歯科衛生士はどこまでできる?やってはいけない治療や仕事内容とは?

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公開日:2022/05/16

良いスタッフがいることは、良い歯科医院づくりに欠かせません。歯科医院で働くスタッフには、歯科医師、歯科衛生士、そして歯科助手などがいます。中でも歯科医師と歯科衛生士は国家資格であり、歯科衛生士が定められている業務範囲を超えて仕事をしてしまうと、法律で罰せられてしまいます。

そこで、より良い歯科医院づくりにつなげるためにも、この記事では改めて歯科衛生士がやってはいけない業務内容に焦点を当ててみていきます。

改めて歯科衛生士とは?

歯科衛生士とは、歯科医師の医療業務をサポートし、患者さんの歯・口腔の健康を守る国家資格の医療専門職です。

お口の健康は、健康で生き生きとした生活を送るために欠かせません。人が歯を失う大きな原因は、「虫歯」と「歯周病」ですが、歯科衛生士はそれらの予防処置の専門家です。そして、歯科衛生士は歯科医師の診療を補助するとともに、歯科診療が円滑に運ぶために多岐にわたる大切な役割を果たしています。さらに、幅広い年代の人々に、虫歯や歯周病などを予防するための正しい生活習慣やセルフケアを実行するための専門的な知識の提供、指導をすることで、地域社会に貢献しています。

以前の厚生労働省から出されていた歯科衛生士法によると、これら口腔内の健康を守る歯科衛生士が行う業務は、歯科医師の直接の指導が必要とされていました。歯科医師がその場に常に立ち会うことが必要でしたが、現在では、歯科医師が常時立会いする必要がない行為も増えています。

▼参照:歯科衛生士法の一部改正の施行について(厚生労働省HP)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc1750&dataType=1&pageNo=1

歯科衛生士の仕事内容とは?

歯科衛生士の活躍の場所は歯科医院だけに留まらず、保育所、幼稚園、学校、保健所、保健センター、企業などにもおよび、口腔内の健康づくりや口腔内ケアを実施するために幅広く活動しています。

口腔内の健康は、人が健康で喜びある生活を送るうえで欠かせないものです。食べ物を自分の歯でおいしく食べることや、友人と楽しく会話することなどは、笑顔ある幸福な生活に欠かせません。ですから、歯科衛生士が行う仕事は、生涯にわたって人の役に立てる仕事であると言えます。現在、さまざまな研究の結果、口腔内の健康と身体的な健康が密接に関係していることが明らかになり、歯科衛生士の活躍に期待が高まっています。

歯科衛生士の業務には、主に次の5つが含まれており、それぞれに高い技術や専門知識が求められています。

歯科衛生士の主な業務
  • 歯科予防処置
  • 歯科保健指導
  • 歯科診療補助
  • 口腔機能訓練
  • ホワイトニング

歯科予防処置

歯科医療においての二大疾患として知られている「虫歯」と「歯周病」ですが、「虫歯」と「歯周病」を予防できれば、口腔内の健康を保つことは容易になるはずです。歯科予防処置は、歯科衛生士のメインとなる業務で、歯・口腔の疾患を予防するために、フッ化物塗布などの薬物塗布、またプラークや歯石などを除去するクリーニング処置などが行われます。歯科衛生士が患者さんの口腔内ケアを行い、最後に歯科医師がチェックするといった流れが一般的です。

歯科保健指導

歯科保健指導に関しての歯科衛生士の役割は、患者さんが歯・口腔内のセルフケアを自分でできるように、歯の磨き方などの技術指導を中心にアドバイスすることです。虫歯や歯周病は生活習慣病であり、患者さん自らの生活習慣を改善する必要があります。そのためには、患者さんに正しい生活習慣や口腔内の健康を維持していくための専門的なサポートが必要不可欠です。歯科衛生士の歯科保健指導の分野での活躍が期待されています。

歯科診療補助

歯科診療は、歯科医師を中心としたチームワークで成り立っています。歯科衛生士は、歯科医師の診療を補助するとともに、歯科医師の指示のもと歯科治療の一部を担当するなど、歯科診療の中で重要な役割を果たしています。また治療を受ける患者さんと歯科医師とのコミュニケーションを配慮し、患者さんの緊張を和らげることも求められます

口腔機能訓練

最近では、口腔機能訓練の一環として、咀嚼や嚥下機能が低下してくる高齢者を中心に、食べ方や噛み方、また食べ物を飲み込む力を強める訓練やアドバイスが行われています。口腔機能が低下すると、内臓の病気に影響が及ぶことがわかっており、現在、歯科衛生士による口腔機能訓練が注目されています。

ホワイトニング

歯科衛生士の行う業務の中にはホワイトニングもあります。歯科衛生士は、過酸化水素などが含まれた薬品を使用して患者さんの歯を白くしていくほか、患者さんが歯を白く保てるように必要なアドバイスもします。なお、一般社団法人日本歯科審美学会が認定している「ホワイトニングコーディネーター」は歯科衛生士のみに認められた資格です。

歯科衛生士が行える業務は、上記のようないわゆる歯科医師の診療のサポートと患者さまのお口の健康を守るために行うことです。つまり、歯科衛生士の仕事はあくまで「歯科医師のサポート」という位置づけのため、歯科医師と同じ業務を歯科衛生士が行うことはできないということです。

歯科衛生士と歯科助手の違いは?

では、同じ歯科医院の中で働く「歯科助手」との違いを見ていきましょう。
現在、歯科医療の現場では、離職率の高さや未就業人口が多いという問題から歯科衛生士が不足。その事が原因で、歯科助手が歯科衛生士の穴を埋めているといわれています。しかし、歯科助手と歯科衛生士が行うことができる業務や技術の範囲には大きな違いがあり、気を付けなければ医療事故に繋がってしまう危険性もあります。

前述の通り、歯科衛生士は歯科衛生士法に基づいた国家資格であり、資格の取得方法も厚生労働省指定の養成所を卒業して国家試験に合格する必要があります。しかし、歯科助手は、歯科衛生士のような国に認められた資格はありません。歯科助手は歯科医療現場において医療行為を行うことができないため、歯科助手に任せることのできる業務は、受付事務や、診療のための雑務などの資格を必要としない行為に限ります

歯科衛生士と歯科助手が行うことができる業務には大きな違いがあるため、仮に歯科衛生士が不足していても、歯科助手が認められていない医療行為を行った場合には、医療事故がおきたり法律で罰せられる可能性があります。

「絶対的歯科医行為」と「相対的歯科医行為」

歯科医師が行う医療業務には2つの種類があります。1つは「絶対的歯科医行為」で、もう1つは「相対的歯科医行為」です。「絶対的歯科医行為」とは、歯科医師しか行ってはいけない行為で、「相対的歯科医行為」は、歯科衛生士も歯科医師の付き添いのもとであれば行っても良い行為のことです。

「絶対的歯科医行為」とは

「絶対的歯科医行為」とは何でしょうか。「絶対的歯科医行為」とは、歯科医師しか行ってはいけない行為のことです。
例えば、歯や歯の神経を抜く、歯茎を切る、歯を削って治療するなどの医療行為、歯に詰めものをする、歯に被せものを着ける、歯石をとる以外を目的として行う注射、レントゲン撮影などです。

「相対的歯科医行為」とは

「相対的歯科医行為」とは何でしょうか。「相対的歯科医行為」とは、歯科医師が監視のもと、歯科衛生士が行っても良い行為のことです。
例えば、歯石の除去、ホワイトニング、また表面麻酔薬の添付などです。

ただし、上記は相対的歯科医行為の中の一部で、歯科衛生士の経験やスキルによってできる業務や範囲が異なります。例えば、インレーの咬合調整など難易度が高かったり、経験の求められる業務は医療事故につながる可能性もあるため注意しましょう。なお、厳密には、「絶対的歯科医行為」と「相対的歯科医行為」に明確な線引きがないため注意が必要です。

歯科衛生士がやってはいけない業務内容

では、歯科衛生士が実施してはいけない業務とは?それは「歯科医師でなければ許されていない業務」です。
歯科診療補助の分野では特に、歯科医師と歯科衛生士の業務の線引きに対する正しい理解が必要です。以下は主に歯科衛生士がやってはいけない具体的な業務内容を挙げてみました。

歯科衛生士がやってはいけない業務の例
  • 抜歯
  • 歯の切削
  • 歯茎切開や切除
  • インレー及びクラウンの装着
  • 麻酔のための注射
  • レントゲンの撮影

ちなみに、上記で挙げた「麻酔のための注射」と「レントゲンの撮影」について。
前述したように薬剤を歯茎の表面に塗布する表面麻酔は、相対的歯科医行為として認められますが、注射を用いた麻酔は実施できません。そして、歯科診療補助として患者さんをレントゲン室まで誘導し、撮影の説明や準備を行うことはできますが、レントゲンを撮影する行為、つまり撮影スイッチを押すことはできません。レントゲンの撮影は、歯科医師または診療放射線技師だけが行える医療業務として法律で定められています。

このように、歯科衛生士が対応できる業務もありますが、その業務の中にも歯科衛生士の判断だけでは行えない、歯科医師の管轄下でのみ許される作業があります。
改めて認識が必要です。

まとめ スタッフが働きやすい環境作りが重要

歯科医院は、歯科医師をはじめ歯科衛生士や歯科助手など、様々な職種・スタッフが携わり、協力することで成り立っています。人手不足であることが原因で、歯科衛生士や歯科助手の法令違反という問題が発生するケースがあります。それを解消するため、それぞれの業務範囲を明確にすることで働いているスタッフに安心感をもたらします。スタッフが安心して働ける環境を作ることで、それぞれのパフォーマンスの向上につながり、ひいては患者さんの満足度の向上にもつながるでしょう。

より良い歯科医院づくりのためにも、いま一度自院の業務基準の見直しをしてみてはいかがでしょうか?

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