病院・クリニックのインスタ戦略|5つのメリットと活用法

集客(集患・増患)

最終更新日:2025/05/08

公開日:2025/05/02

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近年、医療機関を取り巻くマーケティング環境は大きく変化しています。かつては「良い医療を提供していれば患者は自然と集まる」という考え方が主流でしたが、現在は医療機関の数が増加し、患者獲得競争が激化しています。厚生労働省の調査によると、国内のクリニック数は約10万を超え、特に都市部では同一診療科のクリニックが徒歩圏内に複数存在することも珍しくありません。

(出典:厚労省「医療提供体制の現状 ~病院数の推移~」

さらに、患者の情報収集方法も大きく変わりました。特に医療機関選びにおいて、公式サイトだけでなくSNSの情報を参考にする患者が急増しているのです。

その中でもインスタグラムは、以下の理由から医療分野で特に注目されています。

  • 写真や動画が中心:クリニックの雰囲気や設備を目で見て伝えられる
  • 幅広い年齢層が使っている:20代から50代までいろんな世代が利用中
  • 地域の情報が探しやすい:ハッシュタグ(#)を使って地域の情報を見つけやすい
  • 反応がもらいやすい:他のSNSよりも「いいね」などの反応がつきやすい

今や患者は「良い医療」だけでなく、「親しみやすさ」「通いやすさ」「スタッフの人柄」なども含めて総合的に医療機関を選んでいます。そのため、インスタグラムを活用した情報発信は、現代の医療機関マーケティングにおいて欠かせない要素となっているのです。

病院・クリニックがインスタグラムを運用するメリット

インスタグラムをクリニック運営に活用することで、以下の5つのメリットが得られます。

  • クリニックの特徴をアピールして認知度向上
  • 患者との信頼関係構築と来院前の不安軽減
  • スタッフの人間性や院内の雰囲気を伝える機会
  • 専門性や強みの視覚的なアピール
  • 地域密着型の集患アプローチ

一つずつ、具体的な活用例とともにご説明していきます。

メリット1:クリニックの特徴をアピールして認知度向上

インスタグラムは写真や動画が中心なので、クリニックの雰囲気や特徴を目に見える形で伝えられます。統一感のある投稿を続けることで、クリニックの印象が患者さんの記憶に残りやすくなります。

具体的な活用例

  • クリニックのコンセプトに合わせた色調や雰囲気の写真
  • ロゴやクリニックのイメージカラーを使った投稿
  • 地域のランドマークとクリニックを一緒に紹介する投稿

メリット2:患者との信頼関係構築と不安軽減

初めて来院する患者にとって、初めてのクリニックへの来院は不安を伴うものです。インスタグラムでクリニックの内部や日常を見せることで、来院前の心理的ハードルを下げることができます。

具体的な活用例

  • 院内の様子や清潔な処置室の紹介
  • 診察の流れや検査機器の説明
  • 患者からよくある質問への回答動画

メリット3:スタッフの人間性や院内の雰囲気を伝えられる

医療の質だけでなく、「誰に診てもらうか」も患者にとって重要な選択基準です。インスタグラムを通じて医師やスタッフの人柄や専門性を伝えることで、親近感と信頼感を醸成できます。

具体的な活用例

  • 医師の経歴や専門分野の紹介
  • スタッフの自己紹介や趣味の投稿
  • チーム全体の和やかな雰囲気を伝える写真

メリット4:専門性や強みを目で見てわかりやすく伝えられる

文字だけでは伝わりにくい専門的な治療内容や施術のビフォーアフター、最新医療機器などを視覚的に伝えることができます

具体的な活用例

  • 治療前後の変化(患者同意のもと)
  • 最新医療機器の紹介と特徴説明
  • 症例紹介(プライバシーに配慮した形で)

メリット5:集患につながる地域密着型コミュニケーション

地域に根ざしたクリニックにとって、地域住民との接点を増やすことは重要です。インスタグラムのローカルハッシュタグを活用することで、地域住民にリーチしやすくなります。

具体的な活用例

  • 地域の季節行事に合わせた健康情報の発信
  • 地域名を含むハッシュタグの活用
  • 地域の他店舗やイベントとのコラボレーション

これらのメリットは、単発的なものではなく複合的に作用します。継続的な運用によって、認知→信頼→来院→リピートという患者のジャーニーを効果的にサポートできるのです。

病院・クリニックのインスタグラム活用例

実際にインスタグラム運用で成果を上げているクリニックの事例をご紹介します。

水の森美容クリニック

  • 料金を明記した症例写真:治療前後の写真に料金も一緒に表示して、効果と費用が一目でわかるようにしています
  • わかりやすい治療説明:専門的な治療内容をシンプルな言葉で説明し、患者さんの疑問や不安を解消しています
  • 医師の人柄紹介:医師の親しみやすい一面を見せることで、相談しやすい雰囲気を作っています
  • 予約状況の共有:各院の予約空き情報をハイライトで伝えて、患者さんの利便性を高めています

水の森美容クリニックのアカウントはこちら

湘南歯科クリニック 大阪心斎橋院

  • ビフォーアフターの写真:審美歯科治療などの前後写真を掲載し、治療効果を視覚的に伝えています
  • スタッフ紹介が温かい:スタッフの趣味や人柄を紹介することで、院内の温かい雰囲気を伝えています
  • わかりやすいキャンペーン告知:実施中のキャンペーン内容を料金含めて明確に投稿し、お得な情報をわかりやすく伝えています

湘南歯科クリニック 大阪心斎橋院のアカウントはこちら

あさひ内科

  • 患者さん目線の疾患解説:病気や健康に関する情報をインスタグラムでわかりやすく解説しています
  • 地域ハッシュタグの活用:クリニックがある地域名のハッシュタグを使って、近隣にお住まいの方への発見性を高めています
  • クリニックの特徴紹介:院内の設備や雰囲気、アクセスの良さなどを具体的に発信し、来院しやすい魅力を伝えています

あさひ内科のアカウントはこちら

病院・クリニックがインスタグラム運用する際の注意点

医療機関がインスタグラムを運用する際には、一般企業とは異なる特有の注意点があります。

患者さんのプライバシー保護に配慮しましょう

  • 患者さんが特定できる写真は、必ず書面での同意を得てから使用する
  • 治療前後の写真を使う場合は、顔全体が映らないよう配慮する
  • 院内の様子を投稿する際も、たまたま映り込んだ患者さんがいないか確認する
  • お子さん(未成年)の患者さんについては、本人と保護者両方の同意が必要

医療広告ガイドラインを守りましょう

医療機関のSNS投稿も「医療広告」として規制の対象になります

  • 治療効果の保証や大げさな表現は使わない(「必ず治る」「効果抜群」など)
  • 他のクリニックと比べて優れていると示す表現は避ける(「最高の」「No.1」など)
  • 患者さんの体験談を引用する場合は配慮する(実名や顔写真は避ける)
  • 費用について触れる場合は、正確で詳しい情報提供が必要

過度な期待を持たせない情報発信を心がけましょう

  • 治療のリスクや副作用についても適切に情報提供する
  • 理想的な症例だけでなく、一般的な経過や結果についても触れる
  • ビフォーアフターの写真に過度な加工をしない
  • 医学的根拠に基づいた情報発信を心がける

これらの注意点は制約というより、むしろ患者さんとの信頼関係を築くための基盤だと考えましょう。適切な情報発信は、短期的な患者さん獲得だけでなく、長期的な信頼構築につながります。

病院・クリニックがアカウント開設する流れと継続のポイント

アカウント設定と初期投稿のポイント

プロフィール設定

  • ビジネスアカウントに設定し、分析機能を活用
  • クリニック名、所在地、診療科目を明記
  • 予約方法や問い合わせ先を記載
  • プロフィール写真はロゴまたはクリニック外観が望ましい

最初の9投稿を計画的に準備

  • クリニックの外観・内観
  • 医師・スタッフ紹介
  • 得意とする治療や特徴
  • 医療機器や設備の紹介
  • 患者向け情報コンテンツ

ハッシュタグ戦略

  • 地域名+診療科(例:#東京皮膚科 #新宿クリニック)
  • 症状や治療法(例:#アトピー治療 #インプラント相談)
  • 一般的な健康ワード(例:#健康管理 #生活習慣病予防)
  • 投稿あたり10〜15個程度が目安

継続的な運用のための体制づくり

投稿スケジュールの設定

  • 週2〜3回の定期投稿が理想的
  • コンテンツカレンダーを事前に作成
  • 季節の話題や健康記念日に合わせた企画

担当者の明確化

  • 投稿作成担当
  • 承認フロー
  • コメント対応担当

コンテンツのストックと効率化

  • 月1回の撮影日を設定し、複数コンテンツをまとめて作成
  • テンプレートを活用した投稿デザイン
  • 繰り返し使えるコンテンツの準備

効果測定と改善のサイクル

分析すべき指標

  • フォロワー増加数
  • エンゲージメント率(いいね・コメント・保存数)
  • リーチ数
  • ウェブサイトへの誘導数
  • 「インスタを見た」という問い合わせ数

PDCAサイクルの実施

  • 月次での振り返りと分析
  • 反応の良かった投稿タイプの分析
  • 投稿時間帯の最適化
  • コンテンツミックスの調整

継続的な運用こそがインスタグラムの効果を最大化するカギです。すぐに結果が出なくても、3ヶ月〜6ヶ月を目安に粘り強く続けることが重要です。

まとめ

インスタグラムは、現代の医療機関にとって「あると便利なツール」ではなく、「患者とのコミュニケーションに欠かせないチャネル」になりつつあります。本記事で解説したように、インスタグラム活用には以下のようなメリットがあります。

  • クリニックの特徴をアピールして認知度向上
  • 患者との信頼関係構築と来院前の不安軽減
  • スタッフの人間性や院内の雰囲気を伝える機会
  • 専門性や強みの視覚的なアピール
  • 地域密着型の集患アプローチ

ただし、闇雲に始めるのではなく、自院の特性や強み、ターゲット患者層を明確にした上で、戦略的に取り組むことが大切です。また、医療広告ガイドラインに沿った適切な情報発信を心がけましょう。

インスタグラム運用は、最初は負担に感じるかもしれませんが、継続することで徐々に効率化され、多くのクリニックが実感している通り、新規患者獲得や既存患者のロイヤリティ向上という形で確実にリターンがあります。

「新規開業にあたってインスタ運用を始めたい」「インスタ運用がスタッフの負担になっている」「医療広告ガイドラインに沿った発信がしたい」「採用に特化したアカウントを作りたい」「新患がなかなか増えない」そんなお悩みを抱えるクリニック・病院向けに、私たちは医療専門のインスタグラム運用サポートサービスを提供しています。お気軽に下記お問い合わせフォームからご相談ください。

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執筆者

D・MIZUNAGA

株式会社ITreat

執行役員・Webディレクター

大手人材系企業で医療業界のキャリアコンサルタントとして勤務したのち、ITベンチャーへ転身。現在は株式会社ITreatの執行役員として、主に病院やクリニックのWebサイト制作、採用課題の解決、SEOコンサルティングを行う。キャッチコピーは「関わるすべての方とのWin-Winを作る」。

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