医師・医療従事者が持つべきパソコンはMac?Windows?
最終更新日:2024/04/26
公開日:2023/02/09
医師・医療従事者が持つべきパソコンは、MacとWindowsのどちらを選ぶべきでしょうか。
この記事では、医師や医療従事者がパソコンを持つ場合、MacとWindowsのどちらを購入すれば良いのかを徹底解説していきます。パソコンを選ぶ上での注意点やMacとWindowsの違いについて医療現場をIT面でサポートするプロがご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
院内に導入するパソコンはWindowsを選ぶのが無難
院内に導入するパソコンは、MacとWindowsのどちらを選ぶべきでしょうか。結論は、Windowsを選ぶのがおすすめです。Windowsのパソコンを選ぶのが無難な理由を見てみましょう。
病院やクリニックで扱うコンピュータはWindows
Windowsのパソコンをおすすめする人が多いのが現状です。特に、パソコンに慣れていない医療従事者の皆さんは、Windowsのパソコンを選びましょう。
理由の1つに、病院やクリニックで使用されているパソコンのOSが基本的には「Windows」であるという点が挙げられます。
病院やクリニックなどの医療施設の中では、多くの機械がコンピュータによって制御されています。たとえば、電子カルテ、レントゲン、CT、MRI装置、超音波診断装置、ポリグラフ、手術支援ロボットなどです。このような機械はパソコンとは異なりますが、使用されているコンピュータのOSはすべて「Windows」で制御されています。ですから、これに合わせて病院やクリニックに導入するコンピュータもWindowsに統一する傾向にあります。
医学部の学生もWindowsに使い慣れておく必要があります。Windowsの操作に慣れておくことは、医学部を出たあと病院で働くときに、仕事をより効率的にまた正確に行うことにもつながります。とくにパソコンが苦手な学生さんは、医学部のときからWindowsのパソコンに触れる時間を増やしておくと良いでしょう。
MacとWindowsの違い
MacとWindowsの違いには何があるのでしょうか。以下の点が挙げられます。
- OSの違い
- 対応ソフトの違い
- 操作性の違い
- トラックパッドの違い
- 製品数の違い
「OSの違い」について考えてみましょう。MacとWindowsはパソコンの土台となる「OS」が異なります。OSとは、Operating System(オペレーティングシステム)」の頭文字を取ったもので、コンピュータ全体を制御するシステムです。Windowsのパソコンの場合、Microsoft社がOSを開発しています。Windowsのパソコン本体は、Microsoft社以外にヒューレット・パッカード社やエイサー社などのメーカーも製造しているのが特徴です。Macの場合は、Apple社がOSからパソコン本体までを、すべて自社生産しています。
「対応ソフトの違い」もMacとWindowsのパソコンの明らかな違いの一つです。MacとWindowsでは、対応しているソフトの数が異なります。たとえば、ビジネス用途に開発されているソフトは、Windows向けのものが多いのが現状です。Officeのソフトに関しても、Windowsのパソコンの方がおすすめです。WordファイルやExcelファイル、またプレゼン資料の作成などに利用できるPowerPointなども使用できます。Macに対応しているものもありますが、OSによって一部仕様が異なる場合があるので注意が必要です。
他にも「操作性」の違いもあります。MacとWindowsでは、キーボードの配置やショートカットキーの使い方も異なります。たとえば、Windowsのパソコンにある「Ctrl」キーの役割を果たすキーは、Macでは「command」キーです。Windowsの「Ctrl」キーは一番左下に配置され、Macの「command」キーは左下から3番目あたりに配置されています。
さらに「トラックパッド」の操作性も異なります。Macのトラックパッドの性能は高く、直感的な操作が可能で滑らかだとユーザーから評判です。そのため、Windowsパソコンのユーザーの方が、マウスを使用することが多いのも特徴です。
「製品数の違い」も、MacとWindowsの違いの一つでしょう。Windowsのパソコンは、お手頃価格のものから高価なものまで、価格のバリエーションが豊富です。またWindowsは、Microsoft社以外にもさまざまなメーカーが開発したパソコンに搭載されているため、デザインやスペックも多種多様なのが魅力の一つとなっています。
Macは、Apple社がOSからパソコン本体までをすべて自社開発しているので、高い性能とデザイン性の統一があるのが特徴です。
パソコン選びで起こりやすい、よくある失敗例
ここでは、パソコン選びで起きがちなよくある失敗例を、医療従事者の観点からご紹介します。医師・医療従事者が選ぶパソコンは、MacとWindowsどちらが使いやすいのでしょうか。
以下の2つの失敗例をご紹介します。
- 外部機器との接続・拡張性が乏しい
- Macは困ったときの解決策が見つかりにくい
外部機器との接続・拡張性が乏しい
パソコン選びにおける失敗例の一つ目は、「外部機器との接続・拡張性が乏しい」ことです。Macのノートパソコンは、Windowsのノートパソコンに比べて外部接続端子が少なく、拡張性に劣ります。医療現場でMacのノートパソコンを使用するには、多くの場合USBハブが必要です。
たとえば、院内会議や勉強会発表などの際、医師や医療従事者は自分のノートパソコンの画面を大きなディスプレイに表示させる必要があるかもしれません。その際、パソコンとディスプレイの接続には「HDMIケーブル」が必要です。しかし、Macのノートパソコンは、デザインを重視した結果、HDMI端子がついているものが少ないのが現状です。実際には、MacBook Pro(2021年、2012年〜2015年モデル)しか存在しません。そのため、医師・医療従事者が医療現場でMacのノートパソコンを使用する際、USBハブが必要になります。
また医療現場で、病院のパソコンと自分のパソコン間でのデータ移行の際にも問題が生じる可能性があります。セキュリティ上の関係から、医師は自分のパソコンと病院のパソコンを直接つなげることができません。データを移行する場合、基本的にはCD、DVDディスク、USBメモリやHDDなどを経由させて、医師は自分のパソコンにデータを取り込みます。その際、CD/DVDディスクドライブやUSB-A端子が必要になるため、Macのパソコンを使用するならUSBハブが必要です。
Macは困ったときの解決策が見つかりにくい
パソコン選びで失敗すると起こるデメリットに、「Macは困ったときの解決策が見つかりにくい」という点が挙げられます。現在Windowsは、OSに関して世界シェアの80%を締めています。つまり、Windowsの方が情報を入手しやすいということです。たとえば、Windowsのパソコンを使用しているならば、何かのトラブルが起きたとき、インターネットで検索すればすぐに解決策が見つかります。
しかし、Macのパソコンでトラブルが起きた場合、細かなトラブルであればあるほど解決策を見つけ出すことが難しいのが現状です。医療現場は時間との戦いですので、あまりにもパソコンのトラブルを解決するために時間や労力をかけすぎると、業務に支障をきたすことになるでしょう。
解決策を見いだす術はインターネットだけに限ることではありません。職場の同僚も、解決策を見つける助けとなります。医療現場では、病院のパソコンだけでなく医療従事者の多くもWindowsのパソコンを使用しています。そのため、Macのパソコンで起きたトラブルに対して対応できる人が少ないかもしれません。Macのパソコンだと、パソコンにトラブルが起きた場合、解決策を見つけるまでに時間がかかってしまうデメリットがあります。
個人用はMac/WindowsどちらでもOK
医師・医療従事者が持つべきパソコンは、MacとWindowsどちらを選ぶべきでしょうか。結論から言うと、個人用で使用するパソコンは、Mac、Windows、どちらでも大丈夫です。
医師として個人的に使用するのであれば、病院のセキュリティやビジネスソフトの関係でWindowsのパソコンでなければならないことはありません。現在、主な統計ソフトなどは、基本的にMacまたはWindows両方のパソコンに対応したものが販売されています。文書やスライドを作成するツールも、Googleなどオンラインツールを活用できるため互換性の心配もありません。
医師や医療従事者はMac所有者が多い
なぜ医師や医療従事者は、Mac所有者が多いのでしょうか。
2つの理由を見てみましょう。
- 他のAppleデバイスとの連携が良い
- 操作の容易性
多くの医師や医療従事者がMacのパソコンを使用している理由の一つに「他のAppleデバイスとの連携の良さ」が挙げられます。現在、多くの人がiPhoneやiPadを使用しています。Macのパソコンであれば、同じApple製品のためデバイス間での連携がスムーズです。
近年、Appleデバイス間での連携性を向上させる機能が増えています。たとえば「Airdrop」と「iCloud」は、写真やファイルを異なったAppleデバイス間で共有することが可能です。また、Wi-Fiパスワードの共有も可能です。
他の理由に「操作の容易性」があります。個人的に意見はわかれますが、Macのパソコンの方が初心者向きです。前述したように、Macのトラックパッドは非常に操作性に優れており、直感的な操作が可能です。様々なアクションをスムーズに行うことができる点は、初心者向きと言えます。
まとめ
この記事では、医師や医療従事者がパソコンを持つ場合、MacとWindowsのどちらを購入すれば良いのかを解説してきました。
病院内に導入するパソコンは、Windowsがおすすめです。病院で使用されているパソコンのOSが基本的には「Windows」だからです。個人利用であれば、スマホをはじめApple製品との連携を考えるとMacの方が便利でしょう。しかし結論はMac、Windows、どちらでも大丈夫です。この記事の内容を参考に、最良の決断をしてください。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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執筆者
株式会社ITreat
エンジニア/映像クリエイター
学生時代からApple製品をはじめとするガジェット類をこよなく愛し、デザイン/コーディングや映像制作を独学で学ぶ。その後Web業界に飛び込み、2020年に株式会社ITreatに入社。ディレクター職を経て、現在はエンジニアとライブ配信事業/映像制作事業を担当する。
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