失敗例から考えるクリニック開業時のホームページ制作のポイント7選

新規開業

最終更新日:2024/06/24

公開日:2024/06/13

Facebookでシェア Twitterでシェア はてなブックマーク LINEでシェア Pinterestでシェア

クリニックの開業時には、ほぼ必ずホームページを作成することになります。
ホームページは医療機関の顔とも言えるため、その制作は非常に重要です。しかし、残念ながらホームページ制作の失敗例が数多く存在するのも事実です。

というのも、弊社では「ホームページを作り変えたい」という先生からのご相談を多くいただいております。そのご面談の中で「最初に作ってもらった業者が外れだった」というようなお声を聞く頻度が非常に高いのです。

本記事では、ホームページ制作の計画段階から制作会社の選定まで、失敗例を踏まえた7つのポイントをご紹介します。これから開業される先生がたのお役に立ちますと幸いです。

失敗例① SEOに関する提案が何も無い

先生の声
「デザイン重視でホームページの業者を選びました。ホームページの見た目は、想像以上の物が出来上がって、妻ともども喜んでいたのですが、ホームページを公開したあと、地域での検索順位が全く上がってこず、肝心なアクセス数が全く伸びません。
制作会社の担当者に聞いたところ、公開してすぐのタイミングだと、なかなか上がらないとのこと。正直、なんのために作ったホームページなのか・・・」

クリニックのホームページは、基本的にはGoogleやYahooといった検索エンジンからの流入がほとんどになります。
つまりSEO対策がなされていない場合、せっかく作ったホームページに患者さんがやってこないという、本末転倒な結果を迎えます。

きちんとSEOに関する実績と対策を聞きましょう!

業者を比較するタイミングで、SEO対策に関する考え方や、その制作会社の過去の実績を必ず聞くようにすることが重要です。
どんなキーワードで、どのくらいの期間で、どれくらい順位が上がったのか、実績を聞くことで、SEOに対する知見がない会社をフィルタリングすることができます。

失敗例② 月額費用が高すぎる

先生の声
「契約時は気づかなかったのですが、ホームページの月額費用が一般的な相場を大きく超えていました。知り合いの先生に聞いたら、私が払っている月額保守料の5分の1ほどの金額しか払っていませんでした。高額な割に、月々のサポート内容も満足なものではなく。また、年数の縛りがついていて、すぐに解約できない契約になっていました。」

特に手厚いサポートを受けている場合を除いて、一般的には、月額保守料は5,000円〜20,000円の間に収まるかと思います。しかし、月に5万円払っている、8万円払っているといった先生にもお会いしたことがあります。初期費用とは異なり、ずっと毎月かかり続けるランニングコストですので、きちんと見極めて適正な金額の業者と契約したいものです。

3社くらい相見積もりを取り、毎月のサポート内容をきちんと比較する!

高額な費用を払っている先生のお話を聞くと、知り合いに紹介してもらった1社だけで決めているケースが多いです。
相場が分かりづらい世界ですので、3社くらいに相見積もりをとることがまずは重要です。(セカンドオピニオンが必要でしたら、ぜひ弊社にご相談ください。)当然ですが、安ければ良いというものでもありませんので、毎月何をやってくれるのかを確認して、比較検討したうえで業者を選定してください。

失敗例③ 修正対応が遅い

先生の声
「ホームページを公開するまでは、とても親切に細やかに対応してくれていたのですが、公開後のサポートが非常に悪いように感じています。というのも、ちょっとした文字の修正や画像の差し替えを依頼すると、返事があるまでに3日以上かかることが多く、依頼してから修正が完了するまで2週間ほどかかることもあります。忙しいのは分かるのですが、毎回毎回この状況だと・・・」

先生方からよくご相談いただくのは、制作会社に修正の連絡を入れてから反映されるまでの時間が長すぎる、というものです。
当然、制作会社には繁忙期とよばれる時期があるので、常に即対応するのを求めるわけには行きません。しかしながら、依頼してから対応完了まで3日以上かかることが多い場合、医院経営にも支障をきたしかねません。

あらかじめ、スピード感を確認

なかなか予防策が難しいですが、「例えば、簡単な文字修正を依頼したときに、通常どれくらいで対応してくれますか?」などと事前に質問するのが良いでしょう。スピード感の良い会社ですと「それくらいでしたら、当日中か、あるいは翌営業日には対応完了します」などと返してくれると思います。

失敗例④ 解約できない、契約期間に縛りがある

先生の声
「ホームページの成果がなかなか思うように行かないし、月額の利用料が高いので、他の会社に乗り換えようと思って、管理会社に連絡すると、契約期間に縛りがあったんです。なんでも、契約から3年以内に解約する場合は、違約金が発生するとのこと。違約金がかからなくなるまでに、まだ1年以上先もあって困っています・・・。」

通常契約時に説明があったのだと思いますが、特に新規開業時は同じような契約書が山ほどあるので、特に認識せずに決めてしまうことが多いですよね。

「契約期間」「違約金の有無」は必ず確認

ホームページの会社を変えられないのはとてもリスキーです。契約期間と違約金の金額は、必ず確認しましょう。
体感ですが、良い制作会社は契約期間に縛りを設けないことが多いように感じています。お客様とのトラブルが多い会社ほど、保険を設けるのです。

失敗例⑤ 集患に役立っているかどうか分からない

先生の声
「きれいなホームページなんだけど、毎日診療していてもホームページ経由の患者さんが少ないような気がしています。制作会社に聞いてみても、具体的な数字を提示してもらえず、100万円以上かけて作ったのが、果たして正解だったのか・・・。」

ホームページは、チラシや道路看板と違って、サイトの成果を数字で具体的に確認できるツールです。
本来は、アクセス数だけでなく、電話が鳴らされた回数や予約フォームがタップされた回数、検索エンジン経由なのかGoogleマップ経由なのか、などを細かく分析することができます。

どれくらいの頻度で、どのようなデータを提供してもらえるかを確認

制作会社によって、アクセス解析の報告の頻度やクオリティが異なります。中には、データを提供しない業者も存在します。
契約前に、これらのアクセス解析に関するサポート内容を確認するようにしましょう。サンプルのレポートを見せてもらうのもGood!

失敗例⑥ ホームページに関する業務が大変すぎる

先生の声
「開業前の非常に忙しい時期に、ホームページの制作を依頼した業者から、『ホームページに掲載する原稿を作ってください』と連絡があった。メールを見ると空(から)のWordファイルが添付されており、すべてのページの原稿をゼロから作らなければならなかった。ある程度こだわって作るつもりだったが、執筆時間が満足に確保できず、部分的に中途半端なサイトになってしまった。」

ホームページを作るうえで、お客様側に最も負担がかかってしまうのが、「原稿の制作」になります。
原稿制作の進め方は、会社によって千差万別で、ヒアリングしたうえである程度雛形となる文章や構成を提案してもらえて、先生が加筆修正だけをすれば良いケースもあれば、まったくゼロから書かなければならないところもあるようです。

ホームページを作る過程での作業負担を確認しましょう!

このような失敗をしないためにも、業者を見極めるタイミングできちんと「原稿はゼロから書かなければならないか?」「文章はどこまで作ってもらえるか?」などの作業負担がどれくらいになるのかを確認したほうが良さそうです。
一方で、先生側がまったく手を入れない状態のサイトだと、オリジナリティにかけてしまいますので、きちんと自分の言葉に置き換える作業は必要になるでしょう。

失敗例⑦ 医療広告ガイドラインに引っかかった

先生の声
「ホームページ制作会社の選定は、コンサルにまかせていて、特に気にしていませんでした。また、とてもスタイリッシュなウェブサイトができましたので、むしろ満足していました。ところが、突然保健所から通達がきて、こだわって作った症例紹介のコンテンツがまるごと医療広告ガイドラインに抵触しているとのこと。業者に頼んで削除してもらいましたが、とても悔しい思いをしました。」

厚生労働省から発表されている医療広告ガイドラインは、非常に項目が細かく、専門家でないとなかなか全体の理解が難しいと思います。また、年に数回アップデートされるので、最新の情報をキャッチアップしておくことも必要になります。

医療業界に長けた制作会社に依頼する

全国にWeb制作会社は山ほどありますが、その中でも医療機関に特化した制作会社を選ぶことをおすすめします。
医療機関に特化していれば、基本的には最新の医療広告ガイドラインを理解しており、抵触する可能性がある表現については、制作途中で教えてもらえることがほとんどでしょう。

まとめ

特に、はじめて医院を経営する場合、業者選びのノウハウを持ち合わせていないため、失敗しがちです。
ホームページ制作会社業者選びのポイントをまとめると、次のとおりです。
・相見積もりをとりましょう
・SEOに関する実績と具体的な取り組みを聞きましょう
・修正に関する対応スピードを確認しましょう
・契約期間と違約金の有無を確認しましょう
・公開後のアクセス解析に関する方法を確認しましょう
・医院側の作業負担を確認しましょう
・医療業界に特化した会社から選びましょう

クリニック経営において、ホームページは重要な役割を果たすことになります。どの制作会社に伴走してもらうか、上記のポイントを意識しながら選んでいただくことで、リスクを減らすことができるかと思います。

D・MIZUNAGA

執筆者

D・MIZUNAGA

株式会社ITreat

執行役員・Webディレクター

大手人材系企業で医療業界のキャリアコンサルタントとして勤務したのち、ITベンチャーへ転身。現在は株式会社ITreatの執行役員として、主に病院やクリニックのWebサイト制作、採用課題の解決、SEOコンサルティングを行う。キャッチコピーは「関わるすべての方とのWin-Winを作る」。

menu メニュー
電話お電話 お役立ち資料お役立ち資料 無料見積もり無料見積もり