織された学会です。口、顔、頭の領域の痛みに関する幅広い学識と高度な専門的技能を有する歯科医師、医師の養成をはかり、口腔顔面痛医療の発展と向上ならびに国民の保健福祉の寄与を目的としています。認定医、専門医、指導医の3つの分野で資格を認定し発行しています。

資格名 口腔顔面認定医・専門医・指導医
資格取得の条件 口腔顔面認定医の資格取得に必要な条件は、以下の通りです。

  • 日本国の歯科医師または医師の免許を有していること
  • 当学会に入会後、2回以上学術大会に参加していること
  • 当学会専門医制度等施行細則に定めた基準に従い、所定の研修を行っていること
  • 30例の口腔顔面痛症例の一覧を提出すること
  • 筆記試験に合格すること
活躍の場 口腔顔面認定医が活躍する場は、以下の通りです。

  • 大学病院および総合病院
  • 開業医
  • 勤務医(常勤・非常勤)
URL https://jorofacialpain.sakura.ne.jp/

まとめ

この記事では、各団体が認定・発行している18の歯科専門医についてご紹介しました。
キャリアアップ・スキルアップを考えている歯科医師の方は、自分がどの分野を極めたいかを選択するためにも参考にしてください。

患者さんは自身の疾患や痛みに不安を抱えているため、正しく治してくれる歯科医師を探しています。求めている治療・技術に特化している専門医であることは患者さんにとって安心材料の一つです。正しくアピールすることで集客(集患・増患)効果につなげましょう。

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Y・NISHINA

執筆者

Y・NISHINA

株式会社ITreat

Webディレクター/サブリーダー

化粧品販売、制作会社、建設会社を経て2020年に株式会社ITreatへ入社。未経験からWebディレクターへ転身。現在は、病院・クリニックや一般企業のサイト制作におけるディレクション業務をはじめ、クライアントの採用業務のサポートなどを担当。

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