歯科MEO対策が重要な理由と効果的な施策ポイント
公開日:2025/12/12
歯科医院の集患(新規患者の獲得)において、いまや MEO対策(Googleマップでの検索最適化) は欠かせない取り組みです。
Google検索やGoogleマップから歯科医院を探す患者さんは年々増えており、MEO対策を行うことで競合医院に先んじて選ばれるチャンスが大きく広がります。
本記事では、「歯科 MEO」をキーワードに上位表示を狙うために、
- なぜ歯科医院にMEO対策が重要なのか
- Googleビジネスプロフィール管理の基本ポイント
- クチコミ対策を中心とした具体的な施策
について解説します。
院内で自分たちでできることから始め、患者さんから選ばれる歯科医院を目指しましょう。
歯科の集患になぜMEOが重要なのか?

MEO(Map Engine Optimization)とは、Googleマップなどの地図検索において、自院の情報を上位に表示させるための施策のことです。
歯科医院のような地域密着型の医療機関では、検索結果に表示される「地図枠(ローカルパック)」で上位に表示されるかどうかが、新規患者の獲得を大きく左右します。
特にスマートフォンが主流となった現在、患者さんは
「近くの歯医者」
「〇〇駅 歯科」
といったキーワードで、検索エンジンよりも地図アプリから歯科医院を探すケースが増えています。
つまり、Googleマップ上で目立つ位置に表示されなければ、患者さんの検討対象にすら入らない可能性があるということです。
費用対効果の高い集患施策である点も魅力
MEO対策の大きなメリットは、費用対効果が高いことです。
Googleビジネスプロフィールは無料で利用でき、基本的な対策は院内スタッフだけでも始められます。
SEO(ホームページの検索対策)と比べると競合が限定されやすく、地域内で成果が出やすいのも特徴です。
初期費用を抑えつつ、比較的早い段階で集患効果が期待できる点から、歯科医院にとって非常に相性の良い施策といえるでしょう。
まずはGoogleビジネスプロフィールの基本管理をしよう
MEO対策の土台となるのが、Googleビジネスプロフィールの適切な管理です。
Googleマップや検索結果に表示される医院情報は、このビジネスプロフィールの内容が元になっています。
まだオーナー登録をしていない場合は、まず登録を行いましょう。
すでに登録済みの場合でも、掲載情報が正確か、最新の状態になっているかを必ず確認してください。
もっとも重要なのは「情報の正確性」
ビジネスプロフィールで特に重要なのは、以下のような基本情報の正確性です。
- 医院名
- 住所
- 電話番号
- 診療時間・休診日
これらの情報に誤りや未更新があると、患者さんに不便を与えるだけでなく、医院への信頼低下にもつながります。
いわゆる NAP情報(Name・Address・Phone) を正しく統一し、常に最新の状態を保つことがMEO対策の出発点です。
また、ビジネスプロフィールは登録して終わりではありません。
定期的な情報更新を行い、アクティブな医院であることをGoogleに示すことも重要です。
ビジネスプロフィールに登録すべき主な項目
具体的な設定・操作方法を解説
Googleビジネスプロフィールでは、入力できる項目を「ただ埋める」のではなく、患者さんが知りたい情報を、正確かつ分かりやすく整えることが重要です。
ここでは、歯科医院が必ず設定・見直しすべき主要項目について、「どこを操作し、何を入力すべきか」を具体的に解説します。
① 医院名・住所・電話番号(NAP情報)

操作場所
Googleビジネスプロフィール管理画面
→「ビジネス情報」→「概要」
設定・確認ポイント
- 医院名は、正式名称のみを入力
- 例:「〇〇歯科クリニック」「〇〇歯科・矯正歯科」など
- キーワードの過剰な追記(地域名・診療内容をひたすら羅列するなど)はNG
- 住所は、登記・公式HP・看板と完全に一致させる
- 電話番号も、ホームページ等の情報と一致させる
注意点
ホームページ、SNS、ポータルサイトなど、他媒体と表記がズレていると評価が下がる原因になります。
必ず全媒体で統一しましょう。
② 診療時間・休診日の設定
操作場所
「ビジネス情報」→「営業時間」
設定方法
- 曜日ごとに診療時間を正確に入力
- 昼休憩がある場合は、実際の受付時間に合わせて設定
- 定休日・祝日休診は必ず反映
追加設定
- 年末年始・お盆・臨時休診は
→「特別営業時間」から都度登録
ポイント
診療時間の誤情報は、患者さんの不満やクチコミ悪化の原因になります。
変更があった場合は、必ず即日更新する運用を徹底しましょう。
③ 診療内容(サービス・治療内容)
操作場所
「ビジネス情報」→「サービス」
または
「ビジネス情報」→「概要」
入力すべき内容例
- 一般歯科
- 小児歯科
- 矯正歯科
- 口腔外科
- 予防歯科
- インプラント
- ホワイトニング など
ポイント
- 実際に対応している診療内容のみを記載
- 専門性がある場合は簡潔な説明文を添える
- 医療広告ガイドラインを意識し、誇大表現は避ける
患者さんはここを見て「自分の症状に対応しているか」を判断します。
漏れなく、分かりやすく記載しましょう。
④ カテゴリ(業種)の設定
操作場所
「ビジネス情報」→「カテゴリ」
設定方法
- メインカテゴリ:
「歯科医院」 を必ず設定 - サブカテゴリ:
診療内容に応じて
「矯正歯科」「小児歯科」などを追加
注意点
- 実態と異なるカテゴリ設定は逆効果
- 「医療機関」「診療所」だけの設定は避ける
カテゴリはMEO評価に直結する重要項目です。
必ず正しく設定しましょう。
⑤ アクセス情報・駐車場の有無
操作場所
「ビジネス情報」→「所在地情報」
「概要」欄の説明文
記載すべき内容
- 最寄り駅・バス停からの所要時間
- 駐車場の有無、台数
- 建物の目印になる情報
例
「〇〇駅から徒歩3分/専用駐車場5台あり」
来院前の不安を減らす情報として、非常に重要です。
⑥ 写真(外観・院内・設備)
操作場所
「写真」→ 各カテゴリに追加
最低限追加したい写真
- 医院外観(昼間・分かりやすい角度)
- 受付・待合室
- 診療室
- 設備・機器
- スタッフの雰囲気が伝わる写真(可能であれば)
運用ポイント
- 定期的に追加・差し替えを行う
- 清潔感・安心感が伝わる写真を選ぶ
- スマホ撮影でも問題ないが、明るさ・ブレには注意
写真は「第一印象」を決める重要要素です。
テキスト以上に来院判断へ影響します。
⑦ ホームページ・予約導線の設定
操作場所
「ビジネス情報」→「ウェブサイト」
設定内容
- 公式ホームページURLを正確に入力
- 予約ページがある場合は、予約導線が分かりやすいURLを設定
Googleマップ → 電話・予約・サイト訪問
という流れをスムーズに作ることが、MEOの成果につながります。
運用のコツ:設定して終わりにしない
ビジネスプロフィールは「作って終わり」ではありません。
- 月1回は内容を見直す
- 変更点があれば即更新
- クチコミ・写真・情報を継続的に追加
この継続的な更新が、Googleからの評価向上につながります。
MEO対策は業者に依頼すべきか?自院でできることをまず実践
MEO対策は、基本的な内容であれば自院でも十分に対応可能です。
ビジネスプロフィールの整備や情報更新、クチコミへの返信などは、費用をかけずに始められます。最初からMEOの支援業者に頼ろうとする院長先生が多くいるのも事実ですが、多くの場合は必要以上の費用を払うことになり、コスパの面でおすすめできません。
まずは自分たちで取り組み、MEOの仕組みを理解することが重要です。
これにより、内容の不透明な業者や、ガイドライン違反の手法を用いる業者を見極める力も身につきます。
もちろん、リソース不足や専門知識の面で難しさを感じた場合には、歯科業界に精通した信頼できる業者に依頼するのも一つの選択肢です。
その際は、歯科医院での実績や医療広告ガイドラインへの理解があるかを必ず確認しましょう。
最重要施策は「クチコミを集め」
MEO対策において、クチコミ対策は最重要施策といっても過言ではありません。
患者さんは複数の歯科医院を比較する際、クチコミの評価や内容を重視します。
評価が低かったり、クチコミが少なかったりすると、来院を敬遠される原因になります。
一方で、良質なクチコミが蓄積されている医院は「評判が良く、信頼できる歯医者」という印象を与えます。
クチコミへの丁寧な対応が信頼を生む
- ネガティブなクチコミには誠実に返信する
- 事実と異なる内容には適切に対応する
- ポジティブなクチコミには感謝の気持ちを伝える
こうした姿勢は、投稿者だけでなく、これから来院を検討する患者さんにも好印象を与えます。
質の良いクチコミを書いてもらうために
クチコミを増やすには、患者さんが投稿しやすい仕組み作りが欠かせません。
例えば、診療後に
「もしよろしければ、Googleへのご感想投稿にご協力ください」
と一言添えるだけでも効果があります。
さらに近年では、AIを活用したクチコミ作成支援ツールを導入する医院も増えています。
患者さんが簡単な質問に答えるだけで、AIが自然な文章を作成し、コピーして投稿できる仕組みです。
重要なのは、
- 患者さん本人の実体験に基づいていること
- 投稿前に内容を確認してもらうこと
このポイントを守ることで、ガイドラインに配慮しながら、質の高いクチコミを無理なく増やすことができます。
まとめ:基本を徹底し、他院に差をつけよう
GoogleビジネスプロフィールやMEO対策に十分取り組めていない歯科医院は、まだ少なくありません。
だからこそ、今から正しく対策を行うことで、地域内で大きな差別化が可能です。
- ビジネスプロフィールの正確な管理
- 情報の充実と定期的な更新
- クチコミを中心とした評価向上策
これらを地道に続けることで、
「評判が良く、信頼できる歯科医院」
として患者さんに選ばれるようになります。
MEO対策は一度で完了するものではありませんが、継続することで確実に成果につながります。
ぜひ、できるところから実践してみてください。
お問い合わせはこちら
執筆者
株式会社ITreat
執行役員・Webディレクター
大手人材系企業で医療業界のキャリアコンサルタントとして勤務したのち、ITベンチャーへ転身。現在は株式会社ITreatの執行役員として、主に病院やクリニックのWebサイト制作、採用課題の解決、SEOコンサルティングを行う。キャッチコピーは「関わるすべての方とのWin-Winを作る」。
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