歯科医院開業に必要な資金と失敗しないための準備や成功のポイント
公開日:2024/05/14
歯科医院を開業するために、前もって手続きの流れを把握しておく必要があります。開業を検討している歯科医師の先生の中には、「開業に向けて具体的にどう進めていけばいいのか」「また開業に伴う失敗のリスクには何があるか」などの疑問や不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、新規開業を検討している方に向けて、開業までの流れや開業のタイミング、必要な手続きや、失敗する歯科医院に見られる共通点、安心できる安定経営を実現するための対策方法についてご紹介します。
歯科医院の開業タイプ
歯科医院を開業するにあたり、保険診療をメインとするのか、自由診療をメインとするのかを決めておく必要があります。そして、診療科には、「歯科」「矯正歯科」「小児歯科」「歯科口腔外科」などがあり、歯や口元を美しくすることに焦点を当てた「審美歯科」もあります。歯科医院によっては、複数の診療科を運営するところもあります。
保険診療メイン
保険診療は、医療費が安く多くの患者さんが利用するというメリットがあります。しかし、保険診療は、国によって費用が定められており、費用が安く抑えられてしまうデメリットもあります。そのような理由から、保険診療をメインとしながら、部分的に医療費を歯科医院側で決められる自由診療を取り入れている歯科医院が大半を占めています。
自由診療メイン
自由診療は、保険診療では認められていない高度な機材を使う高度な治療が可能です。医療費も歯科医院側で決められるため、高単価であることが大きなメリットです。しかし、医療費が高額になるため、集客(集患・増患)という点で課題があります。それでも歯科医院の中には、自由診療に限定して運営しているところもあります。
矯正歯科
矯正歯科は、基本的に自由診療となり、歯並びを矯正することを専門にした診療科です。一般的に、矯正歯科での診療期間は長期になるため、患者さんとの関係も密接になりやすいといった特徴があります。矯正歯科を専門とした歯科医院は多く存在しますが、その中には、矯正歯科を専門としながら一般的な歯科診療も行っているところもあります。
小児歯科
小児歯科は、乳歯から永久歯に入れ替わるなどの成長期にある子どもの歯を専門に治療する診療科です。子どもの歯の治療では、大人の歯の治療と異なる技術が必要となるため、専門的な技術が求められます。そして、小児歯科は、治療において子どもの恐怖心を和らげるための工夫も求められることから、治療技術だけでなく特殊な分野の診療科であると言えます。
歯科口腔外科
歯科口腔外科は、顎関節症や口内炎そして親知らずの抜歯など、他の一般の歯科では扱いにくい症状の治療を行う診療科です。口腔内だけでなく、その周辺の病気や外傷の治療もこの診療科で行います。口腔がんの治療は、歯科医院での治療よりも病院の歯科口腔外科で行われることが一般的です。
審美歯科
審美歯科は、審美を目的とした診療科で、歯を白くしたり歯並びを良くしたりなどの、歯や口元の美しさに焦点を当てた治療が中心的に行われます。審美歯科では、保険が適用されないため自由診療となります。なお、「審美歯科」は医療広告ガイドラインにおいて広告が制限されているため、ホームページを利用して診療内容を伝えたい場合は、医療広告ガイドラインに精通したWebの制作会社に相談しましょう。
歯科医院を開業するまでの流れ
歯科医院を開業するまでの流れを考えてみましょう。歯科医院を開業するためには、いろいろな工事や行政手続きが必要です。一つ一つの作業には時間がかかります。ですから事前に、開業日から逆算して綿密なスケジュールの調整を行っていきましょう。
歯科医院を開業するまでの主な流れ
- 開業(運営スタイル)の検討
- 開業地の選定
- 物件・テナントの契約
- 具体的な事業計画(事業計画書)の作成
- 歯科医療機器の選定・購入
- 採用活動(スタッフ募集)
- 保健所への申請
- 保健所による検査
- 集客(集患・増患)するための広告・宣伝
開業(運営スタイル)の検討
まず、歯科医院を開業するためには、始めようとしている歯科医院の診療内容や医院の規模を検討する必要があります。保険診療と自由診療のどちらをメインとするか、矯正治療を行うのか、小児歯科も対応するのかなどを決めます。また複数の診療科を同時に運営していく場合、自分以外に何人ぐらいの歯科医師を雇う必要があるのか、歯科衛生士や歯科助手は何人雇う必要があるかも検討します。
開業地の選定
歯科医院の運営スタイルを決めたら、次に開業エリアを決めます。運営スタイルに合わせた場所や立地を選びます。例えば、小児歯科を専門に扱うのであれば、ファミリー層が集中している場所、ホワイトニングなどをメインに扱うならば、ショッピング街のような場所が良いとされています。
物件・テナントの契約
自分が開業したい診療スタイルに合った開業エリアを選定したら、次は物件・テナントの契約です。開業場所の物件を探す際、いろいろな要素を考慮します。例えば、歯科医院の規模を念頭に置いて、どのくらいの大きさの場所が必要か、また立地に対してターゲットにしたい患者さんのアクセス条件の良し悪しなども考慮に入れます。また、郊外であれば駐車場も必要になるかもしれません。建物の清潔さや管理状態なども考慮し、開業に向けてベストな物件を選びます。
具体的な事業計画(事業計画書)の作成
開業場所を決めたら、次は事業計画書の作成です。事業計画書には、必要な経費や借入金額、そして毎月の売り上げ目標や返済額などを視覚化する目的があります。例えば、必要な経費には、開業場所の家賃、人件費や水道光熱費のほかに、歯科診療ユニットや診療設備、広告宣伝費や内装、また看板などの開業初期費用も含まれます。そして、実現可能な売り上げ(収益)目標を立て、月々の返済額がいくらになるのかも計算します。
歯科医療機器の選定・購入
事業計画書を作成したなら、次に歯科医療機器を購入します。歯科医院には、多くの歯科医療機器が必要です。例えば、ユニットチェア、バキューム、コンプレッサー、CT・レントゲンやオートクレーブ(滅菌器)などの機器を経費と必要に応じて購入します。歯科医院によっては、開業時に必要最低限の歯科医療機器を揃え、必要に応じてリースなどをして徐々に充実させていく方法を取るところもあります。
採用活動(スタッフ募集)
歯科医療機器を購入したら、次に歯科医院の医療スタッフを募集します。スタッフの中には、診療科に合った専門歯科医、そして歯科衛生士や歯科助手、また技工室を併設させる場合は歯科技工士も必要になります。スタッフの募集と採用は、前もって準備し、計画的に行っていくことで、有能なオープニングスタッフとともに診療を開始できます。歯科医院のオープニングスタッフの募集は、転職サイトを利用したり、開業の半年くらい前からプレオープンサイトを作成し募集をかけるとよいでしょう。
保健所への申請
そして、歯科医院開設に向けてスタッフの募集と採用を行ったら、診療曜日や診療時間などの細かい内容を記載した「診療所開設届」を提出する必要があります。この診療所開設届は、歯科医院が所在する管轄の保健所に開業日から10日以内に提出します。開業日とは、初めて診療を行った日ではなく、診療業務を行える状態になった日のことです。
保健所による検査
診療所開設届を保健所に提出したら、保健所によって歯科医院の実地検査が行われる場合があります。実地検査では、設備の安全性や法令が守られているかどうかが検査されます。検査に通ると、歯科医院開業のための「保険医療機関指定」の申請を地方厚生局に行います。指定医療機関コードが発行されると、医療活動を行えるようになります。一般的に、保健所への届出から承認、コードの発行までに3か月ほどの時間がかかります。ですから事前に開院日から逆算して、スケジュールに余裕を持って届を出すことが必要です。
集客(集患・増患)するための広告・宣伝
ここまで来たら、あとは患者さんを集めること、つまり集患(集客)です。患者さんを集めるには、インターネットなどで検索して歯科医院を探す人が多いので、歯科医院のホームページを開設することも効果的です。さらに、最近では開業前に、歯科医院の内覧会を開催するところも増えています。内覧会を地域の人に向けて開催することで、口コミなどによって患者さんを増加させることを期待できます。
歯科医院の開業には専門医の資格があると◎
以前から、運営スタイルに合わせて患者さんのターゲットを絞り医院設計などを行っている歯科医院はありました。しかし、近年において、開業時から人気の歯科医院の特徴は、その歯科医院に専門医がいて、その専門性を前面に打ち出して運営しているところです。つまり、その道のプロが診察を行ってくれる歯科医院が人気を集めています。
どのような専門性を追及するかも考慮する必要がありますが、重要なのは専門性をアピールすることです。専門医の資格を開業前に取得することで、開業時の不安定な時期の安定性につながっていると考える歯科医院も数多く存在します。
ただし、広告できる資格名は医療広告ガイドラインによって限られています。現在、広告が可能な専門医は以下に限られるため注意が必要です。
広告が可能な歯科医師の専門性資格
- 日本口腔外科学会 口腔外科専門医
- 日本歯周病学会 歯周病専門医
- 日本歯科麻酔学会 歯科麻酔専門医
- 日本小児歯科学会 小児歯科専門医
- 日本歯科放射線学会 歯科放射線専門医
▼出典:医療に関する広告が可能となった医師等の専門性に関する資格名等について(厚生労働省HP)
https://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0627-1.html
歯科医院を開業するタイミングとは
歯科医院を開業するタイミングはいつなのでしょうか。開業するタイミングは人それぞれですが、一般的な考え方は次のとおりです。
一つ目の点は、歯科医師としての経験です。勤務医としていくつかの歯科医院で経験を積み、歯科医として技術面でも円熟したころに開業するとベストかもしれません。例えば、技術面での円熟に関しては、現在の勤務先で一日あたり必要相当数の患者さんの治療に当たることができたり、一か月の保険点数が必要相当数に達することができれば、開業しても安定した運営につながります。
二つ目の点は、開業に関しての環境と条件です。立地条件に見合った歯科医院のイメージが明確化されているかどうかは重要です。さらに、現地での歯科に関する保険制度に精通していることも大切です。保険平均点数制度や歯科助手や歯科衛生士の求人制度も把握しておく必要があります。このように、開業するタイミングには、開業する立地特性を理解できていることが重要になってきます。
三つ目の点は、将来のビジョンの明確化です。事業計画や自己資金をきちんと描けているでしょうか。例えば10年、20年先の自分が目指したいと思う歯科医院をイメージできるでしょうか。年間の売り上げはどのくらいですか。自分が思い描くビジョンが自己資金と調和しているでしょうか。このように、開業に向けて自分の歯科医院像が描けるかどうかでも開業のタイミングが変わってきます。
歯科医院の開業に必要な資金や手続きなどの準備
歯科医院を開業するにあたって、どのくらいの資金が必要なのでしょうか。どのような手続きが必要なのでしょうか。歯科医院開業において必要な資金や手続きについて考えてみましょう。
資金面・費用面
歯科医院の開業に必要な資金は、一般的に5,000万円程度と言われています。内訳は、診療用機器の購入、そして歯科医院の内装工事費用、また賃貸物件の保証金や前家賃、広告宣伝費などに4,000万円ほどかかります。さらに、開業してから運営が安定するまでの期間の運営資金として1,000万円ほど必要とされています。
必要な手続き
まず「診療所開設届」を、開業したい歯科医院がある地域を管轄する保健所に提出しなければなりません。この手続きは、歯科医院開設後10日以内に提出することが求められていますが、書類に不備があったり診療所が何かの問題で指定された規準を満たすことができていない場合は、診療所開設届が受理されず開業を遅らせなければならなくなる可能性があります。「診療所開設届」を提出する時には、次の書類の提出も求められます。
- 「管理者の歯科医師の臨床研修修了登録証の写し及び免許証の写し」
- 「管理者の履歴書」
- 「診療に従事する、歯科医師の臨床研修修了登録証の写し及び免許証の写し」
- 「業務に従事する歯科衛生士等の免許証の写し」
- 「土地又は建物の賃貸契約書の写し」
- 「敷地の平面図」
- 「敷地周辺の見取り図」
- 「建物の平面図」
- 「ビルのテナントの場合は利用する階全体の平面図」
- 「エックス線診療室放射線防護図」
「診療所開設届」の提出後、歯科医院を管轄する地域の保健所が歯科医院を実査し、届出と内容が一致するかどうかを確認します。詳細は事前に、管轄している保健所に確認しましょう。
「診療所開設届」の他に、「保険医療機関指定申請書」の提出も必要です。「保険医療機関指定申請書」の提出は、厚生局に行います。「保険医療機関指定申請書」の提出の他に、以下の書類の提出も必要です。
- 「診療所開設届の副本または受理証明書」
- 「保険医登録票の写し」
- 「開設者の歯科医師の写真を貼付した履歴書」
- 「診療に従事する歯科医師の免許証の写し」
- 「敷地の平面図」
- 「建物の平面図」
- 「見取り図」
- 「エックス線診療室放射線防護図」
詳細は事前に、管轄する厚生局に確認しましょう。
管轄の税務署での手続きもあります。税務署への必要な手続きは次の通りです。
- 「個人事業の開業・廃業等届出書(開業から一か月以内)」
- 「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」
- 「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」
- 「青色申告承認申請書(開業から二か月以内)」
- 「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」
そして、「個人事業開始申告」を都道府県税務署に提出する必要もあります。
詳細は、事前に管轄する税務署、そして都道府県税務署に確認しましょう。
開業に失敗する歯科医院に見られる5つの共通点
開業に失敗しないために何ができるでしょうか。歯科医院を運営していくにあたり、ありがちな失敗の要因を5つ見てみましょう。
- 開業前の事前調査が不十分である
- 資金面での見通しが甘い
- 他の歯科医院との差別化ができない
- 運営者としての視点が足りない
- コンサルタントに必要以上に頼る
開業前の事前調査が不十分である
開業前の事前調査が不十分だと失敗する可能性が大きくなります。自分の開業したい歯科医院の運営スタイルに合わせた開業エリアや開業場所を選択しなければなりません。例えば、周辺地域に、自分のライバルとなる歯科医院がどれほど開業しているのか、また周辺地域の人口や住民の年齢層、またタイプなどの事前調査が必要です。
▼引用:医療施設調査・病院報告の結果の概要(厚生労働省HP)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1a.html
資金面での見通しが甘い
資金面での見通しが甘いと失敗する可能性が高くなります。歯科医院の運営には多額の費用が必要になるため、事前に良く計画しておく必要があります。月々の固定額や返済額、そして1日の来院数や単価なども事前にしっかりと事業計画を立てておく必要があります。
他の歯科医院との差別化ができない
歯科医院の数はコンビニよりも多いと言われ、国内の総人口が年々減っていることもあり患者さん獲得競争は日に日に激化しています。ライバルの歯科医院との差別化ができていなければ、患者さんの獲得競争に勝つことはできません。自院の強みを活かし競合である歯科医院と差別化ができていれば、患者さんも集まりやすくなります。
経営者としての思慮が足りない
歯科医院を開業するのも、会社経営と何ら変わりません。経営の知識や思慮が足りないと、歯科医院の運営は苦しくなってしまいます。どうすれば患者さんが来院してくれるか、またどのように経費を上手にやりくりできるといった視点も大切ですが、経営者としてどのようにスタッフと接するかも大きなポイントとなってきます。患者さんには低姿勢なのに、スタッフには威張って接する経営者の元からは、次第に有能なスタッフが去っていくのが現実です。
コンサルタントに必要以上に頼る
歯科医院の開業にあたって、開業コンサルタントに相談することもあるでしょう。経験豊富で、歯科医院の開業に関していろいろなアドバイスを与えてくれます。しかし、開業コンサルタントに開業後も相談できるわけではなく、歯科医院開業後は運営者が自分で経営的な判断をしていかなければなりません。開業コンサルタントにまかせっきりでは、歯科医院の運営は成り立ちません。
歯科医院の安定経営を実現させる4つのポイント
では、安定経営させていくにはどうすればいいのでしょうか。歯科医院を安定経営させていくために必要な要素を4つ見てみましょう。
- ベストな開業場所を選定する
- 専門職のスタッフの確保する
- 自由診療の割合を増やす
- 新規患者数を増やす
ベストな開業場所を選定する
前述したように、運営スタイルに合わせて開業エリア・開業場所を選ぶ必要があります。開業を考えるうえで自身の運営スタイルを固め、開業エリアや場所を選択することは安定経営に繋がります。
専門職のスタッフの確保する
歯科衛生士や歯科技工士をはじめとする専門職のスタッフの確保は、歯科医院を安定経営させていく上での課題となっています。
小児歯科に注力し、ファミリー層を獲得したい場合は保育士も必要となるでしょうし、口腔ケアや栄養指導にも取り組んでいく場合は、管理栄養士や栄養士を確保する必要があるでしょう。
自由診療の割合を増やす
保険診療に加えて自由診療の割合を増やすことも安定経営に繋がります。自由診療の割合を増やすには、歯科医院の設備や診療メニューを充実させるほか、広告活動を充実させる必要があるでしょう。
新規患者数を増やす
一度来院してくれた患者さんも、様々な理由により継続して通っていただけるとは限らないため、新規の患者さんも常に意識し増やしていく必要があります。新規患者数を増やすには、地域のニーズや移り変わるトレンドに合わせて、治療方法を提案する必要があるでしょう。加えて、他の医院に埋もれないよう常に医院をアピールするため、ホームページやSNSを活用して情報を発信する必要もあります。
歯科医院の開業に求められるスキルとパートナー
歯科医院を開業し成功に導くには、経営者側にさまざまなスキルが求められます。さらに、開業に関してさまざまなパートナーと連携することでベストな準備を行なうことが可能です。どんなスキルが求められるのか。開業に必要なパートナーと合わせて見ていきましょう。
開業に必要なスキル
開業に必要なスキルには何があるでしょうか。具体的に求められている主なスキルの幾つかを見ていきましょう。
リストのタイトルを入力してください。
- 歯科医師としての技術
- コミュニケーション能力
- マネジメント力
- 保険制度の知識
- 経理・税務の知識
開業に必要なスキルには、歯科医師資格(免許)を保有して歯科医師としての技術・経験が必要なことはもちろん、クリニックのトップとして経営やマネジメントの分野にまでそのスキルの幅は及びます。
歯科医院を開業して経営を安定させるには、歯科医師1人の力では達成できません。同じ方向を見据え、共に働くスタッフと一丸となって成し遂げられるものです。患者さんが気持ちよく治療が受けられるよう、スタッフの教育をはじめとした働きやすい環境づくり。コミュニケーション能力やマネジメント力も重要になってきます。
また、保険制度や経理・税務への理解や知識も必須です。診療報酬点数の配分は国によって定められる傾向にあります。保険収入の安定や、高額な医療機器を揃えるための税金対策が安定経営には求められるでしょう。
開業に必要なパートナー
さまざまなパートナーと連携していくことで、歯科医院の開業をスムーズに行えます。どんなパートナーが開業に必要なのでしょうか。
- 税理士(納税関連の代行や相談を受けてくれる)
- 社会保険労務士(人事、労務、雇用、年金などの相談を受けてくれる)
- ディーラー(医院で使用する機器などを提案してくれる)
- 歯科医院専門のコンサルタント(開業や経営などの相談を受けてくれる)
税理士は、納税関連はもちろん、資金の調達や各種申請のサポート、将来を見据えた投資のアドバイスを受けられる場合もあります。
社会保険労務士は、人事や労務だけでなく、社会保険の加入手続き、スタッフの労働環境に関するアドバイスなどが受けられます。
ディーラーは、クリニックに導入する最新機器の紹介や、歯科業界に関する情報を提供してくれ、良好な関係を築くことで色々なメリットが望めます。
コンサルタントは、歯科に関する開業や経営・マーケティングに関するサポート・コンサルティングを受けることができます。これまでの実績や経験を確認して検討しましょう。
まとめ
歯科医院を開業するには、いろいろな問題を乗り越えていかなければなりませんが、大切なのは、開業前に運営ビジョンを明確にすること。そして、事業計画や資金計画を具体的に描いて決定することです。計画とシミュレーションが重要です。
ほとんどの方が勤務しながら開業に向けた準備をされると思います。まずは、ベースとなる基本的なプランを立て、忙しい中でも計画がブレないよう進めていくことが大切でしょう。
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執筆者
株式会社ITreat
Webディレクター/リーダー
大手求人情報誌のデザイナー、インハウスのWebデザイナーを数年経験。Webディレクターに転身後、Web事業を展開している上場企業を経て、2019年に株式会社ITreat入社。現在は病院・クリニック・リハビリ施設サイトのディレクションを担当。社内外のSEO対策にも従事。
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