病院紹介動画のメリットと活用法・制作のポイント
公開日:2025/02/12

近年、多くの病院が自院の特徴や魅力を発信するために、動画を活用するケースが増えています。しかし、「具体的にどのように活用すればいいのか分からない」「どんなメリットがあるのか知りたい」と感じている方も少なくないでしょう。
本記事では、病院紹介動画を活用するメリット、実際の事例、そして制作する際の留意点などについて詳しく解説します。初めて動画制作に取り組む方でも、必要な情報が得られるよう、ポイントを整理してお伝えします。
病院が自院のPRに動画活用する4つのメリット
疾患や治療内容をわかりやすく説明できる
動画を活用することで、疾患や治療内容を視覚的にわかりやすく説明できます。文章や写真だけでは伝わりにくい医療情報も、動画なら具体的なイメージを患者に伝えることが可能です。例えば、治療の流れを動画で解説することで、患者は事前に治療内容を理解し、不安を軽減できます。また、専門用語や複雑な内容をシンプルな図解やナレーションで補足することで、幅広い年齢層や医療知識がない方にも配慮した情報提供が可能です。さらに、動画は多言語対応もしやすく、外国人患者への情報発信にも有効です。このように、動画は患者との信頼関係を築きやすいツールとして活躍します。
院内の雰囲気をリアルに伝える
多くの人々にとって、病院は少なからず不安を感じる場所です。しかし、紹介動画を通じて院内の雰囲気やスタッフの日常の様子を視覚的に伝えることで、患者は病院の環境をより具体的にイメージすることができ、不安を軽減させることが可能です。こうした動画では、穏やかなBGMを挿入したり、アニメーションを使用したりすることで、患者に親しみやすい雰囲気を伝えることができます。
さらに、動画をしっかりと活用することで、他の病院との差別化を図ることもでき、それによって集患効果が期待できます。たとえば、特定の医療サービスや独自の取り組みを動画でわかりやすく紹介することで、病院の強みをアピールすることができます。また、実際に患者がどのように受診するか、どのような設備やサポートがあるかを動画で示すことで、視聴者の信頼感を育むことができます。
スタッフの人柄や病院の理念を伝える
患者様に寄り添うスタッフの笑顔や患者様とのコミュニケーション風景を動画で紹介することで、病院の理念や温かい雰囲気を伝えることができます。また、病院の理念や診療方針を動画を通じて発信することで、「どのような想いで医療を提供しているのか」「患者様とどのような関係を築きたいのか」といったクリニックの価値観を、より明確に伝えることができます。
求職者へ向けてアピールできる
求職者にとっては、勤務先の雰囲気や職場環境、スタッフの人柄、診療方針などを外部から把握するのは容易ではありません。紹介動画を活用することで、クリニックの魅力や働く環境を視覚的に伝え、求職者が安心して応募できるようになります。動画では、実際に働くスタッフの様子や院内の設備、診療の流れ、職場の雰囲気をリアルに紹介できます。これにより、「どのような職場なのか」「どのようなスタッフが働いているのか」といった求職者の不安を解消し、より具体的なイメージを持ってもらうことができます。また、クリニックの理念やチームワークの大切さ、働きやすい職場環境などをアピールすることで、共感を呼び、ミスマッチを防ぐことにもつながります。
病院紹介動画の種類と目的
病院紹介動画は、目的や対象者に応じて様々な種類があります。
病院全体のPR動画
病院の理念や特徴、診療科目、医療設備、医師・スタッフ紹介などを分かりやすくまとめた動画です。病院のウェブサイトやSNS、地域イベントなどで活用することで、病院の認知度向上やイメージアップを図ることができます。
患者様向け説明動画
特定の病気や治療法、検査内容、入院生活に関する注意点などを詳しく解説する動画です。患者様の治療に対する理解を深め、不安や疑問を解消するために、診察室や病棟で活用します。
採用活動促進動画
病院で働く魅力ややりがい、職場環境、求める人物像などを伝える動画です。病院のウェブサイトや求人サイトに掲載することで、求職者への訴求力を高め、採用活動の効率化を図ることができます。
病院紹介動画の事例紹介
べっぷ内科クリニック
病院紹介の動画です。クリニックの外観や内装、診療設備、スタッフの様子などが紹介され、患者さんが安心して受診できる環境を伝えています。
日南病院
看護師に向けた採用動画です。この動画では、病院の概要、看護師の役割、職場環境、教育体制、福利厚生などが紹介され、求職者にとって働く魅力やメリットが伝えられています。
YouTube:【職員募集動画】日南病院の看護師になろう(一般病棟)
高槻病院
患者さんに向けた検査内容についての動画です。実際の検診の流れや施設の様子、検査内容などが詳しく説明され、視聴者が検診に対する理解を深め、不安を軽減することを目的としていると考えられます。
病院紹介動画の制作における注意点
関連法規やガイドラインへの配慮
医療動画を制作する際には、医療広告ガイドラインに従うことが不可欠です。誇張表現や誤った情報は厳重に避ける必要があります。法的に定められた規則を確認し、適切な表現を徹底することが求められます。ガイドラインに違反すると、医療機関の信頼を著しく損なうだけでなく、法的な罰則を受ける可能性もあります。動画制作に携わるチームは、ガイドラインや関連する法律についてしっかりと理解していることが重要です。さらに、医薬品や医療機器の紹介においては、特に慎重さが求められます。認可された効能や効果以外の情報や、誤解を与える可能性のある表現は避けるべきです。専門の医師と密接に連携し、正確な内容であることを徹底的に確認する体制を整えることが大切です。
ターゲットに合わせた内容や表現の工夫
医療の専門知識を持たない方々に向けて、分かりやすく情報を伝える工夫が不可欠です。 専門用語を使用する際には、平易な言葉で解説を加えるなどの配慮が必要です。また、字幕やアニメーションなどの視覚的要素を効果的に取り入れ、視聴環境に適した表現方法を選ぶことで、ユーザー体験の向上を図ることができます。患者の不安を和らげ、安心感を与えられるように、親しみのある語り口やビジュアルを意識しましょう。医療動画は、単なる情報伝達のためのものではなく、患者に寄り添うためのコミュニケーションツールとしての役割も果たします。
患者さんのプライバシー保護
病院紹介動画を制作する際、患者のプライバシー保護は最も重要な課題の一つです。医療情報は極めて繊細な個人情報であり、慎重な取り扱いが求められます。 患者の同意なしに個人が特定できる情報が流出してしまえば、プライバシー侵害という深刻な事態を招きかねません。 万が一にも情報が漏洩しないよう、細心の注意を払った情報管理体制の構築が不可欠です。動画に患者が出る場合は、事前に書面で許可を取得することが重要です。その際、許可の範囲を明確にし、同意が途中で取り消された場合の手続きもあらかじめ決めておくことが良いでしょう。
費用の相場
医療動画の制作には時間と専門性が求められるため、制作会社に依頼するのが一般的です。ここでは、医療動画制作の料金相場について解説します。
解説動画の料金・相場
解説動画の場合、5~30万円程度が相場です。カメラ1台を固定したシンプルな撮影なら5万円程度から制作可能です。
ただし、医療動画では「専門的で細かい内容」を視覚的にわかりやすく伝える必要があるため、プロのカメラマンによる撮影が推奨されます。字幕やナレーションを加える場合、費用は30万円前後となります。
院内紹介・スタッフ動画の料金・相場
院内紹介やスタッフ動画は30~80万円程度が目安です。カメラ1台で施設やスタッフを撮影する場合は、1日で完了し比較的低コストで制作可能です。
一方、密着取材や複数日にわたる撮影では、80~200万円以上の費用が発生することもあります。
ご依頼から納品までのフロー

ミーティング
目的やターゲットを明確化し、競合調査を踏まえて動画制作会社とヒアリングを実施します。動画のコンセプトやシナリオ、絵コンテを具体化し、制作とクリニック間のイメージの齟齬を防ぎます。
撮影
絵コンテに沿って撮影をしていきます。
編集
撮影した素材を繋ぎ合わせ、効果音やBGM、テロップなどを加えていきます。
納品・公開
編集後の動画をデータで納品させていただきます。
まとめ
病院紹介動画は、医療の専門性を分かりやすく伝えるだけでなく、患者さんの不安を軽減し、安心感や信頼を築くために欠かせないツールです。ターゲットに応じた内容の工夫や、視覚的な演出を効果的に取り入れることで、病院の特色や強みをより魅力的に伝えることができます。しかし、動画制作にあたっては、薬機法や医療広告ガイドラインの遵守、患者のプライバシー保護など、医療業界ならではの規制や倫理的配慮が求められます。弊社では、医療機関に特化したサービスを行っております。病院紹介動画の作成をお考えの際はお気軽にご相談ください。
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執筆者
株式会社ITreat
Webディレクター/サブリーダー
化粧品販売、制作会社、建設会社を経て2020年に株式会社ITreatへ入社。未経験からWebディレクターへ転身。現在は、病院・クリニックや一般企業のサイト制作におけるディレクション業務をはじめ、クライアントの採用業務のサポートなどを担当。
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