説明業務を効率化|患者向け説明動画の活用事例6選
最終更新日:2025/06/30
公開日:2025/06/28

「今日も同じ説明を何度も繰り返した…」「説明に時間がかかって、他の業務が進まない…」こんなお悩みを抱えている医療機関は多いのではないでしょうか。
昨今の医療現場では人手不足が深刻な課題となっており、限られた人員で質の高い医療サービスを提供するためには、業務の効率化が欠かせません。
そこで注目されているのが「患者向け説明動画」の活用です。この取り組みは医療ICT(医療情報通信技術)の一つとして位置づけられ、デジタル技術を活用した業務効率化の有効な手段として多くの医療機関で導入が進んでいます。
動画を取り入れることで、医師や看護師、事務スタッフなどの説明時間を大幅に短縮でき、その分を他の業務や医療行為に使えるようになります。
この記事では、実際に導入している医療機関の事例を交えながら、動画活用のメリットや制作の流れ、制作会社を選ぶ際のポイントをご紹介します。
患者向け説明動画を導入するメリット
説明時間の大幅な短縮によるスタッフの負担軽減
従来の口頭での説明では、一人の患者さんに対して15分から30分程度かかっていた説明が、動画を活用することで5分から10分程度に短縮できます。説明業務にかかる時間が短縮されることで、スタッフの業務負担が軽減され、他の重要な業務により多くの時間を割くことができるようになります。また、基本的な内容は動画で事前に理解してもらい、個別の質問や相談に時間を使えるようになるため、より質の高い対話が可能になります。
説明内容の標準化
スタッフによって説明の仕方や伝える情報に差が生じることがありますが、動画を使用することで、すべての患者さんに同じ質の高い情報を提供できます。これにより、説明不足によるトラブルの防止にもつながります。
患者さんの理解度向上
文字や口頭だけでは伝わりにくい医療手技や体の仕組みも、視覚的に分かりやすく説明できます。アニメーションやイラストを使った動画は、医学知識のない患者さんでも理解しやすく、安心感を与えることができます。
いつでも、何度でも視聴可能
患者さんは自宅でも動画を見返すことができるため、一度聞いただけでは忘れてしまいがちな内容も、しっかりと記憶に残すことができます。家族と一緒に視聴することで、ご家族の理解も深まります。
活用シーン別事例紹介6選
入院される患者さんへの案内
実際の病院スタッフの方が出演し、入院から退院までの一連の流れを丁寧に案内する実写の動画です。実際の病室の様子やスタッフの顔が見えることで、患者さんは入院生活を具体的にイメージできます。面会時間や駐車場の利用方法など、ご家族が知っておくべき情報も含まれています。
手術前後の流れ説明
手術を受ける患者さんとそのご家族に向けて、入院前の準備から手術当日、術後の回復、そして退院までの流れを時系列に沿って解説した動画です。実写映像に加えて、イラストやアニメーションを効果的に使用し、専門的な内容を分かりやすく伝えているのが特徴です。
保険診療と自費診療についての説明
治療のステップごとに、どの部分が保険適用になるのかを図や表を用いて視覚的に分かりやすく整理しています。複雑な費用や制度について動画で事前に解説することで患者さんは落ち着いた環境で何度も見返して理解を深めることができます。患者さんの不安を和らげ、安心して治療に向かうことができます。
自宅でできるリハビリテーションの紹介
理学療法士が実際にお手本を見せながら、自宅でできるリハビリテーションを指導する実演動画です。入院中に指導されたリハビリも、自宅に帰ると不安になりがちですが、動画があれば、患者さんは正しいフォームをいつでも確認しながら、自宅で安心して自主トレーニングを継続できます。病院側は、継続的なフォローアップにつながります。
疾患に関する説明
この動画は、専門医による信頼性の高い情報と、分かりやすいイラストでの解説により、患者さんの漠然とした恐怖を、「何のために何をするのか」という正しい理解へと変えてくれます。動画を事前に視聴したり繰り返し視聴することで、「インフォームド・コンセント」のプロセスを、より質の高いものにすることも期待できます。
治療に関する説明
治療の全工程を事前にイラストで視覚的に理解することで、患者さんは「今、何をされているのか」が分かり、漠然とした恐怖心が和らぎます。基本的な説明を動画に任せることで、医師は患者さん一人ひとりの個別のお悩みに関する説明や質疑応答に、より多くの時間を割くことができます。
治療説明動画の構成案
導入
挨拶や動画の目的説明(例:「この動画では、治療の流れをご紹介します」)を行います。親しみやすい表情と落ち着いた口調で、患者さんの緊張を和らげるような導入を心がけましょう。
当院の〇〇治療の特徴
その医院における治療の特徴や強みを紹介します。他の医療機関との違いや、導入している最新の技術、治療実績などを分かりやすく説明することで、患者さんの安心感を高めることができます。
治療の流れ
実際の流れや注意点を、図解やアニメーション、実際の映像を使って解説します。患者さんが「いつ、どこで、何をするのか」を具体的にイメージできるよう、時系列に沿って詳しく説明しましょう。治療期間や来院頻度についても触れることで、より現実的な理解を促すことができます。
副作用やリスク
予想される副作用の程度や頻度、対処法、緊急の連絡先をわかりやすく説明します。患者さんの不安を必要以上に煽らないよう配慮しながらも、適切な情報提供を行うことが重要です。
よくある質問
患者さんから実際に寄せられることの多い質問とその回答を紹介します。「費用はどのくらいかかりますか?」「仕事は休む必要がありますか?」など、患者さんが気になるポイントを事前に解決しておくことで、診察時の質問時間を短縮できます。
まとめ
重要ポイントの再確認や連絡先の表示を行います。治療を受ける上で最も大切なポイントを絞って再度強調し、患者さんの記憶に残りやすくしましょう。最後に温かい励ましのメッセージを添えることで、患者さんの治療への前向きな気持ちを支えることができます。
動画制作の流れ

制作会社によっても異なりますが、今回は弊社のご依頼から納品までのフローをご案内いたします。
- お問い合わせ
お問い合わせフォームからお悩みやご希望をお聞かせください。お問い合わせフォームはこちら - ヒアリング
お悩みやどのような動画を作りたいのかをお伺いします。 - 構成・概算見積もり(無料)
ご希望に合わせた構成とお見積りをご提供します。 - お打ち合わせ
ご成約となりましたら、制作スケジュールや動画の詳細情報を決定していきます。 - 構成や台本のご提案
目的に沿った動画の構成やナレーション原稿を制作会社側から提案されます。 - 撮影
撮影当日は、カメラマンと担当ディレクターが撮影を行います。 - 編集
事前に作成した構成案を元に、編集を行います。 - チェック・修正
ご満足いただける動画を作成するために、お客様には2〜3回、確認のご協力をお願いしております。 - 納品・アフターフォロー
編集後の動画をデータで納品させていただきます。SNSへのアップロードやアカウント作成も承っておりますので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
制作会社に依頼する際のチェックリスト
制作実績が豊富か
- 医療関連の動画制作実績があるか
- 過去の制作事例を確認できるか
- 類似する業界での制作経験があるか
医療知識・コンプライアンス対応
- 医療広告ガイドラインの対応をしてくれるか
- 医学的な知識があるか
- 患者情報の取り扱いに関するセキュリティ対策が適切か
制作体制・スケジュール
- 担当者や制作チームの体制が明確か
- 制作スケジュールが現実的で守れそうか
- 修正や変更への対応方針が明確か
費用・契約条件
- 制作費用の内訳が明確か
- 追加費用が発生する条件が明示されているか
- 契約期間の縛りや解約金の手数料が存在するか
- 著作権の取り扱いが適切か
アフターサポート
- 動画完成後の修正対応があるか
- 配信や運用に関するサポートがあるか
- 将来的な動画更新への対応が可能か
コミュニケーションと柔軟性
- 医療スタッフとの打ち合わせに柔軟に対応できるか
- 専門的な内容について適切に理解しているか
- 患者さんの立場に立った提案ができるか
まとめ
説明業務は、医療スタッフの大きな負担の一つです。患者向け説明動画を活用することで、その負担を減らし、患者さんにとってもわかりやすく、安心できる医療を提供することができます。
しかし、効果的な動画を制作するには、院内ですべてを行うのは現実的ではないため、医療分野での制作実績がある専門の制作会社に依頼することをおすすめします。
弊社では、医療機関向けに動画制作サービスを提供しております。無料でお見積もりも可能です。お気軽に下記のお問い合わせフォームからご相談ください。
お問い合わせはこちら
執筆者
株式会社ITreat
執行役員・Webディレクター
大手人材系企業で医療業界のキャリアコンサルタントとして勤務したのち、ITベンチャーへ転身。現在は株式会社ITreatの執行役員として、主に病院やクリニックのWebサイト制作、採用課題の解決、SEOコンサルティングを行う。キャッチコピーは「関わるすべての方とのWin-Winを作る」。
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