オンライン学会とは?基本情報から開催時の注意点まで徹底解説!

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最終更新日:2024/04/26

公開日:2022/10/13

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新型コロナウイルス感染症により開催が増えたオンライン学会。すでに多くの学会がオンラインで開催されているため、参加したことがある方もいるのではないでしょうか。では、開催する側になった場合、オンライン学会を開催するには何が必要なのでしょうか。

この記事では、オンライン学会のメリットとデメリット、開催への準備、そしてオンライン学会で使えるサービスやツールをご紹介します。実際の事例も交えて紹介しますので、オンライン学会開催を考えている方は是非、参考にしてください。

オンライン学会とは?

オンライン学会とは、どのようなものなのでしょうか。通常の学会は、会場を用意して主催者や視聴者を現地に集め行うものです。しかし、オンライン学会は、開催場所をオンライン上に移行し、ライブ配信などの手段を活用して行われる学会のことです。

オンライン学会では、登壇者も視聴者もそれぞれの自宅や医院または勤務先から、Zoomなどのビデオ会議ツールを通して学会に参加します。
登壇者はスライド資料などを画面共有しながら発表を行い、視聴者はパソコン・タブレット・スマホなどの任意の端末で受講します。質疑応答は主に、ビデオ会議ツールの投票機能やQ&A機能などを用いて行われます。

オンライン学会のメリットとデメリット

オンライン学会のメリットとデメリットには、どのようなものがあるでしょうか。

オンライン学会のメリット

まず、オンライン学会のメリットについて見てみましょう。オンラインで開催するメリットの一つに「コスト削減」があります。オンライン学会は、遠隔地からの参加も容易になり、移動や宿泊などにかかる費用を大幅に削減することが可能です。会場や設備にかかる費用はもちろん、当日の人件費やポスターや学会のプログラムなどの印刷費などにかかる費用も削減できます。
さらに、オンライン学会のメリットには「会場のキャパシティに縛られずに開催」できることがあります。通常の現地開催の学会では、会場のキャパシティ(収容可能な人数)を考慮して開催を計画しなければなりませんが、オンライン学会であれば必要ありません。収容人数の上限を気にせずに、より多くの視聴者を募ることが可能です。ただし、使用する配信ツールによっては視聴者の人数に上限が定められているものもあるので、事前に確認しましょう。
感染対策」も大きなメリットの一つです。現地に行かなくても、自宅や勤務地(会社、大学、病院、クリニック)、さらには海外からなど遠隔で参加することができます。会場までの行き帰りなど、あらゆる接触機会を減らすことができるため、視聴者にとっても最適な感染対策でしょう。

オンライン学会のデメリット

オンライン学会のデメリットについて見てみましょう。学会をオンラインで開催するデメリットには「視聴者同士での交流が希薄になりやすい」という点があります。オンライン学会では、通常の現地開催の学会と比べて、視聴者同士での1対1の直接会話を行う機会はほとんどありません。そうなると、研究発表後の深い技術討論などがしづらく、他の視聴者たちと議論を深めたり交流して人脈を広げたりすることが難しくなります。
他にデメリットとして挙げられる点は、通常の現地開催の学会と比べると、同じ会場に多くの人が集まることがないので臨場感に欠け、実技を伴なう講座の実施に迫力を欠いてしまうという懸念点もあります。

オンライン学会の準備と開催の注意点

前述した通り、オンライン学会には多くのメリットもあればデメリットもあります。オンライン学会の良さを活かしつつ開催する必要があるでしょう。オンライン学会を開催するための準備と注意点を見ていきましょう。

オンライン学会の開催規模

オンライン学会と言っても、開催期間や視聴者数などさまざまです。1日限定で行われるオンライン学会もあれば、数日間にわたって行われるオンライン学会もあります。さらに視聴者数においても、数百人から数千人に及ぶ規模で行われるオンライン学会もあります。
オンライン学会の開催期間や視聴者数の規模がさまざまなため、その規模に適した準備を行いましょう。

オンライン学会の運営で求められること

オンライン学会の運営に求められていることは何でしょうか。大事なポイントはオンライン学会のデメリットをいかに解消できるかにあります。

オンライン学会では、発表者がオンラインで発表するだけでなく、その発表を聞いている視聴者も質問や議論をすることで参加できる環境が求められています。たとえば、オンライン学会中にチャットを用いて質問や会話ができるようにしたり、オンライン学会中に懇談会タイムを設けたりする工夫もできます。
また、Zoomなどのツールには自分の感情を絵文字やアイコンで表現できる「リアクション」という機能が備わっています。ボタン1つで手軽に意思表示ができ、さらに他視聴者のリアクションもリアルタイムに自分の画面に表示されるため、実地開催のような一体感を演出することができます。

工夫し、視聴者の満足度を上げることができる運営が求められます。

オンライン学会の運営体制

オンライン学会の運営体制について考えましょう。オンライン学会では、通常の現地開催の学会と同じようにオンライン学会実行委員会を立ち上げ運営体制を整えることが必要です。実行委員会を立ち上げることで、準備からオンライン学会当日にかけて万全な体制を整えます。

運営体制には、トップに実行委員長などの学会全体をまとめるリーダー的な立場があります。さらに、オンライン学会の運用においては、集客に力を入れるための広報担当を発足させることも重要です。学会の公式ホームページの作成や、オンライン学会の案内のためのポスターやチラシ、パンフレットを作成したりします。

これらの運営体制は、学会の実行委員がすべて担うこともあれば、オンライン学会運営の専門業者に依頼することも可能です。オンライン学会の運営体制は、学会によって異なるため、状況に合わせて検討しましょう。

オンライン学会を開催するまでの運営スケジュール

開催決定から開催までの、オンライン学会の運営スケジュールを見ていきましょう。

規模にもよりますが、開催規模が大きい場合は開催までの準備として半年〜1年の期間を見ておきましょう。まずオンライン学会の開催が決定したら、必要に応じて実行委員会を立ち上げます。実行委員会を立ち上げて、オンライン学会のテーマ、開催日程、プログラムの構成などを決定。その後、オンライン学会の関係者や登壇者に招待メールや招待状を送ります。

開催半年前には、オンライン学会の公式ホームページを作成、公開に向けて準備します。オンライン学会の公式ホームページには、オンライン学会の日程、開催概要、参加費、参加登録方法などの情報を掲載しましょう。必要であれば、オンライン学会のポスターやチラシ、パンフレットなどの広告宣伝物の制作にも着手します。オンライン学会を配信するツールも決めておきましょう。

オンライン学会を開催する半年前を目安に、一般視聴者の申し込みを開始します。同時に参加費も徴収しましょう。この時期に演題登録の受付も行います。開催より2か月の期間に行うのが一般的です。演題登録には、主に下記のような情報が必要になります。

登録が必要な主な演題
  • 論文の題目
  • 発表者の名前
  • 発表者の所属する医院名や大学病院名
  • 発表者の連絡先
  • 発表の形態(ポスターによる発表/口頭による発表)
  • 論文の概要

オンライン学会の開催3か月前に、演題の登録を締め切ります。演題の採否決定を行った後、当日のプログラムを編成していきます。プログラムの編成を行った後、公式ホームページなどを利用して、オンライン学会のプログラム及び詳細を視聴者に告知しましょう。

オンライン学会開催1か月前には、視聴者にオンライン学会配信ツールの視聴URLを発行してメール等で案内します。オンライン学会に参加する際、パスワードが必要であれば忘れずに案内しましょう。

オンライン学会開催当日は、時間管理とプログラム進行を行っていきます。オンライン学会はオンラインでの開催になるため、インターネットの回線トラブルなどに備えをしておくことが必要です。万が一トラブルが起きることを想定して、時間に余裕を持ったプログラム進行を行っていきましょう。トラブルが起きてしまったときのための連絡・対応フローを決めておくことも重要です。

オンライン学会終了後は、来賓客や協賛企業に対して、なるべく早いうちにお礼の連絡をし次回開催につなげましょう。また、オンデマンド配信を予定している場合、動画の編集やアップロードの作業を行います。
収支決算書の作成や精算処理などの作業も重要です。次回も開催するのであれば、今回の開催での良かった点や改善点をまとめておくと良いでしょう。

オンライン学会を開催するまでの運営スケジュールは、各オンライン学会や開催規模によって異なります。必要に応じて時期を調整しましょう。

オンライン学会で使用するツールを選ぶ

運営の体制や開催内容が整ったら、開催するためのプラットフォームを選択しましょう。配信ツールを選ぶ上で注意しなければならないポイントは、視聴者側・運営者側の視点に立ってツールを選択することです。
たとえば、視聴者はツールを説明なしで使えるか、視聴者同士で交流できるか、発表者に対して質疑応答が可能かどうかといった点を考慮する必要があります。

そして重要なポイントとして挙げられるのが、チケット販売・料金徴収です。医療系の学会はビジネス向けのイベントとは異なり有料開催が少なくありません。そのため、有料チケットを販売してスムーズに料金徴収できるプラットフォームが必要になります。
参加の登録からスムーズにチケットの販売・料金徴収ができるプラットフォームが良いでしょう。

さらに注目したい注意点は、動画配信に関してです。プラットフォームから動画配信を直接行うことが可能なのか、あるいは他の動画配信サービスを利用するのかを見極めなければなりません。動画配信サービスとスムーズに連携できるかどうかを見極めることは、当日のオンライン学会をで起こり得るトラブル回避にもつながるので重要です。このような注意点を考慮に入れ、オンライン学会で使用するツールを選択していきましょう。

オンライン学会の配信の種類

オンライン学会の配信の種類には以下の4つを挙げることができます。

オンライン学会の配信の種類
  • オンデマンド配信
  • 疑似ライブ配信
  • ライブ配信
  • ハイブリッド配信

制作した動画をユーザーの好きなタイミングで見ることができる「オンデマンド配信」

オンデマンド配信は、あらかじめ制作した動画をサーバーにアップロードしておき、ユーザーの好きなタイミングで見ることができます。リアルタイムでユーザーに配信するライブ配信の録画を学会の終了後に配信することを指して「アーカイブ配信」とも呼ぶこともあります。
ライブ配信とは異なり、オンデマンド配信は事前に準備した動画を使用します。配信開始まで十分に内容を練り、質を高めることが可能です。

収録した動画を指定した時間に配信する「疑似ライブ配信」

疑似ライブ配信は、収録した動画を指定した時間にライブ配信するオンライン学会の配信方法の一つです。YouTubeの「プレミア公開」機能を利用して実施されることが多いです。疑似ライブ配信の形を取ることで、リアルタイムでユーザーに配信するライブ配信と比べ本番配信時の機材やオペレーション、そしてプレッシャーを大幅に削減することができます。また、現場スタッフの人数も大幅に削減できます。
チャット機能を併用することで、視聴者はリアルタイムに質問や感想を送信することが可能です。登壇者も同時に視聴しチャット経由で回答する形式を取れば、収録とはいえ十分なライブ感を出すことができます。

映像や音声をリアルタイムでユーザーに配信する「ライブ配信」

ライブ配信は、映像や音声をリアルタイムでユーザーに配信する方法です。2019年以降から活用が広がっているライブ配信ですが、新型コロナウイルス感染症対策に有効としてさらに拡大しました。しかしライブ配信は、生放送であるがゆえにそれなりのリスクもあります。たとえば、ライブ配信時のプレッシャーやトラブルリスク、そして機材オペレーションや進行管理といった本番運用の負担です。それ故に、開催規模によってはライブ配信の部分を外部に委託するケースも多くあります。

人を入れて開催している学会をWeb上でもライブ配信する「ハイブリッド配信」

ハイブリッド配信は、実際に人を入れて開催している学会をWeb上でもライブ配信する方法です。ハイブリッド配信することで、ユーザーは会場参加かオンライン参加かを自分で選ぶことが可能です。ユーザーにとっては、学会が開催される会場までの距離や時間確保など、自分の状況に応じて選択が可能になります。メリットがある反面、ハイブリッド配信は主催者側の予算や工数がかかってしまうため注意が必要です。

オンライン学会の発表の質を高めるサービス・ツール

オンライン学会では、視聴者同士での交流が活発に行われるかどうかが、成功のためのポイントとなります。現在、オンライン配信によるイベントが増加している中、オンライン学会の発表の質を高めるサービス・ツールも増えてきています。幾つかの、オンライン学会の発表の質を高めるサービス・ツールをご紹介します。

Slido

Slido」でオンライン学会を配信すれば、視聴者はオンラインでも質疑応答による交流を簡単に行うことが可能です。アプリのダウンロードが不要で、コードを読み込むだけで利用できるのはうれしいポイントです。視聴者は、アカウントを作成せずに匿名で発表者にコメントすることができ、すべてのやり取りをリアルタイムで行えます。
Power PointやGoogleスライドなどとも連携しているため、オンライン学会の質疑応答に利用できます。さらに他の視聴者は、自分の意見を共感スタンプを押して表現することが可能で、発表者は学会全体の視聴者のニーズをつかむことが容易になります。

mmhmm

mmhmm」(んーふー)の特徴は、表示画面を自由にカスタマイズできることです。オンライン学会の発表の際、資料などを画面共有しながら発表者の顔も見せて話をしたい場合があります。「mmhmm」では、そのような悩みを解決できるほか、バーチャル背景やスタンプ、表示画面の装飾もできるため、配信の質を高めてくれます。

Miro

Miro」を使用すれば、グループワークのような共同作業も簡単に行うことができます。「Miro」はホワイトボードツールで、図解などをかんたんに配信することが可能です。オンライン配信の学会でも視聴者同士による共同作業を実現します。

YouTube

YouTube」の特徴は、ご紹介した4つの配信形式(オンデマンド配信・疑似ライブ配信・ライブ配信・ハイブリッド配信)全てで活用できる点です。多くの人に利用されていて馴染みのある動画配信サービス・ツールなので、オンライン学会を広く拡散したい場合に効果的です。限定公開などで公開範囲の設定もできます。

Vimeo

Vimeo」を活用すれば、高画質な動画をアップロードしたり、動画を共有することができます。公開範囲を細かく柔軟に設定できることも特徴の一つです。たとえば、動画の視聴のためにパスワードを設定したり、公開範囲を制限したりすることが可能です。操作は簡単で、オンライン学会配信に慣れていなくても迷うことなくオンデマンド配信を行うことができます。

オンライン学会事例の紹介

ここまで、オンライン学会に関するさまざまな情報を紹介してきましたが、実際のオンライン学会がどのように開催されているのか、気になることろではないでしょうか。
ここでは弊社で実際に開催したオンライン学会の事例を紹介していきます。

関東歯内療法学会 第20回 学術大会(関東歯内療法学会 様)

東京都の関東歯内療法学会様よりご依頼いただいた「関東歯内療法学会 第20回 学術大会」のフルリモート配信のご紹介です。
当初は都内会場でのハイブリッド配信を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症防止のため、演者・受講者全員が遠隔で参加するフルリモートでのライブ配信形式に変更となりました。弊社は進行台本の準備や事前リハーサル、受講者の管理をはじめ、当日の配信や受講者アンケートの集計まで総合的なサポートをさせていただきました。

お体の不自由なご登壇者の現地サポートや、事前収録映像でのご登壇にも対応いたしました。
当日の録画映像を編集したオンデマンド配信や、受講証明書の発行も一手にお引き受けし、「色々と大変助かりました」とお喜びの言葉を頂戴しています。

事例紹介ページはこちら▶https://itreat.co.jp/work_movie/11

鎌倉市歯科医師会 令和3年度第2回学術講演会(鎌倉市歯科医師会 様)

神奈川県鎌倉市の鎌倉市歯科医師会様よりご依頼いただいた「鎌倉市歯科医師会 令和3年度第2回学術講演会」のフルリモート配信のご紹介です。
弊社は受講者の管理をはじめ、当日の配信や受講者アンケートの集計まで総合的なサポートをさせていただきました。
こちらも当初は神奈川県鎌倉市内の会場からハイブリッド配信を行う予定でしたが、コロナウイルス感染症防止のため、演者・受講者全員が遠隔で参加するフルリモート配信に変更となりました。

司会担当の先生がリモートでの進行役が初めてとのことで、進行台本を使った事前リハーサルを実施。当日も登壇者全員で最後の打ち合わせを行い、本番は滞りなく講演を終えることができました。

事例紹介ページはこちら▶https://itreat.co.jp/work_movie/10

まとめ

この記事では、オンライン学会のメリットやデメリット、開催への準備、そしてオンライン学会で使えるサービスやツールをご紹介してきました。
オンライン学会には、コストを削減することなどのメリットがある一方、従来のノウハウとは異なるというデメリットもあります。ノウハウに不足を感じる場合は、オンライン学会開催のための専門業者に依頼することも一つの方法です。

株式会社ITreatでは医療に特化したライブ配信サービスを提供しています。全国どこでも出張可能で、集客・集金から配信後までオールインワンでご対応。医師会やセミナー・シンポジウムなどの、収録・ライブ配信、台本作成、料金回収代行、リハーサル、収録、DVD制作まで、目的に合わせてご提案いたします。

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執筆者

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株式会社ITreat

エンジニア/映像クリエイター

学生時代からApple製品をはじめとするガジェット類をこよなく愛し、デザイン/コーディングや映像制作を独学で学ぶ。その後Web業界に飛び込み、2020年に株式会社ITreatに入社。ディレクター職を経て、現在はエンジニアとライブ配信事業/映像制作事業を担当する。

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