【2026年4月】医療広告ガイドライン改正のポイント解説

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公開日:2026/06/23

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2026年3月30日に、厚生労働省のホームページで、医療広告ガイドライン(医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針)の改定が発表されました。また、それに合わせて、新しい事例解説書(第6版)も掲載されています

この記事では、2026年(令和8年)4月1日より施行された主な改正点についてまとめています。医療機関のWeb担当者や広告代理店の方が実務で迷いやすいポイントを中心に、具体例を交えながら解説します。

今回の改正で何が変わった?

2026年3月30日、厚生労働省は「医療広告ガイドライン(医療広告等ガイドライン)」の改定を発表し、同年4月1日より施行されました。

参考:
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)
事例解説書第6版の通知

今回の改正は、変更点は大きく2つに集約されます。

今回の改正の2大ポイント
① オンライン診療受診施設に関する広告規制の新設(ガイドライン本体の改正)
② SNS・動画広告に関する事例の拡充(事例解説書 第6版の改定)

「オンライン診療受診施設」とは何か

今回の改正で新たに整理された重要な概念が、「オンライン診療受診施設」です。

1.オンライン診療受診施設の定義

オンライン診療受診施設とは、オンライン診療を行う医師・歯科医師が勤務する病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院に対して、患者がオンライン診療を受ける場所として提供される施設のことです。

わかりやすく言うと、患者が自宅以外の場所でオンライン診療を受けられるようにするための「受診場所」です。たとえば、医療資源が少ない地域において、公民館や郵便局など身近な施設を活用するケースが想定されています。

ただし、この施設自体が医療を提供するわけではありません。診療を行うのは、オンライン診療を実施する医療機関の医師・歯科医師です。

2. なぜ規制が必要になったか

オンライン診療受診施設は、患者がオンライン診療を受けるための場所を提供する施設です。
そのため、広告の見せ方によっては、利用者が「この施設自体が医療機関である」「この施設で医療が提供されている」と誤解してしまう可能性があります。
こうした誤認を防ぐため、今回の改正では、オンライン診療受診施設に関する広告についてもルールが整理されました。

オンライン診療受診施設に関する広告規制の詳細

1. 誤認防止の明示義務(必ず守るべき最重要ルール)

オンライン診療受診施設が広告を出す際は、「この施設は医療機関ではない」旨を利用者がわかる形で必ず明示することが義務付けられました。

<具体的な記載例(ガイドライン準拠)>

  • 「この施設は医療機関ではなく、○○クリニックが診療を行います」
  • 「当施設はオンライン診療の受診場所を提供するサービスです。診療は提携医療機関が担当します」
⚠️ Webサイトのファーストビューや広告バナーに「診察」「治療」などの言葉を単独で使用すると、医療機関と誤認させる可能性があります。
施設の情報を明確に示す文言をセットで記載してください。

2. 広告可能事項の限定

オンライン診療受診施設の広告では、「医療を受ける者の適切な選択を阻害しない」よう、掲載できる情報が限定されています。

カテゴリ広告可能な事項(具体例)広告不可の事項(例)
施設基本情報名称、電話番号、所在地、設置者名「最高品質の環境」等の主観的評価
設備・環境個室・清潔さ・セキュリティ対応医療機器の設置・診療行為の強調
利用情報営業日、営業時間、予約可否特定の医師の優秀さの強調
管理・運営利用料金、個人情報保護の措置「国が認めた」等の誇大表現
サービス多言語対応、駐車場、送迎の有無未承認医療行為の案内

3. 医療機関側の広告可能事項の追加

医療機関(病院・クリニック)側も、オンライン診療受診施設との連携に関して、新たに以下の情報を広告できるようになりました。

医療機関側が新たに広告できるようになった事項
① 勤務医師等がオンライン診療受診施設を利用して診療を行う旨・診療内容
② 本人確認の方法(顔認証・身分証明書確認など)
③ 対面診療への移行体制(緊急時の対応フロー)
④ 情報セキュリティの確保(暗号化通信、録画禁止等の措置)
⑤ オンライン診療の基準に適合して実施している旨

オンライン診療は、患者にとって便利な受診方法である一方、すべての症状や状況に適しているわけではありません。そのため、広告上も「オンライン診療を受けられる」という情報だけでなく、必要に応じて対面診療へつなぐ体制や、オンライン診療が適さない場合があることをわかりやすく伝えることが大切です。

参考:医療法等の一部を改正する法律の一部の施行等について(オンライン診療関係)

事例解説書(第6版)の主な変更点

ガイドラインの改定とあわせて、「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」も公表されました。

参考:医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)

第6版では、特に以下の内容が拡充されています。

  • 自由診療における限定解除要件を満たしていない事例
  • SNSにおける広告事例
  • 動画における広告事例
  • 体験談の扱い
  • 費用を強調した広告表現

これまで以上に、ホームページだけでなく、Instagram、X、YouTube、TikTokなどのSNS・動画コンテンツも、医療広告規制の観点から確認する必要があります。

1. SNSではプロフィール・投稿・返信まで確認が必要

SNSでは、投稿本文だけでなく、プロフィール、投稿、返信などを含めて確認する必要があります。

第6版では、SNSにおける広告について、以下のような考え方が示されています。

  • プロフィール、投稿、返信のいずれかに禁止事項が含まれていれば問題になり得る
  • 自由診療では、治療内容・費用・主なリスク・副作用を一体的かつ一覧性をもって示す必要がある
  • 必要情報が複数のSNSやリンク先に分散していると、情報提供として不十分になる場合がある
  • 投稿内容と関係のないハッシュタグによる誘引は不適切とされる可能性がある

つまり、「本文だけ整えておけばよい」「詳細は別のSNSやリンク先に書いてあるから大丈夫」とは言い切れません。

SNS運用では、利用者が必要な情報に無理なくたどり着けるかを確認することが重要です。

2. 他者の投稿を引用・リポストする場合も注意が必要

患者や第三者が投稿した内容であっても、医療機関が引用・リポストする場合は注意が必要です。

たとえば、以下のような投稿を自院の公式アカウントで紹介すると、体験談を広告として利用していると判断される可能性があります。

  • 治療を受けてよかった
  • 効果を実感した
  • 痛みが少なかった
  • 腫れがすぐ引いた
  • とてもおすすめです

重要なのは、誰が最初に投稿したかではありません。医療機関がその投稿をどのように利用し、結果として治療内容や効果を訴求しているかが問われます。

3. 動画広告は本編だけでなく周辺情報も確認する

動画広告では、動画本編だけでなく、タイトル、概要欄、プロフィール、ハッシュタグなども含めて確認する必要があります。
また、動画内のテロップや音声も広告表現として見られます。

確認すべき主な項目は以下のとおりです。

確認対象注意点
動画本編治療効果を断定していないか、リスクや副作用を適切に説明しているか
テロップ・音声視聴者に誤認を与える表現になっていないか
タイトル過度な誘引表現や誇大表現がないか
概要欄必要情報がわかりやすく整理されているか
ハッシュタグ投稿内容と関係のないタグで誘引していないか

特に自由診療の動画では、治療内容、標準的な費用、治療期間・回数、主なリスク・副作用について、動画や概要欄など一連の広告の中で確認しやすく示す必要があります。

4. 患者出演動画・体験談動画に注意する

動画内で患者が治療内容や効果について話す場合、それは体験談に該当する可能性があります。

また、患者がリスクや副作用について話している場合でも、それだけでは自由診療に必要なリスク説明として十分とはいえません。

たとえば、以下のような発言には注意が必要です。

  • 痛みはほとんどありませんでした
  • すぐに効果を実感しました
  • 少し赤くなったけど、すぐ引きました
  • やってよかったです
  • 友人にもすすめたいです

患者の体験談は、個人の状態や感じ方によって異なります。そのため、医療機関が広告として紹介すると、利用者に誤認を与えるおそれがあります。

自由診療の説明では、患者の感想ではなく、医療機関側が客観的に、治療内容・標準的な費用・治療期間や回数・主なリスクや副作用を示す必要があります。

5. 費用を強調した広告表現に注意する

第6版では、動画における「費用を強調した広告」も具体的に示されています。

費用を掲載すること自体が問題なのではありません。しかし、価格の安さや限定性を前面に出しすぎると、医療広告として不適切と判断される可能性があります。

注意したい表現の例は以下のとおりです。

  • 今なら半額
  • 期間限定で初回50%OFF
  • モニター価格で受診できます
  • 今だけキャンペーン実施中
  • 期間限定のためお早めにご来院ください

費用を掲載する場合は、価格だけを強調するのではなく、治療内容、期間・回数、主なリスク・副作用とあわせて、利用者が総合的に判断できる形にすることが大切です。

また、事実と異なる価格表示や、条件付き価格を一般的な価格のように見せる表現は、虚偽広告に該当するおそれもあるため注意が必要です。

Webサイト・SNS運用のチェックポイント

2026年4月以降の医療広告規制を踏まえ、医療機関のWebサイトやSNSを運用する際のセルフチェックポイントをまとめます。

1.自院のWebサイト確認リスト

  • オンライン診療を実施している旨を記載しているか
  • オンライン診療受診施設を利用する場合、その内容を正しく説明しているか
  • オンライン診療受診施設が医療機関ではないことが明示されているか
  • オンライン診療が適さない場合や、対面診療へつなぐ体制を説明しているか
  • 自由診療ページで、治療内容、費用、期間・回数、リスク・副作用が不足していないか
  • 患者の声や口コミを、治療効果の体験談として掲載していないか
  • ビフォーアフター写真の近くに、必要な説明を記載しているか
  • 「必ず治る」「効果を保証」などの断定表現がないか

2.SNS・動画の確認リスト

  • SNSプロフィールに過度な誘引表現がないか
  • 投稿本文、画像、返信、ハッシュタグを含めて確認しているか
  • 自由診療の必要情報が、利用者にとって確認しやすい場所にあるか
  • 必要情報が複数のSNSやリンク先に分散しすぎていないか
  • 他者の投稿や口コミを、体験談として引用・リポストしていないか
  • 動画のタイトル、概要欄、テロップ、音声も確認しているか
  • 患者出演動画が、治療内容や効果に関する体験談になっていないか
  • 価格の安さやキャンペーンを過度に強調していないか

3.広告規制の対象となる媒体一覧

医療広告ガイドラインは「何人も」(個人・法人問わず)を規制対象とし、以下の媒体すべてに適用されます。

媒体対象となる広告要素特に注意すべきポイント
公式Webサイト全ページスペシャリスト・No.1表現、体験談
SNS(Instagram/X等)プロフィール、投稿、返信、ハッシュタグリポストによる体験談の引用
YouTube動画本編、タイトル、概要欄、テロップ、音声患者体験談の動画掲載
MEO(Googleビジネスプロフィール)施設情報、投稿、口コミ返信クチコミ誘導・水増し
チラシ・院内掲示全掲載内容比較広告・誇大表現

まとめ

2026年4月施行の医療広告ガイドライン改正は、「オンライン診療受診施設」という新業態への対応と、SNS・動画広告の具体的な規制強化が2本柱です。

医療広告ガイドラインへの対応は、公開後の修正だけでなく、企画・原稿作成・デザイン・投稿設計の段階から確認することが重要です。医療機関だけでなく、Web制作会社や広告代理店、SNS運用担当者も、最新のルールを理解したうえで情報発信を行う必要があります。

【参考情報・関連リンク】

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    S・OGAWA

    執筆者

    S・OGAWA

    株式会社ITreat

    Webディレクター/リーダー

    ■自己紹介

    大手求人情報誌のデザイナー、インハウスのWebデザイナーを数年経験。Webディレクターに転身後、Web事業を展開している上場企業を経て、2019年に株式会社ITreat入社。現在は病院・クリニック・リハビリ施設サイトのディレクションを担当。社内外のSEO対策にも従事。

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